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万歳!家畜ライフ  作者: ずみ
1/3

~選ばれたのは、異世界での家畜でした~

「誰だ、お前」

鋭い言葉といっしょに向けられたのはまぎれもない殺意。つまり剣でした。


ヘイナイスボーイ!あとそこにいるナイスミドル!誰だと聞かれれば答えましょう。

ぽっちゃりマシュマロ天使な林檎さんですよ。あ、林檎って名前なんです。珍しいでしょ?御年18歳!18禁も解禁されます。そして見よ、このマシュマロボディ!もっちりもちもち肌!どこを揉んでも柔らかい!しかも今ならお供の可愛い子豚ちゃんまでついてくる!

「ブヒッ」

非常食にぴったりですね!

「ブヒッ!?」

「だから助けてくださいお願いします神様仏様ヤ○ザ様ぁ!」

「そんな道理が通ると思ってんのか」

「デスヨネー」

思うにここは協会ですね。

おっかしいなー

さっきまで自分の部屋にいたはずなのになー

夜中水飲みに台所に行ったらゴキ○○が出たからびっくりしてすっこけただけなのになー

それにしても誰だろうこのイケメンなナイスボーイは…右腕包帯でぐるぐるだけど。

「どうやって入ってきた」

「どうやってというか自分でもよくわからなくて……このキュートな豚ちゃんのせいですかね」

「いっしょに焼き豚になるか?」

「すみません冗談です!豚ですから焼かないでください!」

え、なんでちょっと微妙な顔するんですか。子豚ちゃんもなんでそんな目で見るの?

「ブヒィ………」

気にすんなよ、お前は充分良い女だぜ、みたいな声出されても。

「いや言ってねえだろ」

「え、なんで今思ってることわかったんですか?まさか…エスp「全部声に出てるぞ」申し訳ありませんでした!」

もうだめだ。五体投地して全力で土下座する。なんでだ?私の人生に何があった?

「丁度良い。入れるか」

「え、何を!?どこにですか!?」

ぐいっとつかまれて無理矢理歩かされる。待って待って林檎さん心の準備が追い付いてない。

「どう入ったかは知らねえが、ここはケプル神を祭る聖堂だ。悪魔か聖職者以外は入れるわけがねえ」

「セイショクシャデス」

「つまりお前は悪魔ってわけだ」

林檎さんの意見ガン無視!

「じゃあな。」

連れてかれた先には大きな黒い穴があった。

間違いなくこの高さから落ちたら死ぬ。

「ま、待って!お願いします!怪しい者じゃないです!!」

「じゃあな」

ドン、と背中を押される。あぁあグッバイ私の人生。ウェルカム来世の私。すまない、子豚ちゃん。

「一生恨んでやるこの包帯野郎!!!!」

眼をつぶる。せめて痛くありませんように、…って。

「痛い!なんかめっちゃどつかれてる!痛い痛い痛いです!」

穴の底から何かがキャッチ&リリースしてる!

「おい、包帯野郎って」

「ぎゃあああ殺されるううう」

「うるせえ。」

「っンぐ!」

全力で口を押えます。変なこと言ったらまた穴に落とされる…!

「あの穴に入れても死なないってことはあれか…こいつが……それにしてもすげえ顔してんな…」

あの、早く何か言ってくれませんかね。息ができないので。

「いいか。よく聞け」

うんうん。聞いてます。

「これからお前はこの世界の家畜になれ」


デブに人権はないんですか!?

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