想思想哀
貴方の声が、凄く好き。
優しい貴方の声。
私が貴方を怒らせた時も、最後に貴方はその優しい声で許してくれたね。
「ありがとう」
「どうしたの。何か有った」
「ううん、言いたくなったんだ」
「そっか」
私は貴方を怒らせることばかりしてたね。
でも、貴方は許してくれる。
その優しい声に甘えていた。
私はわがままで、貴方を困らせた。
凄く、凄く、貴方が好き。
「好きだよ」
「うん。俺も好きだよ」
でも、貴方から好きとは言ってくれなかったね。
「ねぇ、私のこと、好き」
「じゃなかったらこうして一緒に居ないよ」
どうしても、不安になってしまうんだ。
貴方がとても好きだから。
「もう終りにしよう」
「え…」
「もう、続けられないよ。君は僕に依存して、僕も君に甘えている。二人とも成長できないんだ」
「なんで…そんなこと言わないで」
「もう、だめなんだ」
目の前が急に暗くなった。
貴方が居ないと歩けない。
目の前に続いてた道が見えないよ。
貴方が照らしてくれていた道が見えなくなった。
「俺のこと好きでいてもいいよ。俺もお前のことが好きだから」
初めて貴方から好きと言ってくれた。
でもそれが優しくて痛い、別れの言葉だった。
貴方が狂おしいほど、涙が止まらないほど、ずっとずっと好きです。
なのに届かない想いは、哀しみに変わった。
「ありがとう」
「うん、ありがとう」