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同類はいらないから

作者: りかい
掲載日:2026/06/17

ミステリー作品を作ってみました。短いので気軽に読んでください。深読みすると面白さがよりわかります!

カー、カーとうるさいカラスの鳴き声が聞こえてくる。目が覚めた。なんと、目覚めの悪いことだ。ガタガタ、ガタガタと微小な風でも窓が揺れる。立て付けが悪いらしい。ボロいアパートだから仕方がない。ハエもたくさん集っている。時間を確認するついでにテレビをつけておく。

「おはようございます!4月1日、今日も朝の情報番組、モーニングライト、スタートです。それでは、早速、ニュースです。今日未明、〇〇県××市にある、森に『死体らしきものがある』と通報があり、二人の警官が様子を伺いに行ったところ、バラバラの遺体が発見されました。警察は遺体の身元を確認するとともに、先月から起きている連続殺人事件との関連について、調べています。」

いつものように、ニュースを聞きながら朝食を済ませて歯を磨き、駅で待ち合わせをしているので、余裕を持ってこの家を出て行く。もうここには戻ってこないので忘れ物がないか丁寧に確認する。大学は、休暇中ということで今日は高校からの友人と遊びに出かける予定だ。友人と言っても、僕がそう思っているだけだと思う。僕の実家は少し裕福なので、その友人は僕を金づるだと思っている、多分。

「よー、おはよう!りょう。待ったかー?」

「いや、今来たとこだよ。」

こんな感じで、挨拶からわかる通り元気で明るい奴だ。いわゆる陽キャってやつ。それに対して、僕は根暗だ。そういうわけで、僕に関わってくるのはおかしいと考えている。

「今日は何をするの?」

「何するか、カラオケとかどう?」

「いいよ。」と特にしたいことがないので、賛同する。

「あ、そうそう、夜になったら心スポ行こうぜ!」ここでも特に怖いものが苦手ではないので賛同しておく。


いつものように僕が会計を済ましカラオケを終えるとあたりは既に暗くなっていた。スマホでニュースを確認しているとある記事が目に止まった。「今日午前11時頃、〇〇県××市のアパートで変死体が見つかった。」と書かれていた。友人が僕の携帯を覗き込んできた。常に思うが距離が近い。

「また、殺人事件か最近物騒だな。自分の近くで起こってると思うと怖ぇな。まぁ今から噂になっている山に行くんだけどな」

噂になっている山とはおそらく殺人鬼が使っていると思われる小屋だ。そこが血だらけだったとSNSで話題になっている。

「見ろよ、この動画。犯人見ちゃいましたーって書いてあるぞ。タンクトップ姿で腕の付け根に鬼のタトゥーあったらしいぞ。」所詮噂に過ぎないのに友人はすごく興奮している。その他にも動画では性別や身長、似顔絵なんかまで語られていたがどれも検討はずれだ。そんな感じで雑談をしていると心霊スポットというか殺人スポットと言った方が良さそうなところに着いていた。


山を歩き周っているとボロボロの木で作られた小屋が出てきた。

「おい、りょう。入るぞ。」扉を開けた先にはさっきまで視聴していた配信者が写していた通りの真っ赤な光景が広がっていた。少し驚いたがよく観察してみるとただの絵の具だった。やっぱり配信者の自作自演ということか。ふーと息を吐いた。

「やばいなここ、」と友人は言葉を漏らしながらTシャツの裾を肩まで上げてタンクトップのような形にした。その光景に僕はまた驚いてしまった。

肩の付け根あたりに鬼のタトゥーがあった。動画で見た特徴がフラッシュバックしてきた。似顔絵は所詮素人が書いたに過ぎないので考慮しないとするとどれもこれも一致する。

「タトゥー、」と聞こえるか聞こえないかぐらいの声が出てしまった。

「あ、やっべ」すぐさまTシャツを元の形に戻したがもうその顔はさっきまで遊んでいた友人とはかけ離れた表情をしていた。友人はたまたま壁にかけてあった斧を見つめた。時間が止まる。心臓の音が高まる。友人はゆっくり斧に近づき、手にずしりと構えた。こっちに近づいてくる。床がキシキシ軋む音が鳴り響く。僕の目の前に立ち斧を頭の上に上げている。僕はその時点で目を瞑っていた。次の瞬間頭に何か当たった衝撃を受けた。

しかし、僕は無事だった。目を開けると友人は笑っていた。

「嘘だよ、ばーか。今日はエイプリルフールだろ!」


無事、家に帰って母親に「ただいま」を言って自室にこもった。今日は色々なことがあり過ぎてすごく疲れた。まさかあのドッキリの後告白されるとは思わなかった。今までずっと友達でいたし、自分を金づるとしか思っていないと思っていたから驚いた。

それにエイプリルフールだからと言って流石に驚いた。単純に友人が殺人犯だからという理由ではない。もしあそこで嘘だと言ってくれなかったら危なかった。同類はいらないから

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