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オトギ話な生徒達  作者: 波希
第1章 一年遅れでの始まり
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第2話 覚醒神

昨年は俺と飛蒼が一緒の一年二組。

一方、美名の方は一年五組だった。

美名のいた一年五組は、通称「イチゴ組」と呼ばれていた。

ただその可愛らしいネーミングとは裏腹に、イチゴ組には学年でもトップクラスの猛者共が集まっており、''一桁'' の人達やその少し下の人が何人も存在し、何のイベントにも参加しなかった自分でも、その強さは耳に入ってきたくらいだ。


現在、二年生になってそのイチゴ組は分散し、これで戦力は各クラス均等になった。

と、教師達も思っただろう。

しかし、そこに俺の登場だ。

結果、これで二年一組は他のクラスより、頭一つ飛び出ることになるだろう。

俺のおかげで……。


「なーに、ニヤニヤしてんのよ。どーせ『俺のおかげでこのクラス強くね? マジ俺のおかげで! へへっ! 大事なことだから二回言っちゃったぜぇ~www ぐぇっへっへ~』とか思ってたんでしょ?」


「んなわけありまへんわよ!?」


関西弁+お嬢様の夢のコラボしてしまった。

そして、さすがにそんなキモくねーよ。


「誤魔化すの下手すぎるでしょ……」


「誤魔化してねーよ! あのー……あれだよ!先生が可愛かったから、つい……」


言い終わった後で、地雷を踏んじゃったことに気付いた。ヤバたん。


「へー、圭佑は年上の女性が好みなんだー、あーそーですかー。それはこの一年間楽しくなりそーですねー」


何故か美名は俺が誰かを可愛いと言うと、遠い目をしながら棒読みで拗ねる。

美名が俺のことを「圭佑」と呼ぶのは、拗ねてるときか、怒ってるときだけしか知らない。


「まぁ……そーだな……俺の見間違いだったかもしれん」


「ん……まぁいいケド……とゆーか、あの先生誰だっけ?」


「うーん……たぶん新しい先生じゃね? 俺も見たことないし」


今更だが俺達は今、二年一組の教室にいる。

俺と美名は席が前から二番目の窓側二列なので、楽しくおしゃべりしている。

嬉しいです。


で、今、教卓の前で見た目は二十代前半くらいだが、顔は童顔、スーツを着ていて、いかにも新任です!感を出している女の先生が話をしている。


「ではー改めて自己紹介をさせてもらいまーす」


やる気がないわけではないが喋り方がほんわりとしていて、聞いてると眠くなりそうだ。

教師はいかに生徒を寝かさずに授業を聞かせ続けれるかがポイントなような気もするが、この声じゃそーゆー面では教師向きではなさそうだ。


「先生はーこの世界では十寸見(ますみ)(いずみ)という名で通っていますがー」


ん!?この流れはヤバイ!「という名で通っている」発言は、あの人種しかありえないんじゃ……


「裏世界……通称“Я"(リバース)サイドでは、覚醒神・イズミ・アポストルと呼ばれている!」


新学期。

浮かれていた教室の空気が一瞬でイズミ・アポストルによって一掃された。

あぁ、俺の人生もここまでか…………じゃねーよ!?

中二病じゃん!先生が中二病とかジャンル新しすぎるだろ! 先生に向いてる、向いてないの話じゃねーよ!


「あはは、変わった人だね」


美名も若干引いてる。

そして、最後のセリフだけほんわりではなく、魔王みたいになった覚醒神先生は、静かになった教室で元の声に戻って黙々と話していた。


「えーではー、君たちにー今からキャラデータ端末を渡しまーす。本人しか使えないから盗む人はいないでしょーけど、高価なものだからなくさないでねー。じゃー、一番から出席番号順に取りに来てー」


思わぬアクシデントがあったものの、まぁ俺にとってはこっちのほうが大事なので忘れることにする。

ただ、出席番号一番の子がオドオドしているので次の出席番号二番の俺も取りに行くのが怖い……。


そして俺の番。

ちなみに一番の子は表情から察するに、昨年と同じだったようだ。

そこで俺は、学年六位だったのでどんなキャラがもらえるのかと意気揚々と立ち上がったのだが、


「えーっとねー、青砥くんは後回しにさせてもらえるかなー、ちょっとまだ届いてないんだよねー」


なんでやねん。

恥ずかしいでしょ。

勢いよく立ったので、周りに笑われてしまった……。


「圭ちゃん残念だね。でも、後回しってことはすっごく強いキャラがもらえるんじゃない?」


「それだったらいいけどな……」


「とにかく、私のほうが先にもらっちゃうね。キャラ変わってないといいんだけどなー」


「やっぱ美名もキャラ変わらない方が良い派?色んなキャラ試してみたいとかねーの?」


「んー……でも、操作とか慣れてるキャラのほうがやりやすいでしょ? 必殺技みたいなのも新しいキャラに変わっちゃうとまた最初から見つけ出さなきゃいけないし。」


「ふーん……だからよっぽど順位が上がったり下がったりしない限りはキャラも変わんねーって言われてんのか。まあそれは強いキャラもってるやつには良いシステムかもな」


しかし、俺には不利だ。

俺は確実にキャラが変わるだろうし、ということはつまり必殺技とかを自分で見つけ出していかなければならないため、ずっと同じキャラを使ってる人に比べれば若干不利になる。


「そーだね、主人公級(ヒーロークラス)を持ってる子にとっては特にキャラが変わらない方が嬉しいかもね」


「主人公級? 何の話だ?」


「え? 知らない? いや……知らなくてもおとぎ話のキャラクターで主人公っていったら、そのままの意味でしょ?」


「だから、そもそもそのおとぎ話ってのは何の話だ?」


美名が口をポカーンと開けたままこっちを見ている。

そのときちょうど美名の番になったので、すぐ我にかえってデータ端末を取りに行った。


「マジでいってるんですか、あなたは?」


帰ってきた美名は微妙に敬語っぽくなっていた。


「もしかして、この学校のゲームはおとぎ話がベースなのか?」


「さすがにそれは知ってるもんだと思ってた……一年の時には? そのときも一応データ端末もらったんでしょ?」


「いや……そのときは、もらったのが『犬』だったから……」

三話にして読者ですら知っているにもかかわらず、主人公だけが知らなかった驚愕の事実!!

この学校のゲームはおとぎ話だった!

てっきり、動物だと思ってた男はこちらになります!


「ふぅ……まぁいいよ……しょーがないよね……。その『犬』っていうのは多分、桃太郎の従者級(サブクラス)だと思うよ。他のも説明しといた方がいい?」


良い幼なじみを持ってよかった!可愛いし!


「よろしく頼むよ……えーっと、主人公級と従者級と? 後は何があるんだ?」


「まぁ、これは私達がゲーム中に使ってる言葉だからホントの名前じゃないと思うんだけど……、とりあえず桃太郎で全部まとめて話をすると、主人公級はもちろん『桃太郎』。これが一番レアでだいたい学年二十位くらいまでの子が持てるの。その次に強いのは敵級(エネミークラス)で、これは『鬼』だね」


「敵って弱いイメージあるけどなー」


「まぁ、従者級よりは強いってわけよ。んで、その従者級は桃太郎でいう、『犬』、『キジ』、『猿』ってとこね。意外と強かったりする従者級もいるんだけど、だいたいは犬みたいな全く使えないような……あ……ゴメン……」


最初、何に謝っているのかわからなかったが、全く使えないってところに対してだろうか?

そんなこと、今の俺にとっちゃ過去のことだしどーでもいいことだけど、それでも謝ってくれるというのはやはり優しい。

ポイント上がっちゃったね。


「気にすんなよ。んなことガチでなんとも思わねーよ。気ぃ使ってくれてサンキューな」


一応こっちもポイントを上げる作戦に出ちゃう。


「……うん……、そ、それでね! 実はもう一つ、伝説級(レジェンドクラス)っていうのがあって、これは生徒じゃなくて先生達しか使えないの!」


顔を赤らめたと思ったら急に元気になった。

もしかして、俺のこと好きなのかな?

はい! 勘違い乙www


「でも、これであの覚醒神先生がなんでこの学校の教師になったのかがわかったな」


「えっ? なんで?」


「まー、この学校ってのはそもそもあーゆー人……中二病の人達にとっては聖地みたいなもんなんだよ。自分の妄想によって創られてた世界を、現実で創りあげれる可能性があるからな。いくらプロジェクションマッピングだとしても、やっぱ手からビームとかあり得ねぇことがいつもできるのはここぐらいだからな」


「ふーん……、よくわかんないけどわかった……」


……まあ分かり合えないのは解ってたからいいや。


「てか、んじゃ美名のキャラは何だったんだ? いや……、その前に美名って学年何位なんだ?」


その時、教室のドアがガラッと開き、筋肉隆々のごっつい男が教室に入ってきた。


「泉先生、遅れてた生徒のデータ端末が出来上がりました。アイツを説得するのに時間がかかってしまいましてね。最後はまぁ……あれですよ」


怖ぇーよ。

あれってナンダヨ。


京極(きょうごく)先生が今年の学年主任なのかな? 問題起こさないようにしなきゃね……」


「京極? あのヘビー級世界チャンピオンみたいなやつの名前か? 先生か……確実に体育だろうな……」


「違うよ? 確か世界史……だったかな?」


「微妙だな! 反応に困るわ! そこは逆に家庭科とかで驚くとこじゃね!?」


「おぉ? うるせぇ野郎がいるな……俺に歯向かうつもりなんだったら、いつでも殺ってやるよ?」


大声出しすぎた……。あとちょっと脳内変換ミスったのかな? 「殺る」って聴こえたのは気のせいダヨネ……。


「京極せんせーい。あの子が青砥くんですよー」


覚醒神が、俺のプライバシーを侵害する。

さすが、覚醒神……だてに覚醒神名乗ってないぜ……。


「ほう、お前が青砥か……ちょっと前に出てこいや」


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!

無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!


でも隣の美名が満面の笑みで俺を押してくる。

なんか、裏切られちゃったよ(´・ω・`)

なので仕方なく前に出ていった。


「これはお前のデータ端末だ。少し事情があって遅れたが……こいつぁなかなか使いこなすのに頭がいるキャラだ。お前の存在は俺ら教師たちにとっちゃ誤算だったが、それも嬉しい誤算だ。これからも気ぃ抜かずに頑張れよ!」


話してみると、良い先生だった。

データ端末を受け取ってうなずくと、俺は急ぎ足で席に戻った……だってなんか、この調子でいくと京極に抱きつかれそうだったから……。

ちょっとあれ、修造感出してるよね。

席に着いた時、隣の美名がニヤニヤしていた。

俺の顔が引きつっていたからだろう。

ちょっと屈辱的だけど、まぁ可愛いからいいか……そーいや、美名のキャラと順位まだ聞いてねぇ……。



今回で3話目となります

しかし、バトルシーンにたどり着きませんww

もし暇でしたら、評価だけでも、よろしくです

次回は、12月21日(土)の予定です

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