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Will I change the Fate?  作者: 織坂一
2. Fate to disappear
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annuciate-2



 時刻は午後7時。9階のロビーで第1部隊から第3部隊、さらには緊急だが予備として第5部隊と第8部隊まで招集された中で、話し合いは行われようとする中で、土方は早速本題へと入る。



「さて、今回集まってもらったのは他でもねぇ『生命の樹』についての話だ。俺らが今までひっ捕まえてきた犯罪者だの組織だのそんなモンは今はいい」



 突如話題に上がる『生命の樹』の話とやらを理解出来ない母禮だが、他に集まった隊員達は、土方が今から言おうとしている事に大体の予測はついていた。


 そして無論、土方は今度の新撰組の方針を述べる。



「大鳥啓介の粛清を終えた故にようやく上からお達しがきた。任務内容はそれぞれ第3部隊までが、奴らの完成させようとしている生命装置の回収及び破壊だ」



 あまりにも突拍子すぎる話に、一瞬この場がざわめく。確かに覚悟はあるものの、まさかこんなに早くにするとは思わなかったとでも言う様に。


 しかし母禮だけは、この話題に疑問を抱いていた。


 何せ『生命の樹』は日本政府と提携し、より国力を推進していくと認識している。そう、彼女は『生命の樹』の真の目的を理解していなかったのだ。


 だがそれは無理もない。何せ国家への反逆行為をいずれ起こすと知っているのは、『生命の樹』のリーダーである高杉と幹部3名のみ。それ以外の者は偽りの正義に酔っているに過ぎないのだから。


 重く真剣な空気に全員が身を縛られる中、唯一指揮を担当する土方だけが淡々と話していく。



「知ってると思うが、新選組達も『生命の樹』も根は同じでも手法は逆だ。正直もう国を見限ったからこそ、俺達が国を変えてやると先陣を切った」



 その真実を聞いて、母禮は思わず息を呑む。だが、こうも思う。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と。


 しかし、何故か遊佐達幹部は、それを疑問にすら思わない素ぶりを見せる。まるで最初からそれを分かっていたかの様に。そして一部を取り残して、勝手に土方の話は続いていく。



「生命装置やその他にも危険なブツもあるかもしれねぇんだ。これは最も俺達が警戒しなきゃならねぇ事態だ。だから、片っ端から片付けるぞ」



 と言っては、地図をそのままセットしてあったスクリーンへと映してはタンッ、と一箇所に指を立てる。



「ここだ」



 指を立てているのは、四谷付近にある慶應大医学部。そして土方はこれの正体を暴いていく。



「奴らはここで生命装置の実験を密かに行っていたという。開発者の樹戸榊もそこで教授を務めている。まずはここを制圧するぞ。そして、残りはここ3つだ」



 そのままスクリーンは慶應大学を中心に囲うかの様にそびえ立つ建物をマークする。要はここら3つの建物も、裏では『生命の樹』の所有物だという訳だ。



「ここは奴らの本拠地ではないが、関連されているとされる建物3つだ。これを第5から第8部隊に一隊一箇所配備して制圧。第2部隊はそこの責任を頼む」



 その言葉に、第5部隊と第8部隊、他にも第2部隊の隊員全員が頷く。



「第3部隊は慶應大医学部に。第1部隊はここ……最終目的地である東京タワーを攻めるそこの責任としては俺と大鳥を除く予備部隊を連れて行く」



 至って大まかな作戦は以上。母禮が参加出来ないのは、土方があの時母禮を新撰組に入隊させた時にある条件を交わしたからだ。


 一見母禮は幼い少年の様に見えるが、よくよく見れば女である事を隠せない。


 元々女性は入隊不可の組織で、女性が交じれば何らかの問題を起こす。それに初めて新撰組に来た時の呪いの解放が、更に母禮のいる条件を限定させた。


 母禮が新撰組の隊員として動くなら、新撰組の拠点を守る為だけ。しかも土方の指示を受けた時だけと、かなりの警戒が強いられている。



「各隊隊長はプランB-5を発動準備。作戦は明け方4時30分から。他の各隊隊長には俺から話を伝えておく。分かったな?」


「はい!」


(もうここまで分かっているのか……)



 会議の後に部屋に戻った母禮は、シャワーを浴びながら先程までの殺伐とした会議の様子を思い返す。


 そして作戦に備えていた瞬間、突然聞こえた電話の呼び出し音に思わずシャワーを止める。


 音からしてこれは備え付けの電話ではなく携帯の方だ。身体にタオルを巻き付け風呂場を後にして携帯の着信履歴を見れば、着信の相手はアマンテスであった。


 こんな時間に何であろうかと思い、リダイヤルを押す。するとアマンテスは携帯を鳴らしてすぐに応答した。



「もしもし。どうしたのだ?こんな時間に」


「母禮か。すまんが、今から東京駅まで迎えに来てくれ。」



 突如東京駅まで来いというアマンテス。当然だが母禮の目は点となる。


 確かにアマンテスには、先の敬禮の件で世話になった事は確かだ。しかもどうみてもアマンテスの声音からして、前回の様にただ日本に観光をしにきた訳ではないとすぐ分かる。



「なぜ今そんな事を?」


 しかし急な言葉に呆気に取られていれば、電話越しでアマンテスは大きな溜息を吐いてはこう切り返す。



「折角貴様ら新選組の力になろうと思っていたのだがな。助け舟は不要か?」


「……事はそんなに深刻なのか?」



 勿論母禮は何故?と思う。何故他国の魔術結社の人間が、ただの一組織の助け舟になるというのか。しかしアマンテス自身、母禮の問いに対し、答える気などない。



「疑問を疑問で返すな。まぁ、そうだな……日本としては最悪な事態が直に起きる。続きが聞きたければ、道中で話す」



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