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傷の舐め合い

作者: 月野 光

君のその手に

彼女の温もりを重ねる


君もまた

僕の手に

彼氏の温もりを重ねる


ただの傷の舐め合いだとしても……


彼女のことを

彼氏のことを

忘れられない二人だからこそ

成り立つ関係……


怖さを知っていて

自分の弱さを知っているから

成り立つ関係……


だからこそ

程よい関係を保てる


求めすぎない

離れすぎない

傷つけ合わない


例えそれが

人間関係において致命的だとしても……


僕たちはこの関係を断つことは出来ない……


傷の舐め合いだとしても

人間関係において

これが致命的だとしても


僕たちにとっては


たった一つの居場所なのだから……

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