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契約者達と襲撃される砦

 「何事だ。何があった。報告しろ」

 カリーナ様達が出発して五クーラが経った今、轟音と衝撃が砦を襲っていた。そこら中で悲鳴や怒声が飛び交い、砦を任された私は部屋を飛び出して現場に向かいながら叫んでいる所だった。

 「如何した、誰か状況の分かる者はいないのか?」

 再度怒鳴ると進行方向から駆け寄って来た者達の泡を食った報告が一度になされた。

 「もも、門が破られました」

 「ててて、敵は一人との・・・・」

 「門の近くにいた者達は巻き込まれて負傷・・・混乱して・・・」

 「捕虜の一部が騒ぎに紛れて逃走しようと・・・・」

 「ええい、静まらんか」

 私が立ち止まって一喝すると、駆け寄ってきて我先にと報告していた者達が一斉に口を噤んだ。

 「よし、まず捕虜を逃がさない様に待機任務の二部隊を向かわせろ。捕虜の奪還が目的かも知れん」

 「ハッ、了解しました」

 慌てて別方向に駆けだして行く兵士を見送りながら、私は厳しい表情で次の質問をした。

 「門が破られたと言ったな」

 「はは、はい。どんな風に破られたのだ」

 「わわ、分かりません。いきなり轟音がしたと思ったら吹き飛びました」

 「そうか。ならお前、敵が一人と言うのは本当か?蒼王国が攻めてきたのではないのか?」

 「はは、はい。私は見張り台から周囲を警戒していたのですが、いきなり門の前に少女が現れたと思ったら、次の瞬間に轟音がしました。私はその後に起こった衝撃に倒れ込んだので分かりませんが、其の時門が破られたのだと思います」

 「少女・・・・・お前は破った手段は見ていないのだな?」

 「はい」

 頷く兵士を見た私は険しい表情になると、今も周囲に集まって来ている者達に大声で尋ねた。

 「誰か見ている者はいないか?魔法でも兵器でも良い。何か少女がした行動に思い当たる事は無いか。どんな些細な事でも構わん」

 「リグトン様、その・・・見間違いかも知れませんが・・・・私は拳を振るった様に見えました」

 「・・・・・・・・何だと?拳・・・拳でやったと言うのか?」

 私がその報告に嫌な汗を掻いて歯を食い縛ると、声を出した兵士が身を竦ませていた。如何やら嘘を言っていると思われて叱責されるのを恐れている様だった。

 「フッ、お前が嘘を言っている方がましだな。嘘だったら褒めてやるぞ」

 「いいい、いえ、嘘ではありません」

 「・・・そうか・・・・なら其の少女は契約者とまでは言わないでも、常人の枠を超えているのだろう。その少女と龍は今何所に居る?」

 「少女は砦の中をうろうろしている様です。移動速度が速いので一瞬見たと言う目撃情報だけで、今何所に居るのかはわかりません。コジャス殿の方はカリーナ様達を途中まで送った後、既にお戻りになっています。今はこちらに合流する為に小さくなって、砦内を移動していると思われます。他の龍ですが、一匹は破られた門の外に確認してします。もう一匹は定時連絡の為に砦から出て行っています」

 「・・・・・・・よし、コジャス殿と合流後、私達で少女の相手をする。お前達は兵糧庫や武器庫の警備を厳重にしろ。兵糧を焼かれたり、捕虜に武器を持たれたりするなよ。皆分かっていると思うが、カリーナ様が居なくなって一日も経たずに、砦を失うなど許されんぞ。皆気を引き締めるのだ」

 「ハッ、了解しました」

 方々に命じられた兵士が移動する中、私は指示の間に集まって来た直属の騎士を引きつれて移動を再開した。

 「さて、残った皆は分かっているな」

 「ハッ、ただでさえ微妙なこの時期に、皆失態など許されないと胆に銘じています」

 「そうだ・・・」

 私が皆の強い意思の籠った声に返事をする途中、突然進行方向の横の壁が轟音と共に吹き飛んだ。

 「ナッ、何が・・・・・」

 「・・・・・・・どっち?・・・・あっちから漂っている」

 破壊された壁から入って来た少女は、首を傾げてからきょろきょろと辺りを見回すと、私達の方を向いて無雑作に歩いて来た。その態度は此処にいる私達の事など眼中に無いと無言で言い放っていた。

 「貴様が砦の襲撃犯か・・・・・まさか・・・四階の外壁を破って侵入してくるとは・・・・・。おのれ・・・此処までの事をして唯で済むと思うなよ」

 傍にいた騎士の一人が顔を赤くし、私が制止する間も無く剣を抜いて少女に斬りかかっていった。

 「・・・・・・・・・邪魔、退いて」

 少女は小さく呟くと身を捻ってアッサリと剣をかわした。そして物を退ける様にポンと手で騎士の体を押した。私の目には軽く胸に手を当てた様にしか見えなかったのだが、少女に触れられた騎士は数瞬の間の後、ドーンと音をたてて吹っ飛んでいった。そして破壊された壁の反対側に叩きつけられて、嫌な音と共に自身の血溜まりに沈んだ。

 「クッ、距離を開いて魔法で攻撃しろ。あれをただの少女だと侮るな。コジャス殿が来るまで持ち堪える事を第一に考えろ。良いな」

 私の指示に騎士達が各系統の矢の魔法を放ちながらジリジリと後退し始めた。

 「着弾を確認しました」

 「よし。だがこれで倒せるとは思えない。油断せずに其のまま攻撃を続けろ」

 指示に従って第二第三の魔法の矢が放たれて着弾した。私が其れを見ながら魔法を練っていると、苛立った鬱陶しそうな声が響いた。

 「何故邪魔をする。私はお前達などに用は無い。さっさと消えろ」

 その言葉と同時に一人が放ったとは思えない多種多様の魔法が放たれた。パッと見だけでも雷の矢、水の矢、光の矢が同時に放たれ、其れだけでも驚きなのに、更に水刃槍と雷刃槍、光球に雷球、そして見ただけで背筋を凍らせる暗魂球が見えた。

 「うおおおおおおお、走って横の通路に飛び込め」

 私は雄叫びをあげて竦む体を奮い立たせると、命令を叫びながら練っていた魔法を放った。するとすぐに土壁、石壁、鉄壁などが何重にも生み出され、少女と私達の間の通路を塞いだ。そして私はなりふり構わずに背を向けて走ると、右の通路に飛び込んだ。

 「ぎゃああああああああああああああ」

 「あああ・・・あああ・・・ああああ・・・・・・」

 私の造った壁は僅かな停滞しか生めず、すぐに壁を破壊した魔法が飛んできて、容赦なく逃げ遅れた者達を巻き込んでいった。絶叫と共に消し飛ぶ者、手足を失って激痛に叫ぶ者がいる中で、一際悲惨なのは運悪く暗魂球をくらってしまった者だ。暗魂球は直接的な攻撃力は無いものの、くらった者の魂を砕くと言われている禁じられた闇魔法だ。今私の目の前でくらった騎士は一瞬で目から意思の光を失い、焦点の合わない目をして虚ろな叫びを上げて立ち尽くしていた。もはや自分がどうなったかも彼には分からないだろう。

 「クッ、おのれ・・・・・・てった・・・・・」

 「危ない、団長」

 私がその惨状に拳を力一杯握りしめてから、聞いたばかりのカリーナ様の言葉を思い出して、苦渋の命を出そうとするまでの一瞬だった。私は突然叫び声と共に突き飛ばされた。床に叩きつけられた私が振り向くと、そこには私を助けた代わりに暗魂球を受けた若い騎士がいた。

 「あああ・・・あああ・・・ああああ・・・・・・・・」

 「団長、右に避けてください」

 私は目をかけていた若い騎士を失った衝撃に浸る間もなく、別の騎士の切羽詰まった叫びに身を転がせた。すぐに私が居た場所に上から新しい暗魂球が床に当たって突き抜けていった。

 「どっから飛んで来て・・・・・・」

 私は無意識に疑念を呟きながら勢いよくそのまま壁まで転がると、サッと立ちあがって壁を背にして身構えた。

 「ぐあ・・・・・・」

 苦痛の叫びを漏らした私は、壁を背にしていたはずの後ろから攻撃された事に驚き、振り向いた後ろに攻撃後の形を崩した水球らしき物が浮かんでいる事に驚いた。しかも私が見る限り背後にした壁は傷付いているものの健在で、更に注視すると明らかに壁は此方側から壊されている事が分かった。その状況に訳が分からず混乱する私に、一連の事態を見ていた騎士が大声で告げた。

 「リグレス様、転移魔法です。転移魔法で魔法を転移しているのです」

 「なに・・・・・・・・・」

 その言葉に一瞬私の思考が止まってしまった。あまりにも想像の埒外で対処法が思いつけなかったのだ。そんな私の目の前に雷球がフッと現れた。そしてそれに気づいた時には、もはや回避出来る状況では無かった。

 「しまっ・・・・・・」

 私が覚悟を決めて身を強張らせていると、炸裂した雷球は何かにぶつかって弾かれた。

 「少し遅かった様だな。だがリグトンが死んでいなくてギリギリ間に合ったと言った所か・・・・」

 ハッとして振り向くと、そこには小さなコジャス殿が飛んでいた。

 「コジャス殿、敵は尋常の相手ではありません」

 「うむ、時空魔法を得意とする龍でも、効率が悪くて殆どしない魔法を転移させる攻撃をしている以上、我の方がその事をよく理解出来る。此処は我に任せて退くと良い。此処に来る途中で見たが、捕虜の一部が脱走しようと裏門付近で激しく抵抗していた。援軍が向かった様だが足りないかも知れない」

 「・・・・・・・・・・私達が此処に居ても足手纏いになりそうですね。後はお願いします」

 「ああ、娘の相手は我に任せろ。ムッ、負傷者もいる様だな。すぐに連れていけ。急がないとあの者とあの者は手遅れになるぞ」

 私はコジャス殿に頭を下げてから、配下と共に負傷者を抱えて移動し始めた。

 「さて其処の娘よ。転移は我が封じたからいくらやっても無駄だぞ。フッ、我ら龍族を前にして時空魔法で競おうとは慢心しているな」

 「・・・お前も邪魔するのか・・・・・私に用は無いぞ」

 「此処まで暴れておきながら、その言い様か・・・。砦についてはまあ良いのだが、リグトンを殺されるのは困るのだ。別れたばかりのカリーナ殿から頼まれているからな」

 「そんな事知らない。なら大人しく其処をどけばいい。私は追っているだけ・・・・・」

 私は背後から聞こえたコジャス殿の言葉にハッとして、こんな時なのに口元を微かに緩めてしまった。


 「フッ、この程度の魔法、避けるまでも無い。小さくなったとしても我ら龍の強靭さは健在だ。それに暗魂球を使うのは止めておくと良い。我ら龍は時空魔法を得意としているのだ」

 我が忠告してやると、娘は忌々しそうに放とうとしていた暗魂球を消し去った。娘の転移が封じられたのは、我の転移魔法の力がより強い事を示している。だからその気になれば暗魂球などの転移させやすい魔法は、相手に転移させる事も出来るのだ。

 「クッ、そこを退け。私はお前に用などないと言っている。私は・・・・」

 「なら何が目的だ、娘。先程から何を気にしている?我を真面に見ずに、上の空で戦うとは余裕だな」

 そう言いながら素早く接近し、我を見ない苛立ちを込めて鋭い爪で首を狙うと、娘の拳が唸りをあげて放たれた。するとカギンと金属同士がぶつかる様な音が響いた。我と娘の拳が衝突したのだ。

 「クッ、今の私は私の物を追っているだけ。此処に居る事は一号の取り込んだ血の魔力を解析して、辿って来たから分かっている。あれは私の物」

 我は周囲に被害を出さない様に接近戦を選び、爪で連撃を繰り出しながら今の会話について考えた。私の物と言っているが、居るとも言っている以上、それは人または生物なのだろうか?だとすると人や生物が物?我には娘の言葉がよく分からなかった。そして我は一つの違和感に気づいて、試しに質問してみた。

 「今のと言ったな。なら前は何を目的としていた?」

 「一号の回収。どいて」

 試しに聞いてみただけの我は、まさかこうもアッサリと話すとは思わなかったし、何よりそのあまりにも落差のある無機質な声音に驚いて、一瞬動きを遅らせてしまった。そしてそんな我を前にして、無表情になった娘は、此方を微妙に焦点の合わない瞳で見つめながら、的確に風を裂いて唸りを上げる拳を腹に叩き込んで来た。

 「ぐああ・・・・・・・ふう、ふう、欲しい物とはなんだ?前の目的の一号の回収とやらに関わりがあるのか?具体的に話せ」

 「教えない。あれは私の物・・・お前・・あれを知ろうとする。危険・・・・横取りはさせない」

 息を整えながら時間稼ぎに尋ねた我は、前の目的を聞いた時の無機質な返事とは全く違う、強い強い執着を感じさせる娘の声を聞いて、ゾッと背に怖気を走らせた。そして今まで常に我と戦いながらも、意識が散っていたのが嘘の様に、確りとした強い意思の籠った視線を向けて来た事に驚いた。

 「私の物に手を出そうとするお前は敵、此処で殺す」

 集中した娘は今までの数倍の速度で接近し、強大な魔力の籠った拳を繰り出してきた。

 「なに・・・・・・」

 我が翼を動かして上昇すると、そのすぐ下を拳が通過した。そして我は痛みと驚きに包まれた。

 「ぐああああ・・・・・ば、ば、馬鹿な。完璧にかわしたのに・・・まさか込められた魔力の余波だけで・・・龍の我の腹を切り裂いたと・・・言うのか・・・・」

 我が慌てて腹部を抑えて治療しながら途切れ途切れの声を出すと、娘の拳が其のまま壁にぶち当たった。ズンと重たい音が響いたと思ったら、其処から壁が放射状に陥没し、ピシリピシリと不吉な音が響いた。

 「な、な、何?ま、まさか・・・・・・・・・」

 「避けられた。殺せなかった。でもまだ・・・・・」

 我が不吉な音に危機感を抱いているのを嘲笑う様に、娘は力強く跳躍するとクルリと回転して天井を蹴った。そして我の頭上に一直線に飛び込んで来て、先程より力の籠った拳を振るった。

 「クッ、おのれ・・・・」

 治療中だった我は、仕方なく横に飛んでかわした。今度は大きくかわしたので傷は負わなかったものの、その後に起きた事には目を覆いたくなってしまった。ズーーーーーーーンと重低音が響いたと思った時には床をぶち抜いて娘は階下に突き進んでいった。しかもそのまま次々と床または天井をぶち抜いて、最後は大地にまで拳を突き立てて陥没させてしまったのだ。勿論そんな事をすれば辺りは大地震の様にグラグラグラグラと揺れ動いて、砦の何所とも知れない場所から人々の悲鳴がこだましていた。

 「また避けられた・・・・でも此処からなら邪魔者を殺すより別の道で移動した方が早い気がする。・・・・・・・・移動を優先する」

 娘は自分勝手な事を口にして我を無視すると、階下の通路に消えて行こうとした。

 「ま、待て」

 その消えて行く背中に制止の声を放った我は追おうとしたものの、先程の蹴りで天井までヒビが入ったのを視界に収めて、舌打ちと共に頭上に向かってブレスを放つ準備をした。

 「チィ、今回は我の所為ではないぞ。悪いのはあの娘だ」

 既に誰もいない通路で言い訳がましい言葉を口にしてから、とうとう限界をむかえて崩れた天井に、力を溜めた火炎のブレスを放った。通常なら落ちてきた天井が轟々と燃える所だが、力を溜めたおかげて消滅と言って良い程綺麗さっぱり消えて無くなった。そしてすぐに砦が崩れない様に地の魔法で補強を始めた。

 「ふう、少し見晴らしが良くなって空が見えるが・・・・・まあ良しとしよう。それにあのままなら連鎖的に広範囲が崩壊していただろうしな・・・・。こうして地の魔法で支える柱も造ったのだから・・・・・怒られないはず・・・・・」

 我は逃げた娘を追う為に、さささっとこの場を後にした。そう、これは逃げた娘を追うためで、決してこの惨状から逃げた訳ではないのだ・・・・・・。


 「なななな、何だあれは・・・・・」

 裏門に続く中庭で突然の振動に足をもつれさせて倒れた私は、去って来た方から赤い光?の様な物が天高く昇って行くのを目にしていた。

 「・・・・・・詳しい事は分かりませんが・・・あれはたぶん、コジャス殿のブレスではないかと」

 「なな、なんだと?ととと、砦の中でブレスを使ったと言うのか?たたた、確か、敵の砦はそれで崩壊したのではなかったか?」

 「はい、最後に放ったコジャス殿のブレスで止めを刺されました。私は実際に其れを見ていますから・・・・だからあれがブレスではないかと推測できるのです」

 私は負傷した配下の代わりに途中で合流したバルクラントの騎士団長と、引きつる顔を見合わせて冷や汗を掻いていた。

 「・・・・この砦は大丈夫だろうな」

 「・・・・・流石に味方の砦は破壊しないでしょう。カリーナ様が戻って来られた時に、そんな理由で砦が無くなっていたら、激怒されると思われますから・・・・」

 「「はははははははははは」」

 示し合わせた様に渇いた笑いを出した私達は、何故かお互いの気持ちが深く理解出来た様に感じていた。

 「よし、気を取り直して行くぞ。命の危険があるなら捕虜は逃がして良いと言われているが、逃がさないに越した事は無いからな」

 「はい、私もそう思います」

 私達は頷き合ってから裏門への移動を再開した。そして移動中に私に騎士団長が躊躇いながら話しかけてきた。

 「・・・ですが・・・この襲撃犯は不気味ですね。私は騒動が起こった後一度破壊された門に行ったのですが、蒼王国が攻めて来る様子はありませんでした」

 「ムッ、全く動いていないのか?」

 「いえ、全くではありません。私が門から去る時に、偵察隊の様な者が確認されたくらいです。ですがそれも国境を越えて来る事はありませんでしたし、むしろその対応を見て私は、蒼王国の者達が戸惑っている様に感じられました」

 「戸惑い・・・・成る程、確かにさっき出会った少女は私達に興味が無い様だった。だとすると此れは蒼王国の仕業では無いのだろう。・・・・・少なくとも、正規の部隊ではな」

 「・・・・・・・・まさか非正規部隊だと言われるのですか?確かに蒼王国に対する妖しい噂が流れた事は過去に度々ありましたが、あれは突飛過ぎてただの噂だと切って捨てられたはずでは?」

 「フッ、さっき会った少女の力は噂に近い物があったぞ。四階の壁を破壊して現れたと思ったら、禁じられた闇魔法の暗魂球まで使って来たからな」

 「暗魂球・・・・・禁じられた魔法の研究開発をしていると言う噂がありましたが・・・・・・」

 「ああ、一つ符合すると他の噂も妖しくなってくる。再検討する必要があるかも知れん。ぬっ、此れは不味い・・・味方が押されている。・・・・総員、責任は私が取る。一応捕縛を主目的とするが、裏門から逃げる者がいたら、其の時は捕縛では無く、抜刀と魔法攻撃で殺害する事を許可する。良いな一人も逃がすなよ」

 「「ハッ、了解しました」」

 「では・・・総員かかれ」

 私の掛け声に配下達が勢い込んで突撃していった。

 「大人しくしろ。此れ以上の抵抗をする様なら容赦せんぞ。既に逃げる者への殺害許可が出ているのだぞ」

 「そうだぞ。お前達は大人しくしているだけで帰れるし、待遇も悪くなかったはずだ。何がお前達を駆り立てている」

 「ふざけるな。俺は聞いたんだぞ。このまま大人しくしていたら殺されるってな」

 「そうだ。この今の騒動も俺達を殺す為の自作自演なんだろ」

 「お前達は帝都が消し飛んで糧食がないから、俺達の事に託けて糧食を手に入れたんだろ。そして俺達を始末すれば糧食が丸々手に入るって寸法なんだろ。偶然お前達がひそひそと話しているのを聞いたって奴が言ってたぞ」

 敵と味方が入り乱れて取っ組み合いをする中で、響いてくる怒声に私は眉を顰めてしまった。リラクトンで食糧を運ぶ龍を、実際に見た私には嘘だと分かり切っていた。だが敵兵にはそれは分からないだろう。誰だか知らないが明らかに扇動した者が居るのが感じられた。私は苛立ちを抑えながら、全ての者に聞こえる様に大声を上げた。

 「良く聞け。帝都が失われても自国民の食糧は龍の協力で自給出来ている。お前達の食糧が奪われる事は無い。そして今この砦は本当に訳の分からない少女に襲撃されている。少女は四階の壁を壊して侵入し、禁じられた闇魔法まで使うのだ」

 「そうだ。お前達を捕らえたカリーナ様を思い出せ。奪う心算ならそんな迂遠な事はしない。あの方の力は見ただろう」

 私達の言葉にざわりとざわめきが広がり、逃げようと暴れていた者達が動きを緩めた。するとそれを阻止する様に何所からか甲高い大声が響いた。

 「騙されるな。我らを売ったジェスター将軍を思い出せ。今頃別の場所で我らを哂っているはずだ」

 「そうだぞ、みんな。俺は敵の砦なのに将軍が自分の娘を抱えているのを見た。あいつは元々俺達を裏切っていたんだ」

 「将軍は既に砦に居ない。此処まで来る途中で確かめただろう。我らは亡命の手土産だったんだ。この機会を逃したら手遅れになるぞ。不必要なまでに待遇が良かったのは、それを我らに悟られない様にするためだ。皆もおかしいと思っていただろう」

 一端緩みかけた抵抗はその声の所為で先程より激しくなった。私は今にも舌打ちしそうな顔で、乱戦の中にいる姿の見えない扇動者を内心で罵った。そして今一度説得の為に大声を出した。

 「聞け、聞くのだ。ジェスター将軍はお前達を売ったりしていない。それにお前達の待遇が良かったのは、私達がジェスター将軍の協力を求めていたのと新しい国の方針だ。今ジェスター将軍が砦に居ないのも協力の為で、その間はお前達の安全は特に保障されている。今お前達はジェスター将軍に守られていると言っても過言ではないのだぞ」

 「嘘を吐くな。家族すら見殺しにする奴が、俺達を気にする訳が無い」

 「そうだ、そうだ。事ある事にクリーミア王女に楯突く姿は、皆が見て知っているんだ。奴は王女排斥派の回し者だし、そんな奴を信じられるかよ」

 「・・・・・この・・馬鹿者共が・・・・・貴様等、全員そこへなおれ。その根性叩き直してくれるわ」

 私は低い声で呟くと、拳を力一杯握りしめて疾駆した。そして一番近くの反論した愚か者の顔を勢いよく殴り飛ばし、私の耳にバキッと打擲音が響いたと思った時には、怒声と共に二人目を見据えて駆けだしていた。

 「貴様もだ。己が指揮官を信じられんのか、この馬鹿者が」

 自分でも説明出来ない憤りに駆られた私は二人目を殴り飛ばすと、其のまま乱戦の中心に乱入して暴れ始めた。捕虜は武器を持っておらず、私も剣を抜かなかったので、正面切っての拳と拳のぶつかり合いになった。お互いの顔に、胸に、腹に、拳が突き刺さり、バキ、バキっと打擲音が響いた。

 「グハ、さっきから・・煩いんだよ。この・・・信用出来るか・・よ」

 「ゴホ、何故出来な・・い。お前らは実際に・・裏切られた・・事が・・あるのか?」

 「王女排斥派と・・グハ・・・言うだけで・・・グハ・・・・十分だ・・・グハ・・・・・・」

 「ゴホ、本当に王女排斥派だと・・・ゴホ・・・言う証拠はあるのか?あの男は・・・ゴホ・・・不器用でも・・・皆を守ろうとして・・・・」

 「あいつが守る?ハッ、嘘だな。グハ・・ゲハ、将軍の家族の話は有名だし、皆言ってるぜ。己が出世の為に周りを犠牲にする男だってな。そんな男を信じるものか・・グハ・・・裏切られるのが落ちだぜ・・・・」

 「ゴホ、実際に自分が裏切られてもいないのに・・・信じられないと言うのか・・・・」

 「ハッ、裏切られるまで待ってってか?馬鹿馬鹿しい。あんな噂が流れるだけで充分だろ。火の無い所に煙は立たないっての。だからクリーミア王女は兎も角、他の蒼王国の上層部は信じず、期待しないのが正解だぜ。ハッ、その口振りだと、どうせ信じて裏切られたんだろ。馬鹿を見たな」

 「・・・・・・・・・・ふふ、ふざけるなーーーーーーーーーー」

 叫び声と共に私の心に溜まっていた何かが噴出した。私はしたり顔で語った男の襟首を掴んで引き寄せると、睨み付けて心の赴くままに叫んだ。

 「私は友に裏切られたが、馬鹿など見ておらんわ。あの時裏切った事は許せんが、其れが全てでは無い。良い思い出も沢山沢山あったのだ。それがあの裏切りで汚されたのが・・・許せな・・・・・・・・・・・」

 私は自身の口にした言葉に愕然としてしまった。確かにガルマスト様に迷惑を掛けた事を気に病んでいたが、今口にした事も何一つ偽りの無い本心だったからだ。

 「なに人の事掴んで呆けてるんだよ。おら」

 男の拳が腹に突き刺さった私は咳き込むと、混乱した頭のまま好機と思って襲ってくる者達と戦う事になった・・・・・。

 ・・・あれから拳を振るい続けてどれ位の時が経ったのだろうか?ようやく半数ぐらいを地面に沈めた私の耳に大声が聞えた。

 「壁に近づいている集団を止めろ。何か様子がおかしい。門以外に・・・・」

 バキ、バキ、バキと今も手当たり次第に殴り飛ばしていた私は、背後に残っていた騎士団長の叫び声でそれに気づいた。明らかに他とは違う統制のとれた一団が、裏門とは別方向の壁に向かって走っていたのだ。

 「止まれ、止まらないと・・・・・がは・・・・」

 「ナッ、おい如何し・・・・・・がが・・・・・・」

 命令に従って追って行った者達が私の見ている前で倒れ、もがき苦しみながら吐血して動かなくなった。そしてその事態に気付いた味方はおろか抵抗していた敵までが呆然とし、ピタリと行動を止めてしまった。今までの喧騒が嘘の様に静まる中で、反射的に出た私の指示が寒々しく響いた。

 「クッ、毒か・・・全員気を付けろ。奴らは毒を使っている。この捕虜の騒動の元凶は奴らだ。捕縛する必要はない。全員抜刀、絶対に逃がすな、私に続け」

 私の命令に目の色を変えた配下達は次々に剣を抜き放った。私は騎士団長にチラリと視線を合わせて頷くと、逃げる者達を追って立ち尽くす捕虜の間を駆け抜けた。

 「捕虜に告ぐ。毒を使う奴らの仲間で無いのなら大人しくしろ。今ならまだ命の保証はする。だが此れ以上抵抗するなら斬る」

 私の後ろで、扇動された者達を厳しい視線で睨んで包囲する皆の殺気立った気配と、包囲されて怯む気配が感じられた。


 「やっと見つけたぞ、娘。もう逃がさな・・・・・」

 「いない、いない、いない、いない、いない、いない、いない、いない、いないーーーー」

 部屋に飛び込んだ我は言葉の途中で息を呑んで黙り込んでしまった。何故なら近づいて見た娘は、瞳孔を開いてブツブツと幽鬼の様に呟いているだけの状態で、更に全身から醸し出される雰囲気はドロリと粘つき、近づく者を絡め取って離さないと言う様な感じだったからだ。

 「此処に居たはずなのに・・・・・・少し前までいたはずなのに・・・・・・何でいないの・・・・・・」

 「・・・・・・・・・おい」

 「・・・・・あれは私の物なのに・・・・誰が持っていったの?許さない、許さない、許さないーーーー・・・・」

 「おい、聞いているのか?」

 「・・・・この黒髪・・・・・・・・くふふふふふふふふふ」

 我の声に反応しない娘は床に落ちていた黒髪を拾うと、壊れた笑みを浮かべながらプチプチと髪を細かく執拗に引き千切っていた。その怖気の走る光景に我が体を振るわせていると、娘はピタリと笑うのを止めてから、雷を出して手の中の髪を焼き尽くした。

 「うあああああああああああああああああああああああああ」

 いきなり叫んだ娘は莫大な魔力を発すると、今度は全身から雷を発して手当たり次第に部屋に放った。

 「ナッ、何を考え・・・・」

 我が慌てて娘の周囲の空間を閉鎖すると、たちまち其の中が雷で溢れていった。

 「・・この・・・・まさか・・・・破られると言うのか?此れは龍の我が造った閉鎖空間だぞ」

 「うあああああああああああああああ・・・・気に入らない・・・この場所は気に入らないーーーーーー」

 絶叫と共に高まった力はとうとう限界を超えて炸裂した。ベット、机、箪笥、ありとあらゆる部屋の物が雷に晒されて砕け散って行く中、それでも我は自身をかえりみずに部屋の壁などに障壁を張って中に飛び込んだ。

 「もうやめろ。此の部屋に来たと言う事はカリーナ殿に会いたいのか?ならこの様な事をせずとも我が会わせてやる」

 「・・・・カリーナ・・黒髪・・・・黒髪・・カリーナ・・・・煩い、煩い、煩い、黙れーーーーー」

 まるで子供の癇癪の様な声を出した娘は、我をゾクリとさせる光りの無い瞳で睨み付けると、自身の魔力を爆発的に高めた。

 「グッ・・・・・何と言う威力だ。我の鱗を此処まで焼くとは・・・・・。だがそれより・・・・不味い・・・不味いぞ。・・・やらせん・・・此れ以上の破壊は本当に不味い・・・。しかし・・・・」

 威力の高まった雷が一部の障壁を破り、壁や天井を破壊し始めた。そして今ピシリピシリと不吉な音が響き、我は先の出来事を考えて冷や汗が止まらなくなった。しかも不味い事に、我は此の状況に打てる有効な手を思いつかなかったのだ。あの娘は我より弱い。しかし周りの被害を出さない様に戦って勝てる程弱くは無いのだ。それに我は今、自身の欠点に気づかされていた。それは我の攻撃魔法やブレスは威力が高すぎて、砦や周りにいるはずの人間を巻き込んでしまうと言う事だ。

 「お前・・・・邪魔をするなーーーーーーーーーー」

 我が手を拱いている間に、無差別に飛び散っていた雷が収束して体に叩きつけられた。その威力は凄まじく、龍の強靭な体でも焼き抉って血を流させ、痺れて暫く行動不能になる程だった。

 「がああああああああ・・・・不味い・・・・・仕方ない・・・・」

 我は痺れる体に鞭打ってブレスを放った。放たれたブレスは娘に直撃すると、そのまま窓などを吹き飛ばして彼方に消えていった。負傷して動けない我には娘がどうなったか分からないが、直撃した時に防いだ様にも見えたので死んではいないと思われた。


 「お前達・・・もう逃げられんぞ。最早お前達五人以外は全員死んだのだからな」

 「フッ、我らの仲間が捕虜の中にもういないと思っているのか?其れに其方も随分減った様だが?ククククク」

 この集団を指示しているらしき男の言葉に、私はギリッと歯を噛み締めてしまった。確かに此処に追い詰めるまでに、配下の者達を何名も卑劣な毒攻撃で失っているのだ。

 「ククク、良い表情だ。其れに追い詰めたと思っているだろうが、それは間違いなのだよ」

 そう言った男は左右に居た男に視線で合図すると、背中を見せて壁に向かって走った。其処には二人の男が両手を繋いで待機していた。

 「待て、逃がさん」

 嫌な予感がして追おうとした私達の前に左右にいた男達が捨て身で向かってきた。此れは明らかに足止めだ。

 「邪魔だ、どけ」

 「がは・・・黙って・・・見ているのだな」

 私が振るった剣を己が身で受けた男は、そのままガシッとしがみ付いて離そうとしなかった。

 「離せ、離さんか」

 「リグトン様、此処は我らが・・・」

 配下達が邪魔をするもう一人の男を避ける様に回り込んで向かって行ったが、途中で轟音と赤い光線?が空を走り、皆の足が一瞬硬直してしまった。そしてそれが成否を分けてしまった。

 「フッ、運にも助けられたが、如何やら我らの勝ちの様だ。我は此のまま情報を持ち帰らせて貰う。精々其処で歯がみしているが良い」

 得意げに勝ち誇る男の居る場所は壁の上だ。あの時男は繋いでいた両手を踏んで乗ると、二人の男に風の魔法を使わせて上空に投げさせたのだ。そして壁の上部に捕まって、その上に乗ったのだ。

 「・・・・・・・おのれ・・・逃がすとは大失態だ」

 今苦渋の声を漏らす私の見ている前で、男は悠々と外に飛び降りて見えなくなってしまった。

 「誰か裏門に行って此の事を其処にいるはずの騎士団長に伝えて来い」

 慌てて駆けだす配下を横目で見ながら、私は生き残っている三人の男を睨んで、やり場の無い怒りを叩きつける様に告げた。

 「お前達、楽に死ねるとは思うなよ。お前達が普通の兵士で無い事は嫌と言う程分かっている。どんな事をしても其の口を割らせてやる」

 「残念だが其れは無い。俺達が毒を持っているのは敵を殺す為だけじゃない」

 そう言った男は毒を自身に使おうとした。すぐに意図を悟った私が止め様とした時、男達の横に血まみれの少女が現れた。そして皆が首から下の半身が炭化している事に気づいてギョッとし、死のうとしていた男達も飛び退る中で、少女は周りを気にせずに独り言を呟いた。

 「・・・・・・損傷大、回復の必要あり、回復まで七日以上かかる・・・・追えない、追えない、追えない・・・・・・」

 「・・・・・おい・・お前・・・・・・その容姿は・・・まさかあれなのか?」

 三人の男の内の一人が少女を見て何かに気付いた様に話し掛けた。しかし少女はブツブツと呟くばかりで、男の声など耳に入っていない様だった。

 「おい、お前そうなんだろ。はは、ついてるぜ。お前の力なら此の状況でも何とかなるはずだ。おい、何とかしろ」

 そう言って焦れた男が少女の肩を掴んだ瞬間だった。少女の表情が一変して無雑作に男の腕を掴むと、そのまま握りつぶしてしまった。そして少女は下を向いて血に塗れた手を見つめて顔を顰めると、血を払う為だろうか?腕を勢いよく横に振った。すると不幸?にも振るった腕が男の体に当たり、吹き飛ばされて地面に叩きつけられる事になった。

 「ぎゃあああああああああああああああああああああああ」

 痛みに倒れてのた打ち回る男の絶叫が響く中、少女はまず煩そうに顔を顰め、次に男を忌々しそうに見つめて近寄り首を掴んだ。そして其れを見る皆が嫌な雰囲気に身を強張らせる中で、あっけなくボキリと乾いた音が響き、男の叫び声がしなくなった。

 「ナッ、何をする。俺達は・・・・・」

 「煩い、煩い、煩い、煩い、煩い、煩い」

 仲間を無雑作に殺され動転した二人は不用意に声を出し、何かを言おうとしたまま物言わぬ躯になってしまった。少女はまず掴んでいた男を私達の方に投げ捨てると、文句を言っていた一人の男に一瞬で近づいた。そして手刀を作り首を貫き、其れを見てヒッと叫んで逃げようとした男の心臓を返す刀で背中から貫いたのだ。まさに瞬き一つ程の一瞬の出来事だった。

 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 「静かになった。此処は煩くて回復が遅れそう。別の場所に移動する」

 痛いほどの緊迫感と静寂の中で、少女の淡々とした声だけが寒々しく響いた。そして其れから私の目の前で起こった事は悪夢と言って良かった。少女は無雑作に右手を振って、腕に刺さっていた男を振り払うと、壁に向かって歩いて手刀を上から下へと振るった。すると轟音が響き、頑丈なはずの壁がまるで紙の様に引き裂かれたのだ。

 「・・・・・・・あっちの方が近いし休めそう」

 少女が呟き引き裂かれた壁から出て行こうとしたが、私も配下達も制止する事は出来なかった。皆、今声を出したら即座に殺される・・・いや、ごみの様に排除されると、震える体と共に嫌でも理解していたのだ。そして出て行った少女の背中が見えなくなっても、誰も声を出そうとはしなかった。その前身は滝の様に流れた冷や汗でビッショリで・・・・・それから私が少女と戦っていたはずのコジャス殿の安否に気づいて動き出すまでには、ゆうに一クーラ以上の時間が経ってしまっていたのだった。

 少々遅くなりました、すいません。そして次話の投稿ですが、5月2日までに完成すれば2日に投稿します。完成しなかった場合は・・・・すいません、7日になります。この所投稿が遅くなって心苦しいのですが、どうかご了承ください。やる気はあるので、次話もどうかよろしくお願いします。

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