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オトギ話な生徒達  作者: 波希
第2章 生徒会長決定戦
8/13

第1話 一年ぶりですね

新章突入からいきなりだが、結論から言おう。

俺&美名vs飛蒼のバトルは、飛蒼の圧勝だった。


バトルが始まってから気づいたのだが、美名のキャラクター『長靴をはいた猫』は、主人公級(ヒーロークラス)なので一応能力は持っていたのだが、その能力は“情報の操作” だった。

なんでも、“情報の操作” というのは、犯罪には及ばない、かつ、教師には被害が及ばない辺りまで学校のデータベースに侵入できるというとんでも能力なのだが、このバトルでは全く使えず。

美名は耳をぴょんぴょんさせ、尻尾をふりふりさせながら応援してくれただけだった。可愛い。


当の俺はというと、自分の能力が何なのかすら分からず、ピーターパンになったときに付属として出てきた剣を振り回すことしか出来ず、遠隔で攻撃できる飛蒼には全くかなわなかった。


飛蒼はバトルがスタートすると、先程の有栖川と同じように“桜吹雪” で俺達の周りに壁を作ると、本来ならば有栖川にもその後使ったであろう技、“桜吹雪 上昇気流ver” というとったつけたような名前の、桜吹雪で上昇気流を発生させ、俺達を4mもの高さのある天井付近まで持ち上げてから技を止めて落下させるという技によって瞬殺された。


上昇&落下は重力制御装置という、最先端の技術によって形作られており、もちろん落下時は地面スレスレで止めている……これマジ寿命縮んだ……。


落ちきってホログラムが消滅した瞬間に、ようやく美名がこのバトルをしかけた意味がわかった。

美名は飛蒼が有栖川に何をしたのかではなく、俺がその時何を考えてたかが知りたかったのだと。


……だって、どう考えても美名には勝つ気がなかったからね……。


「さて、圭ちゃん……。さっきなんで十文字くんが有栖川さんを泣かせたとき怒ったの? 圭ちゃんがさっき言ったように、十文字くんは裏でいっぱい女の子泣かせてるんだから今更でしょ?」


「……金春ちゃん? 今のはちょっと悪意あったよね?」


そう、俺は普段、女子が飛蒼のせいで泣いていても飛蒼には何も言わない。

それはその子と飛蒼の問題だし、飛蒼がそういう性格だということもこの一年で十分にわかっているからだ。

ならば、もう正直に何故自分が怒ったのか言うしかない……。


「有栖川が、すごい可愛かったから……怒ったんだと思う」


可愛いから怒った。

ぶっちゃけ最低だ。

しかし、さっき有栖川に対して思ったことをまとめるとそうなるのは事実だし何より俺はいたって普通で健全な男子高校生。

やっぱり可愛い子に優しくしてしまうのはしょうがない。

誰にでも優しい男なんて、空想上の生き物だ。

そんなことない! 私の彼氏はいつだって優しいもん! と思う人もいるかもしれない。

でも、それはあなただけに優しいのであって、あなたはそのあなただけに優しい彼氏が好きなのだ。

よく、アニメや漫画の主人公でハーレムを作り上げている誰にでも優しい男がいる。

ただ、そんなものは前述通り、空想上の生き物だろう。

現実に、誰にでも優しい男がいたらそれはそれである意味気持ち悪いだろう。


話が逸れてしまったが、さっきの発言が後々大きな誤解をまねくことになるとは俺はその時まだ思ってなかった。



~~~



所変わって、御子神高校、本館四階「第一会議室」。

今や、“abyss” の本拠地となっているところだ。


俺の有栖川可愛い発言以降、その事については二人とも何も言わずに美名が、「……そっか……じゃーとりあえず行こっか!」と語尾を無理矢理ハイテンションにさせたような口調で言ったので、俺達男二人は同意して、再び寮から校舎まで帰ってきたということだ。


道中、何となく空気が重かったので飛蒼と二人でパイ乙トークをしていた。

飛蒼が巨乳派だということは知っていたのだが、俺が貧乳派だということを飛蒼が知ると、ちょっとした言い合いになった……実はこれも後々大きな波乱を呼ぶことになるのだがそれはまた別の話。

このパイ乙トークで俺と飛蒼はさっきのシリアスモードのことをキレイサッパリ忘れた。


パイ乙トーク中、美名は自分の胸(美名の胸は、貧乳か巨乳かで言うと貧乳なのだが、さらにどちらかというと美乳であり、つつましいながらも将来が期待されるものとなっている)を、かなり気にしていたので俺が「……そのままでいてくれ」と言ったら、思いっきりビンタされた。

有栖川可愛い発言でもビンタはされなかったのに……何がそんなに気に触ったのだろうか……。


そうしたこともあり、俺達は今、第一会議室前にいるのだが……


「おい……全く声がしねぇぞ? なぁ、飛蒼……ホントにここで合ってんのか?」


「さすがに間違えないよ……来るのは初めてだけどいざとなれば美名の能力でもわかるし」


「ふーん……とりあえず入ってみるか……」


そう言って、俺はドアを開けようとした。


「おいおいおいおい! またかい! けーちも学習しようよ! もうさっきのコロシアムのこと忘れたの?」


さっきのコロシアムのことといえば、なんか俺が入っていったら怒られたやつだ。


まったく……訳がわからない……そう思いながら

俺はドアを開けた……

けど、閉めた。


「けーー……ち? どうしたの? また性懲りもなく開けたと思ったら、すぐ閉めちゃって」


「いや……人の言うことは聞いとくもんだな」


そんなやりとりをしていると、部屋の中から声が聞こえた。


「青砥くん? 着いたのでしたら、どうぞ入ってきてください」


前会長こと、弥生先輩の声だ。


開けてしまったものはしょうがないので、再度ドアを開ける。


「失礼します」


改めて中の様子を見るも、これはやばい。

まさに、圧倒された。

三年生が多いのもあるだろうが、何よりまるで覇気か何かを出しているような……威圧感が半端じゃない。

この光景はドラマとかでよく見る大会社の重役会議のそれと表現するのが最も適切だろう。

ざっと見渡しただけでも二十人はいる。

その中には、ついさっき会ったばかりの有栖川の姿もある。

長机の右側に十人、左側に十人、そして先程例に挙げた重役会議でトップの人物が座るところ……つまり、俺達から見て正面の席には、

誰も座っていない。


圧倒されて入口に突っ立っている俺達に、弥生先輩が声をかけてくれた。


「ようこそ、“abyss” へ。……すいませんね……こんな堅苦しい雰囲気で。たまたま、明日の生徒会長決定戦の打ち合わせ中でしてね。

私を入れた、“abyss” の〈五人幹部〉を筆頭とした有力者はもちろん、協力してくださる他のチームのトップや幹部クラスの方にも来ていただいていたんですよ」


なるほど……通りで強そうな訳だ。

七:三で女子の比率が高いのは意外だったので驚いたが……。


「そうでしたか。えーっと、とりあえず、ひ……十文字くんと金春さんが話を聞きたいそうなので詳しく二人に説明してもらえないでしょうか?」


そう言うと、弥生先輩は少しバツの悪そうな顔になった。


「……すいません、青砥くん。……私の意見ならすんなり通ると偉そうなことを言っておいて申し訳ないんですが、青砥くん達に協力してもらうことは出来なくなりました」


「えっ!? ……どうしてですか?」


元々、協力するつもりはなかった……というか、そんな案は向こうから持ち出してこない限りは思いつかなかった。

だから、別に断られてもその時点では問題なかったのだが、“abyss” に協力することによって飛蒼の目標が達成するならば、できることなら今は協力したいと思っている。


「それが……アリスの親衛隊たちが、“青砥圭佑” と協力するのを嫌がって……『協力するなら、俺達は“abyss” に協力しない!』とか言い出してね……それだけならまだ、青砥くんたちのほうをとったのだけど、アリス本人が、“十文字飛蒼” と協力することを拒んでしまってね……何でなのかはわからないんだけど……君が十文字くんだよね?」


こっちを見ていた、まだ少し涙目の有栖川が目を逸らしてうつむくと、弥生先輩はここで飛蒼に目を向けた。

ちなみに結局、さっきの飛蒼との勝負には負けたので飛蒼が有栖川に何をしたのかは俺達もまだわかっていない。


「はい……僕が十文字飛蒼です。一年ぶり……ですかね? 先輩と対面するのは」


一年ぶりとは、どういうことだろう?

弥生先輩の口ぶりからして、面識があるとは思っていなかった。


「いやー、青砥くんもそうでしたが、あなた方の記憶力は素晴らしいですね! 覚えていないかと思って初対面ぶっちゃいましたよ。いやいや、お恥ずかしい……。そうですよね、一年ぶりですよね、丁度……

……君が私にトドメをさしたあの時から」


『なっ!?』


俺と美名、それにその話を聞いていた周りの生徒達も一斉に驚いた。

飛蒼がトドメをさした……だと?

つまり、丁度一年前というと昨年の生徒会長決定戦になるので、飛蒼が弥生先輩を直接、会長の座から引きずり落としたというわけだ。


「私は、今でこそ恨んではいないが、だからと言って、あの時トドメをさした男を忘れることはできない。反対に君はそんなこと忘れてると思ったんだけどね」


「僕も忘れられないですよ……先輩。あの時は僕一人じゃなく大人数でしたから、先輩のほうこそ忘れてるんじゃないかと思いました。

あれは僕の失態です。あそこで先輩を倒さなければ今の変態会長になることもなかったのにと思うと…………。

やはり、先輩達に味方をするしかないようですね」


「その気持ちは嬉しいんだが、十文字くん。私は協力したいのだけれども、やはりアリスの一派がね……」


話を聞いている有栖川の顔はほとんど見えないほどにうつむいている。

多分、申し訳なさもあるのだろう。

しかし、そこまでして飛蒼と協力したくないのは本当に何なんだ?


「では、こちらに提案があります。もちろん、乗るかどうかは “abyss” 次第ですが……」


そうして飛蒼が出した案は、結果として即採用となった。



すいません……

今日、更新予定だったのですが

だいぶギリギリになってしまいました

今度はもう少し早めに……


第二章スタートです!


次回は12月31日、更新予定!



追記

12月31日に次話が更新予定でしたが

諸事情により

1月2日まで更新を延期させていただきます


追記

すいません……

暇がなかったので全くかけませんでした……

明日は丸一日時間があるので

明日=1月4日こそは更新します!

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