1話目 〜出会い〜
目に留めてくださりありがとうございます!
まだまだ拙い文章ですが、読んでいただけたら嬉しいです。 アドバイスや訂正すべき所などございましたら、改善したいのでぜひ教えてください!
小さいものって良いですよね!
5月ももうすぐ終わりが近づき、だんだんと(もうすでに?)暑くなってきた今日この頃。
わたし、小池都はとてつもなく落ち込んでいる。今は学校から下校している最中なのに、まるでお気に入りの漫画の新刊が明日発売するのにあと1時間で地球が滅亡するときみたいに……。
「ほんっとに、今日はついてなかったなぁ……」
そう言って思わずため息を零してしまった。5歳老ける……。
カタッ
ん? 何か蹴っちゃった?
しゃがんで足元を見てみると、小さな‘‘おわん’’が転がっている。外側は黒く艶めいていて、内側は赤くムラなく塗られていてとてもきれいだ。
「うわぁ。すんごい綺麗じゃん、このおわん!
……よかったぁ。蹴っちゃったっぽいけど傷ひとつついてないや!」
私が歩いている道は普通のコンクリートだから、転がって傷ひとつない事は有り得ない気もするけど、日頃の行いのおかげかな?と思い、思わずに安堵していた。
「あー、でもどうしようコレ? 見たところ近くに誰もいないし、落とした人ここまで戻って来なそうだし。なんか私、コレ欲しいな……。持って帰っちゃおうかなぁ〜」
このまんまここに置いといて、持ち主が現れずにコケが生えてくるよりは、私が持ち帰ったほうがきっとこのおわんも幸せだよね!
いつの間にか、落ち込んでいたことなんて忘れている。良い物をゲットした、と思って帰路を急ごうと思った都はすっくと立ち上がった。
「おい‼︎ちょっとそこの女、待てぇ!」
「……え?」
なになに⁉︎ どこからか男の人の声が⁉︎ 周りだぁれもいないんですけど⁉︎
キョロキョロ辺りを見回すが、男性なんていない。
「やだ! おばけ⁉︎ ゆーれい⁉︎ 妖怪⁉︎ あ、それともただの空耳⁉︎ 」
軽くパニックなんですけど⁉︎ あんなはっきりした空耳ってあるん……
「何言ってんだよ!よく見ろ、下だ、下!
見えてるんだろ?それともなんだ?馬鹿にしてんのか⁉︎」
下……? パッと言われた通り下を向いてみると……
わずか3cmほどの、仁王立ちをした美少年(?)がそこにいた。