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Will I change the Fate?  作者: 織坂一
2. Fate to disappear
43/102

line of sight-3




「あ」


 忘れてたと謂わんばかりに、短く声を漏らす比企。確かにに花村であればこの謎は解けるだろうと。


 一見花村は普通の人間だが、その実態は人間とはかけ離れた別の何か。


 一瞬希望が潰えた様に思えたが、それは阻止された。だからこの後、比企と斎藤、アマンテスと南條は土方の部屋を後にした。





 暫く時は過ぎて夜。東京の街は今夜もイルミネーションに包まれながら人の心を燻る。そのロマネスクを飾る東京スカイツリーに母禮はいた。



「まぁ、そんなに怪訝そうな顔をしないでくれ」



 あれから母禮は支離滅裂な相手の態度に腹を立てていた。幸い影踏の攻撃に身体を射抜かれたが、実際身体の損傷は、軽くレーザーを浴びせられた程度。


 では何の目的かと言えば、当の影踏は答えなかった。


 ようやくこの東京スカイツリーに着いた時に樹戸が母禮に説明する。こちらは人質ではなく客として招いた為と言うが、あまりにも方法がおかしい。


 しかし『生命の樹』側からしてはこういった方法は常套手段なのか――その疑念だけが母禮の頭を駆け巡る。


 母禮はこの2人が如何なる能力を持つかは知らないが、今の自分ではどうも抵抗出来ない事は、先程影踏から嫌という程知らされた。


 取り残された斎藤と、恐らく今の母禮の事を知っているであろう新撰組の本部の事は気になったが、今は樹戸と影踏と共にディナーを取っていた。


 そんな中、樹戸は相変わらずも母禮を宥める様にこう続ける。


 

「私達も確かに目的があるし、成し遂げなければならない事もある。そこら辺は君ら大鳥一族とも変わりはないと思うんだがね」



 この言葉に、母禮は更に腹が立った。


 テロリスト(かれら)大鳥家(じぶんたち)が同じ?


 馬鹿を言え、そんなお前らが指す大鳥家(きみら)とは、敬禮あのひとだろう――と。


 故に、その矜持を踏み潰されたのかが不愉快だと母禮はこう返す。



「だが我々は国そのものを一掃するべきではないと判断している」


「ほう?確かに君のお義兄さんは大鳥本家に対しての復讐の為に、私の研究していた生命装置の資料を持っていたのだがね。君は違うという事か」



 しかし母禮が向けた鋭すぎる敵意さえ、樹戸はいとも容易く受け流す。まるでこんな事は些事(あいさつ)だろうと謂わんばかりに。


 だが次にその口から出たのは、母禮への謝罪だった。



「それと、その傷を負った事に関しても謝罪しよう。できれば無傷といきたかったが、何せあの斎藤所以を相手にするのは我々にとっても脅威だ。そしてここからが本題なのだが」



 とは言っても、そこに反省の色はない。しかし次の瞬間、どこか愉快気を含んで樹戸は言う。



「灯影……高杉灯影と話してみる気はあるかな?」



 そう、彼らがこうも付き合ったのは全て彼らのリーダ-である高杉の命なのだと。だが、母禮は警戒しながらこう返す。



「話してもいいのか?あくまでも敵同士だぞ?」


「構わないよ、それにこの願いは灯影自身から願い出されたものでね。よかったら、話し相手になってくれると、こちらも嬉しい」



 カタ、とフォークを置き立ち上がる樹戸と目線が合うと同時に母禮もまた言葉を紡ぐ。



「良いだろう、それに応じてやる」



 険しく敵意も尚抱く母禮に対し、樹戸はその端正な顔に社交的な笑みだけを母禮に返した。




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