契約者達と取り戻した力(上)
「さて直哉、もう分かっていると思うけど、僕は君の意思を持った分身体で記憶の欠片でもある。意思を持っているのは力を管理する為だ。ふふふ、つまり僕に触れて取り込めば全ての記憶と失った時に持っていた力を取り戻せる。さあ触れると良い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「此処まで来て触れないのかい?ふふふ、僕は何も抵抗しないよ」
握手を求める様に差し伸べられた手を見つめて無言で立ち竦む俺に、分身体はニッコリと無邪気に微笑んでもう一度促してきた。しかし俺は心の中から湧き上ってくる忌避感に動けず、そんな俺を見て分身体はコクリと首を傾げてから差し出した手を引っ込めた。そしてその後すぐに俺と分身体は相手の内心を同時に推し量ろうとし、運命の悪戯か・・・それとも悪魔の悪戯と言うべきか・・・その視線が示し合わせた様にピタリと合わさり、お互いに意図しない意思の伝達が行われた。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「直哉?如何したんだ?」
何時まで経っても動こうとしない俺にシグルトの不思議そうな声が掛けられ、その事から分身体のその笑顔は何も含む所のない純粋な物に見えている事が察せられた。しかし俺は先の事から理屈では無く本能ともいえる部分で理解させられていた。目の前の分身体は俺に対して憎悪に近い悪意を持っているのだと・・・・・。
「ふふふ、流石は本体だ。たったあれだけの事で僕の思考が理解出来るんだね。ふふふ、でもそれは君だけじゃない。僕の方にも湧き上る忌避感に戸惑っている思いが伝わってきたよ」
「・・・・・それがどうした?その程度の事を知られた所で・・・」
「ふふふふふ、今更強がっても無駄だよ。僕はその忌避感が湧く理由を知っているし・・・・そうだね、一つ面白いことを教えよう。君が欠片に触れてくれたおかげで僕もそっちの今までの事が理解出来たんだ。ふふふふふ、触れた時に記憶を見れるのは何もそちらだけでは無いんだよ」
笑いながらそう言った分身体は此方に向かって一歩踏み出し、其れを見た俺は反射的にバッと飛びずさっていた。するとシグルトが驚きながらも俺を庇うように分身体との間に陣取って身構えた。
「邪魔をしないで貰え無いかな、シグルト。此の姿を見れば分かるだろう?僕だってちゃんと君と契約した直哉の一部なんだよ。それに僕には戦う力は無いんだ」
「・・・・・・・それはこの目で見て何となく分かるんだ。でもずっと一緒にいた直哉が警戒する以上、僕の行動は変わらないんだ」
「・・・そうか。ならこういっても無駄かな?幼い直哉の持っていた力で君は契約する事になった。そう、未来で香織を守る為の力を得る為に呼び寄せられたんだ。あの契約は必然だったと・・・・・」
「馬鹿な!?如何言う事だ!?あれは偶然だったはず・・・・・」
言葉も出ない程動揺するシグルトと驚愕に叫ぶ俺に、分身体は心底からおかしそうに笑った。
「ははははは、自分の力が何なのかも知らないのに、なぜ否定出来るんだい?まさかとは思うけど、直幸が言ったシグルトが力にひかれて来たと言う根拠のない言葉を信じているのか?」
「其れは・・・・・だが其れでも俺がシグルトを呼んだなどとは・・・・・・」
「信じられないかい?ふふ、正確に言うとシグルトが転移してくる未来の流れを選択したのさ。ふふふふふ、僕は触れて記憶が戻れば一発で分かる事に嘘はつかない」
グッと言葉に詰まった俺を無視して、分身体は必死に動揺を抑え込もうとしているシグルトに冷たく語りかけた。
「後ろの男は庇う価値があるのかな?君を利用しているだけかも知れないんだぞ。ふふふふふ、これから取り戻す力の内容を知らないだろう?知れば君も理解出来るはずだ。自分が利用されたとね。幼い直哉があの時違う選択をしていれば契約せずに済んだと言っても過言じゃない」
その言葉にシグルトは硬く目を瞑ると、首を振ってから目を開いて強い意思の籠った眼差しで見つめた。そして毅然とした態度でキッパリと言い放った。
「僕は確かに幼い直哉の持っていた力の内容を知らないんだ。でもあの時あの場でした契約は僕の意思なんだ。だから僕の思いは何も変わらないんだ」
「ふーん、もしその意思が誘導された物だったら?選んだ様に見えて選ばされていたとしたら?実際に契約しなければならない状況だっただろ?さっき言った事の意味は・・・」
「黙れ!!そんな事は関係ないんだ!!契約は・・・あの時の誓いはそんな事で左右される程軽い物じゃないんだ。馬鹿にするな!!僕は契約をしたんだ。ならば切っ掛けが如何だったとしても、自分の意思で直哉と共にいるんだ」
「ふーん、成る程・・・・・」
不満そうな顔になった分身体は俯くと、ニタリとした悪意の固まりの様な顔になってシグルトを見つめた。俺はかつての自分の顔が醜く歪んでいるのを見て、背筋に冷たい戦慄を感じた。そしてこの先の言葉を言わせない方が良いと思って遮ろうとした。しかしそれを察した分身体がニタリと笑ってこれ見よがしに足を踏み出し、俺は触れられないので行動を止められ無い、魔法を使って攻撃したら記憶などを取り戻せないかもと思い、歯がみして見守る破目になった。
「フッ、顔色から何を考えたのか丸わかりだ。ははは、それは杞憂ではないぞ。だから今は黙って見ていろ、本体」
言外に何も出来ないだろうと言われてグッと言葉に詰まった俺を無視し、分身体はシグルトを冷たく睨み付けて吐き捨てる様に告げた。
「そんなにこの力が欲しいのか?シグルト」
「エッ?」
「ククク、直幸から聞いていただろう。君が力にひかれてきたと。なあ君は負傷したあの時、転移する時に何を思い浮かべた?」
「・・・・・あの時は負傷して逃げる事に精一杯で転移する場所すら決められなかったんだ。だから・・・・・」
「本当に?痛みを感じた君は瞬間的に思い浮かべた事があるはずだ。よく思い出してご覧」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
長い間無言になったシグルトは、突如ハッとした顔をして動揺をあらわにした。
「気づいた様だね。シグルトはあの時自分に憧れているお伽話の始祖龍の様な力があればと思っただろう?」
「何故・・・何故負傷した僕が思った事を知っているんだ!?それは直哉にだって言った事は無いんだ!!」
「僕が押し付けられて制御させられている力のおかげだよ。ねえ、直哉、シグルト、僕は今どんな表情を浮かべている様に見える?」
「・・・・・・憎悪、または悪意のある顔だな」
「僕は押し殺した怒りに見えるんだ」
「そっか・・・・・ちゃんと真似して表現できているんだ」
薄ら笑いを浮かべて放たれた言葉に俺達が眉を顰めると、分身体はゾクリとする暗い視線で見つめてきた。そして俺の心にブスリと突き刺さる非難を口にした。
「僕は都合の悪い記憶と力を管理する為の分身体。だから意思はあっても感情は殆どないし、例え苦しくても止める事はおろか狂う事すら出来ないんだよ。フン、まさに僕は命令を受けたロボットの様な物さ」
「そんな馬鹿な・・・・・今見ている表情はとてもそうは見えない。それに今苦しくてもと言ったじゃないか・・・それは・・・」
「ふん、そんなもの上辺だけさ。時間だけはあったからね。力で嫌でも見させられるものから色々学んだんだよ。来るかどうかも分からない今日この日の為だけにね」
そう言った分身体は禍々しく口元を歪め、憎々しげな口調で吐き捨てる様に告げた。その姿はとても上辺だけのものとは思えない生々しさだった。
「来る可能性は僅かだった・・・・来ない可能性の方が大半だった・・・・・なのに本体はシグルトと共に来た。ははははははは、そんな未来など無かったはずなのに・・・・・己が目を疑ったよ。はははははは、これが僕を作って逃げた本体の悪運か!?生きる為の生物としての本能か!?今まで僕に全てを押し付けて・・・・・ふざけるな!!」
長い年月をかけて積もり積もった思いを叫んだ分身体は、目を血走らせてシグルトを睨み付けてから一瞬で無表情になった。俺はその無表情から深い深い諦念とほとばしる力を感じていた。
「・・・・・・シグルトが此処に来た事だけは想定外だったよ。でも必然なのかも知れないね」
「必然?如何言う事なんだ?」
「ふふ、直哉が僕に触れて取り込めば嫌でも分かるよ。さあ直哉、僕に触れないと何時まで経っても先に進めないよ。そして此処まで来た以上逃がす心算もない」
背後の空間が歪んで退路を断たれた俺達は、無表情で機械の様に正確な歩調で歩いてくる分身体を身構えながら見つめた。しかしお互いの視線が交差し、その瞳の中に救いを求める幼子の姿を見た時、俺は自然と体の力を抜いて手を広げてしゃがんでいた。
「・・・・・・・なんの真似です?」
「そっちの態度と湧き上がる忌避感に冷静さを失っていた。だが考えて見ればすぐに分かって当然の事だった。俺が抱えきれなかったものを持たされた君が救いを求めるのは当然だ」
「違う!!僕は救いなんか求めていない!!僕が求めているのは報復だ!!」
「・・・・・それも否定はしない。でも狂えない事を残念に思う程辛いなら、楽になりたい助けて欲しいと思うのが当然だ。否定したいらしい感情の有無だって、初めは兎も角今は狂いたくなる程追い込まれて近い物を持っているのだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「今まで押し付けて悪かった。如何か俺の中に戻って来てくれないか」
「・・・・・・ふん、今更そんな事を言われなくとも力尽くでも戻るさ。其れが元々の目的で報復でもあるんだ。ふん、そのために此処まで誘導したんだ」
「だろうな。君の今までの態度と昂った感情と共にほとばしった力を感じて何となく分かった。はは、だからさっき反射的に飛びずさったんだ。俺は契約者になった今でも力を制御出来ないんだろう」
「直哉!?」
バッッと振り向いたシグルトの驚き声が響き、分身体の歩みが止まった。
「・・・・・理解していて逃げないのか?もし夢見の記憶を取り戻して軽く考えているのなら大きな間違いだぞ。この力は確実に制御出来ずにその精神を壊すだろう。狂って廃人確定だ」
「ナッ、冗談じゃない。僕の前で直哉にそんな事をさせないんだ。もがーーーもがーーーー」
今にも火炎のブレスを放ちそうなシグルトの口を慌てて押えた俺は、耳元で「昔の幼い自分とは違う。今は簡単に狂ったり廃人になったりしない」と囁いて宥めた。そして苛立った視線でこちらを見つめる分身体を見て口を開いた。
「・・・・・俺を恨むのは分かる。だが何故先程からシグルトにまで酷い事を言って敵意を向けているんだ?」
「・・・・・・・龍だからだ。ふん、良いだろう、少しだけ力で分かった事を話してやる。抑々この力は強まり過ぎると人にはどうやっても制御出来ないんだ。だから強まらない様に男が生まれにくく、女も何代かすると力を失うんだ」
俺達が息を呑んでいると、分身体は自分の頭を指でコツコツと叩きながら話を続けた。
「何故制御出来ないかと言うと、これが単純な話なんだよ。人間の脳の処理能力が足りないんだ。古い古い初期の規格の違う機械に最新のソフトを入れても動かないと言えば分かるか?つまり契約者になって脳の全ての力を使える様になっても無駄なんだ。そう、人の脳である限り駄目なんだよ」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「ふん、絶望したか?努力も根性も気合も無駄なんだ。ははははは、本来はあの時に刺されて覚醒した力で即座に廃人になっていたのさ。そして今も取り戻せば・・・・・ははははは、此れが報復だ」
「覚醒だと!?まさか・・・・・・」
「ああ、そうだ。直哉が僕を作ったのは覚醒したからだ。ははは、直幸は勘違いしていたのさ。覚醒の方法は大きく分けて二つ、特殊な場所と方法での訓練と命の危機にさらされた時だけだ。つまり直哉が覚醒する機会は一つしかない。そして直哉が今もっている力の記憶は覚醒前の一端に過ぎない。覚醒時の記憶は僕だ。力と記憶を押し付けられた僕しか真実は知らない。ははははははは」
「・・・刺された時・・・覚醒・・・あれが一端・・・・まさか俺は・・・・・」
わざとらしく嘲笑う分身体に、シグルトは俺の手を振り切ろうと力を込めて身構えていた。其の殺伐とした雰囲気からは、俺の為に何としても分身体を排除しようとする強い意思が感じられた。そのおかげで俺はシグルトが一緒だと言う事を強く意識し、冷静に今までの情報を精査する事が出来た。すると話を繋ぎ合わせる事で見えてくるものがあった。鍵は分身体がシグルトが此処に来た事だけは想定外だったと言った事、人の脳である限り駄目だと言った事、幼い直哉の持っていた力で君は契約する事になったと言った事だ。
「なあ、俺が覚醒した力を取り戻しても廃人にならない未来があるだろ」
「・・・ないさ、そんな未来は」
「いやある。認めたくはないが、もし俺が力を使ってシグルトを呼んだのだとしたら、覚醒した時しか考えられない。夢見に其処までの力は無い事は記憶で分かるからな。だとすれば俺は其の時何を考えていたのか推測する事は簡単だ。何と言っても自分の事だしな」
「へえーー、一応聞いてあげるよ。何を考えていたと思っているんだい?」
「香織を一人にしない事だ。俺が廃人になったら一人にしてしまうからな。例え気絶していたって香織のあの叫びには反応するはずだ」
堂々と言い切った俺はシグルトに白い視線を向けられ、分身体にはあからさまな嘲笑と侮蔑の視線を向けられた。その視線は言っていた。此奴はもう手遅れであると・・・・・・。
「んん、そんな視線を向けるなよ。俺は真面目に話しているんだ」
「・・・・真面目に惚気ていると?記憶でも見たが本体は尻に敷かれているな」
「惚気じゃないし、敷かれてなんかいない!!」
俺が反論すると分身体の嘲笑が憐みに代わっていた。なんか凄く苛立つ態度だった。幼い頃とは言え、自分の顔なのがいけないのだろう。
「んん、まあ兎に角俺が言いたいのは、シグルトを覚醒したばかりの制御不能の力で呼んだのなら、自覚が無くとも願う香織との未来の為しかあり得ないと言う事だ。そして覚醒したばかりの発狂寸前の俺に力を如何にかできるとは思えないから、自動的に一番呼びやすい者が呼ばれたはずだ。例えばその力をお求めている者だ」
「其れが僕だった・・・・・・なら力の正体は・・・・・」
「ああ、俺はよく知らないがシグルトが口にした始祖龍とやらの可能性がある。先程の話はそう言う事だろ。自分を苦しめたのが龍の力だから龍のシグルトを敵視するんだ、そうだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
人形の様な無表情になって断固として答えないと口を引き結んだ分身体に、俺は肩を竦めて大きな疑念を尋ねた。
「なあ、なんで俺が気づける様に話したんだ?本当に憎悪しているのなら余計な事は言わないのが普通だろ?その方が確実に報復出来る」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「答えてくれないかな?知らないままなのは座りが悪い」
「・・・フン、ならなお更答えたくないな。僕が求めているのは報復だ。精々悩め」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言われても俺がジッと見つめ続けると、分身体は視線を逸らして俯いた。そして心底から忌々しそうな顔をすると、舌打ちをして消え入りそうな声でボソリと告げた。
「香織との記憶を見た。その時本体に向けられた香織の感情も理解してしまった。ふん、表情を作る為に見て学んだ所為だな。見ただけで手に取る様に分かったよ。クッ・・・忌々しい事に本体が香織を守ろうとする感情も・・・・・・・だから僕は気づけば良し、気づかなくても良しと言う手段を取った」
「そっか、自分の事より香織の気持ちを優先したと言うなら理解出来る。分身体とは言え俺だもんな」
「気持ち悪い事を言うな!!本体!!」
凄まじい殺気が俺に叩きつけられた。しかし今の俺にはそよ風の様に感じられた。何故なら俺は何があっても変わらず俺なのだと確信できたからだ。
「俺達の根幹は物心つく時には一緒だった香織の存在が作っている。だから失えない」
「ふん、回りくどい言葉で言うな。当時は幼くて無自覚だったけど初恋だから失いたくないと言え」
「うわーー、そうなんだ。香織に報告したら喜ばれ・・・・」
「「シグルト、一緒に死ぬか?」」
氷像の様な顔になった俺と分身体の声がピタリと重なり、ジトーーーッと見つめられたシグルトは気圧されて固まっていた。そして硬直から抜け出すと、シグルトは本気で身の危険を感じたらしく、蒼い顔で首をブンブンと振りたくっていた。
「言い残す事はあるか?」
「そうだな・・・・・ははは、初恋の為に頑張る本体にかける言葉はやはり此れだろう。初恋は大抵実らないと言う、その分に漏れずに道は細く綱渡りだ。一番ヤバいのは聖華さんルートで、次にタマミズキや沙月さんや美夜さん、そして驚く事にミーミルちゃんルートなんかもある。このロリコンが!!」
「ナッ・・・・・俺はロリコンじゃ・・・・・」
「ははははは、絶句するのはまだ早い。女は他にも沢山いる、精々おかしなルートに行かない様に気を付けるんだな」
昔の幼い姿でロリコンと罵られた俺が唖然としながらも反射的に反論していると、分身体は笑い飛ばしながら更なる忠告・・皮肉とも言う・・をしてきた。俺はその事にムッとしてすぐさま更なる反論を口にしようとしたものの、目の前で分身体が突如真剣な顔になって身震いしたのを見、背筋に悪寒が走って自然と口を噤んでいた。
「今言ったのは報復もしたい僕が見たなかでも本体をざまあみろと嘲笑っていられる物だ。だがそんな僕でも此処からはおすすめしない。それはそこらかしこに入り口があるハーレムルートと種馬ルートだ。実は此れが一番簡単で可能性が高い未来だ。どちらも生き地獄と言う言葉と死が安らぎになると言う言葉を体験できる。・・・・・誰が何をするとは恐ろしくて口に出来ないが、寿命でしか死ねないと言って置く」
死ねないと言った時に深い絶望が伝わってきた俺は、ゴクリと喉を鳴らして脳裏に浮かんだ想像を追い払った。寿命数千年の俺は今何も想像しなかったのだ・・・・・。
「・・・・・なかなか気の利いた言い残す言葉をありがとう」
「ふん、僕は報復も捨ててはいない。分かっているな?」
「ああ、分かっている。でもシグルトもいるし大丈夫だ。お帰り」
「ふん、じゃあこの手に触れ」
お互いの手が触れると分身体の体が輝いて足のつま先から光となり始めた。
「ああ、そうだシグルト。管理していた僕が取り込まれて居なくなると、すぐに封じられた力が暴走し始めると思う。現れた力を直哉には触れさせない様にした方がいいぞ。廃人になるからな」
「なっ、なんだって!?」
「はは、対抗出来るのはシグルトだけで、しかも勝利しても力を取り込んで掌握出来なかったら全てお終いだ。ふふふ、僕はそうなっても報復になるから気にしない」
「ちょ、ふざけた事を・・・・・勝利?如何言う事・・・」
「ははははは、親友なら守って見せるんだな、龍」
シグルトの抗議を無視して笑いながら光になった分身体は、俺の体にぶつかって中に納まった。するとすぐに俺の脳裏に記憶が再生され始めた。そして予想していた苦痛が始まった。
「あああ・・ああああああ・・ああああああああああああ」
「直哉!?」
シグルトが驚き心配して叫んでいる様だが、痛みと共にふら付いて倒れ行く今の俺には答える余裕が無かった。何故なら覚醒した力で見た大量の情報が一気に流れ込んでいるからだ。此れは終わった過去なので避け様は無く、昔耐えられなかった此れに耐えられ無ければやはり廃人確定なのだ。
「おお・・ああああ・・・・・・かお・・・・かおおおおおおおおお」
自分が最早何を口走っているかも分からない俺は、只々流れ込む覚醒した時の記憶に自我が流されない様に一つの事を思い浮かべて耐えていた。
叫んでいた直哉が倒れ込んだのと同時に、僕は一つの気配が後ろで発生したのを察した。其方に素早く目を向けるとそこには青みがかったエメラルドグリーンの綺麗な鱗を持つ巨大な龍が現れていた。
「大きい・・・父さんの二倍はあるんだ・・・・・。それにあの色の鱗は・・・・・やはり始祖龍・・・でも如何して此方の世界に・・・・・」
「ガアアアーーーーーーーーーーー」
僕がお伽話に語られる姿を見て暫し唖然としていると、獲物を見つけたと言いたげな猛々しい咆哮が響いた。倒れた直哉を見つけたのだ。ハッとした僕は素早く立ち塞がると、始祖龍に向かって火炎のブレスを放っていた。
「効いてくれると良いんだけど・・・・・・・うわーー、ヤッパリ傷一つない。お伽話で言われている様に頑丈みたいだな・・・・・」
「邪魔を・・・・・するな・・・・・其処を・・・・退け」
たどたどしい声が響き、僕は身を引き締めて毅然と言い放った。
「例え本当に始祖龍だったとしても僕は退かない。今の僕はあの時の力の無かった僕とは違うんだ」
「ならば・・・力尽くで・・・押し通らせて・・貰う」
そう言った始祖龍は大きく息を吸って火炎のブレスを溜めた。溜まっていく力は周囲の空間をビリビリと震わせ、僕の体を戦慄に粟立たせていた。まさに全力強化した直哉の上級魔法を思い起こさせる桁の違う力だった。それでも僕は対抗する様に火炎のブレスを必死に溜めていた。しかしその差は誰の目にも歴然だった。僕の成長しきっていない小さな体で溜められる力には限界があるのだ。
「吹き飛ぶが・・良い」
「僕は負けない・・・・・負けられないんだ」
お互いの放ったブレスがぶつかり空間を軋ませた。しかし拮抗は僅かな時だけで徐々に僕の方に接触点が移動し始めていた。
「クッ、流石お伽話の始祖龍・・・・・・僕は契約して強くなったはずなのに・・・・・」
「残念だったな。成龍になっていればもう少し抵抗できただろうに・・・・・」
「余計なお世話なんだ。まだ僕は負けていない。ただブレスをぶつけて威力が勝っているだけで勝った気になってもらっては困るんだ」
「後ろの男を庇いながら戦っているのに威勢がいいな。気づいているのだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ハッキリとした口調で告げられた僕は嫌でも気づかされていた。言葉がたどたどしかった最初と違い、ハッキリとしてきた今の始祖龍は、段々と存在感が増して力も大きくなっているのだ。徐々とはいえ、ブレスの接触点が僕に近づく速度が速まっているのがいい例だった。此れではもうすぐ完全に押し切られるだろう。
「直哉、動ける・・・・」
「あああああああ・・・・・・おおおおおおおおおおおおおお・・・・・」
一応聞いてみたものの背後から聞こえてくる断末魔の様な苦痛の叫びに、僕は無理だと悟って危険だが仕方ないと割り切って直哉ごと転移した。するとすぐに転移して誰もいなくなった場所に轟音と共に火炎のブレスが着弾した。
「がああああああああああ・・・・・ぐおおおおおおおおおおおおお」
「直哉!?直哉!!ッツ、やっぱり今の直哉に転移は危険だったんだ・・・・・」
ビクンビクンと体を痙攣させて仰け反る直哉の姿と、繋がりから伝わってくる狂わんばかりの感情に、僕は血相を掛けて呼びかけた。しかし直哉は答えず、とうとう痛みに転げまわり始めた。
「何を言っている?転移の影響だけでは無いぞ。此処は其の者の心の中だ。通常なら兎も角、そんな発狂寸前の状態で巨大な力が振るわれれば負担にならないはずがあるまい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前・・・まさか・・・・・知っていてブレスを溜めたのか・・・・」
「いかにも。だが抑々そなたが邪魔をしなければ良かったのでは無いかな?」
「・・・・・・僕が邪魔をしなければ直哉は如何なるんだ?お前が触れて直哉が制御できない力に呑まれるのだろう?」
「いかにも。だがそれも仕方なかろう?抑々我は其処の者に宿りし力。それを制御出来ないのなら、それがその者の運命と言うものだろう」
「運命だって?ふふふふふ、僕の契約者の直哉の・・・・親友になると僕が誓った直哉の・・・・それが運命だと?」
「いかにも」
「ふふ、ふざけるな!!そんな運命は僕が打ち砕いて見せるんだ。お前は絶対に僕が倒す!!」
激昂して一人転移した僕は目の前にある忌々しい始祖龍の首を爪で掻き切ろうとした。しかし始祖龍の強靭な肉体はガリガリガリッと激しい音をたてたものの、数センチ程度のひっかき傷を付けたにとどまった。
「残念だったな。その程度の威力の攻撃では、我は真面に傷付かん。其れより良いのかな?」
「何を・・・・・・まさか・・・・直哉!!」
視線の先を見て叫ぶ僕を無視してニヤリと顔を歪めた始祖龍は、なんと直哉に対してブレス攻撃をしたのだ。それを見て心底ゾッとした僕は慌てて直哉の傍に転移して戻ると、素早く迎撃のブレスを放って僅かな時間を稼いだ。そして内心で詫びながら直哉と共に別の場所に転移した。
「そうすると思っていたぞ」
「ナッ・・・・・」
僕が転移した先にはすでに始祖龍が回り込んで待ち受けていた。驚きながらも反射的に繰り出される爪と尻尾の攻撃をかわそうとし、僕はその攻撃範囲の中心に直哉が居ることに息を呑んだ。始祖龍の狙いは飽く迄も直哉なのだ。
「クッ、お前はそれでも始祖龍のなのか!?グァァァーー」
僕は避難の声を出しながらも、必死に障壁と自らの体を盾にして直哉を守った。ザクザクッと容赦なく爪が体に刺さったものの、直哉に始祖龍の体が触れる事は無かった。此の時僕は軽くない怪我を負う破目になったけど、直哉を何とか守れてホッとしていた。そして消えて行った分身体の言葉を思い浮かべ、僕は此処で直哉を守れないなら此処にいる意味が無いと決意していた。
「我は始祖龍のそのものでは無い。飽く迄も其の者の力の具現化した姿で、最もふさわしい姿をしているに過ぎない。分身体と同じで我はただ元の鞘に戻るだけだ。それだけ沢山の血を流し、傷付いた鱗が地に落ちたのだ。もう無理だとあき・・・」
「うあああああああああ、やらせるかーーーーーーーー、この始祖龍もどきがーーーーーー」
止めを刺そうと攻撃してきた始祖龍もどきの姿に、僕は叫びながら直哉と共に転移を繰り返した。しかし始祖龍もどきは当たり前の様に転移で先回りし、待ち構えて次々と連撃を直哉目掛けて叩き込んで来た。それに対して僕は必死に力を振り絞って応戦したものの、爪と爪、尻尾と尻尾がぶつかり合う度に体格の差が浮き彫りになってしまった。巨大な始祖龍もどきと小さな僕では一撃に込められた力が同等なら力負けするのは当然だったのだ。しかも悔しい事に僕の力は比べると明らかに見劣りしていた。
「グッ・・・・グッ・・・・・まだまだこれからなんだ。僕はまだやれるんだ」
相殺出来なかった攻撃の余波で全身を傷だらけにした僕は、血まみれになりながらも転移を繰り返し、気迫の籠った熱く鋭い視線と残された力を振り絞って振るう爪と尻尾で戦意を示し続けた。
「もう分かっているのではないか?我と自身の力が大小はあるものの、ほぼ同質の物だと言う事に。だから万が一にも小が大に勝つ事は無い」
「それでも僕は・・・・・」
「無理だ。お前はブレスや魔法を使う事を制限している」
その言葉に僕は歯を食い縛った。今こうしている間も直哉は消耗し、背後で聞くに堪えない苦痛の悲鳴を上げているのだ。僕には此れ以上直哉を苦しめる行為は出来なかった。先程繋がりから感じられた直哉の苦痛はそれほど酷かったのだ。
「僕は直哉を守る為に戦っている。だからどんなに苦しくても苦しめるブレスや魔法を使う心算は無いんだ。それに同質の物だと言う事は初めから予想はついていたんだ。僕は契約前は多人数とはいえ人に狩られるほど弱かったんだ。そんな僕が契約した今は龍十匹分以上の力を持っているんだ。直哉に封印した未知の力があったのなら関係していないはずが無いんだ」
「分かっているではないか。今使っている力の大半は我を元にしているのだ。混ざっているお前自身の力など微々たるものだ。これを受けて見るが良い」
「ガッ・・・・・・ッツ・・・・・・グッ・・・・・・」
始祖龍もどきは初めて僕を標的にして重さを増した連撃を叩き込んで来た。その一撃一撃はズシンと芯にまで響き、僕の体を痺れさせて意識を刈り取ろうとしてきた。
「どうだ?我との違いが分かったであろう?今までの攻撃はお前に向けられたものでは無かったのだ。今その身で受けてその事と力の大小、そして同質の力だと言う事もハッキリと感じられたはず・・・・・これ以上は無駄だ」
「それでも・・・いや、それだからこそ僕は退けないんだ。この力は直哉を守る為に使うんだ。うおおおおおおおおおお」
僕の魂から発した様な全身全霊の雄叫びの声に、見苦しいと言いたげに顔を顰めた始祖龍もどきは連撃を止め、自身に振るわれた爪の一撃を敢然と待ち受けた。そして僕の一撃が到達するまでの僅かな時間に力を溜め、無雑作に払い除ける様に爪の一撃を振るった。
「もういい加減に諦めろ!!」
煩わしそうな怒声と共にガギンッと音をたててぶつかった爪同士は、無情にも全く拮抗せずに僕の爪を圧し折って決着が付いた。
「グァァァァァーーーーーーー」
押し殺した悲鳴を上げた僕は発生した衝撃に跳ね飛ばされ、血をまき散らしながら後ろにいた直哉を巻き込んでぶっ飛んで行った。此処でも体格差が物を言ったのだ。
「気概は立派だが、力が無くては意味が無い。残念だったな・・・・・成龍としての体格があれば・・・・最後の一撃位は相殺できただろうに・・・・・・」
「グッ・・・・・・・まだ・・・僕は・・・・・・・・」
「無駄だ。もうその男は限界で次の転移の衝撃には耐えられまい。先程からの転移戦闘が無謀だったな」
「・・・・・・クッ、それを分かっていて僕がそうしないといけない様に、直哉を攻撃し続けて追い込んだくせに・・・・・」
僕は憎悪を込めて睨み付けたのだが、始祖龍もどきは此方を気にも留めずに直哉に近づこうと動き出した。其れを見て僕は震える体を必死に起こそうとした。しかし僕の体は既にボロボロで思う様に動かず、魔法での治療も悲しくなるほど遅かった。
「クッ・・・・・動け・・・・・なんで・・・・・」
「シグ・・・・ルト・・・・・・」
微かな消え入りそうな呼び声が満足に動けずにいた僕の耳に雷鳴の如く飛び込んで来た。ハッとして僕が其方に首を向けると、何時の間にかに叫び声を出さなくなっていた直哉が必死に口を開いていた。
「俺の・・・・手に・・・・触れ・・・・・・」
僕はその言葉の意味を理解した瞬間、近くまで差し伸べられた震える手に、なりふり構わずゴロゴロと転がって体を持って行った。するとすぐに直哉が震える指で背中に契約した時の羽のマークを三つクロスさせた紋章を書き込んだ。その瞬間触れられた部分がカッと熱くなり、僕の体の中心にドクンと熱いマグマの様な力の塊が生まれたのが分かった。そして僕の傷付いた体を変質させていった。
「う・・うあああああああああああああああああああ」
僕が体の熱さに耐えきれずに叫ぶ中、まず体が急激に二メートル程まで大きくなり、その過程でボロボロに傷ついた鱗が弾け飛んで行った。
「・・・・・・何が起きている?何をした?チィ、鱗が飛んで・・・・グッ・・・・」
傷付いた鱗は信じられない程の灼熱を発しているらしく、当たった鱗で自身が傷つく事を知った始祖龍もどきは大きく後退して避けていた。その間に僕の全身は新しい青みがかったエメラルドグリーンの鱗に生え変わっていた。圧し折られた爪も再生し、ギラギラと光り輝くその白銀の輝きはどんな物でも切り裂けそうな鋭さを見せていた。
「・・・・・・・・その姿は・・・まさか・・・・・・」
「・・・・・そうだ・・・・・俺の分身体が・・・・・掌握して・・持っていた・・・・力・・・だ。・・・幼い俺が発狂寸前の本能に従って・・・シグルトを知った力・・・・・・分身体を構成して・・・・お前を・・・抑え込んで・・・・封じていた・・・・力だ」
「直哉、無事だったんだね。良かった・・・今すぐ魔法で回復するんだ」
「・・・・・・・シグルトのおかげでな。ふう、転移は厳しかったけど、シグルトが傍に居たから強化した繋がりが強く感じられた。そのおかげで過去には辛うじて打ち勝て、分身体が完全に掌握していて記憶と共に流れ込んで来た二割の力を何とか抑え込めたんだ」
「・・・抑え込んだ・・・なら直哉は・・・・・」
「ああ、まだ抑え込んだだけで掌握はしていない。シグルトに大半を預けて負担が軽くなっている今の内に少しずつ掌握している所だ。それが終わるまで俺は動けない」
「分かったんだ。元々直哉は触れられたら終わりなんだし、此処は新生して強くなった僕に任せて貰うんだ」
「ほう、先程我にボロボロにされたのに威勢が良いではないか。強くなったとはいえ、二割で勝てると思っているのか?」
「勝てるんだ。嘘だと思うのなら試してみれば良いんだ」
「よかろう、ならば今すぐ試させて貰うぞ」
ビリビリと大気を震わせる威圧感を放ってそう言った始祖龍もどきは、先程僕の爪を砕いた時と同じく無雑作に一撃を放って来た。僕は正面から迎え撃つ為に全身に力を籠め、先程と同じように雄叫びをあげて白銀の爪を振るった。すぐにガッキーーンと音をたててぶつかった爪と爪は周囲に強大な衝撃を放ち、僅かな拮抗の後にバキンと音をたてて一方の爪を圧し折った。
「グォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーー。馬鹿な馬鹿な馬鹿な・・・・我の方が打ち負けるなど・・・・」
「当然の結果なんだ。お前は所詮始祖龍もどきで、似た姿をしたただの力なんだ。今まで分身体にこの二割の力で封じられていたのを忘れいるんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「直哉が必死に抑え込んで僕に預けてくれた力は、今も刻一刻と制御されて強くなっていっている。故に完全に制御された暁にはお前を倒す事など簡単な事なんだ」
「・・・・・・・・・・調子に乗りおって・・・・何か勘違いしている様だが、我は負傷した事に驚いただけなのだよ。この程度の負傷に意味など無いわ!!」
白銀の爪を突き付けて言い放った僕の言葉に、始祖龍もどきは凄絶な雰囲気を醸し出すと圧し折られた爪を眼前にかざして怒声を放った。すると圧し折られた爪の部分が光の粒に変わり、数瞬で集まり新たな爪を作った。そして先の物より大きく強靭そうな爪を突き付け、僕を威圧する様に睨み付けてきた。僕はその視線に気圧されない様に傷が癒え大きくなった体を誇示し、直哉との間に立ち塞がって挑発するみたいに手招きをした。
「此れからは僕の反撃のターンなんだ。さっきやられた分も倍にして返してやるんだ。直哉を狙わないと僕に勝てない始祖龍もどきさん」
「お前・・・・・・・」
挑発されて怒りに震え目を血走らせる始祖龍もどきを見て、僕はこれで少しは動けない直哉から注意を逸らせたかな?と内心でほくそ笑んでいた。そしてその事を悟られない様に毅然と睨み返しながら新たに得た力を発して、始祖龍もどきが作った凄絶な雰囲気を吹き飛ばして場を仕切り直した。
「グッ・・・・・この力は・・・・・」
「来ないなら此方から行かせてもらうんだ」
獰猛な笑みを浮かべた僕は内心で「今までの戦いは前哨戦、此れからが本番だ」と己を震わせて始祖龍もどきに飛びかかって爪を振るった。
次話の投稿は9日頃・・以降かもしれませんが・・を予定しています。さて今話は特に微妙な場面で終わっている上に、サブタイトルに取り戻してないから嘘だろと言う声が聞こえてきそうな気がします。一応(上)とつけていますが・・・。さて何故こんな事になったのかと言いますと、明日から3日まで・・下手をすると4日まで急用が入ってしまったからです。その所為で1日には投稿出来そうになく、今日この様に投稿しないと7日頃まで完成は無理そうでした。そこで完成している部分を切って投稿させていただきました。真に申し訳ありませんが、どうか次話をお待ち下さいますようお願い申し上げます。




