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第4話「愛しの! 彼女の! 独白!」

「…はい。本当にその通りです」

「な?」


はい的中ーっと指を拳銃のように折り曲げて遥さんは白鳥さんに向け、放つ。


「ぅ"致命傷…」

「なんでだよ」

「き、君の弟子入り理由をもう少しちゃんと聞いたら治るかも…」

「いやなんでだよ」

「あの、実は私彼氏がいるんですけど…」

「そんな真面目な顔で話し始めないでよ、いや、真面目な話だったか…」


遥さんは流されていたボケの潮流から浅瀬に帰って来て、呼吸を整えながら語る瑞希の言葉を耳に押し込んでいく。


「私…彼氏にお弁当、作ってあげた事なくて。だから作ってあげたくて…でも私料理なんて一度もしたことなくて、彼氏とかってどう言う料理が好きなのかわかんなくて」

「「ふむふむ」」

「それで、私、彼氏さんにすっごい愛の詰まったお弁当渡してた白鳥さんに、手取り足取り教えて欲しいって、おもい…まして…」


そうした瑞希の独白。

二人は静かに目を合わせ、少しして遥さんが。


「おいおいヨーダこりゃあお前責任取るしかないだろ」


白鳥さんの肩を激しく揺さぶりながら言ったのだが、白鳥さんはかなり真剣な面持ちを残していた。

だからだろう、スッとその揺さぶる手を遥さんは引いた。


「オッケー。…じゃあ、もう一つ聞きたいんだけどね」

「な、なん…ですか…」

「料理を学ぶだけなら普通に入部したら良いと思う。けど私に弟子入りとなったらちょっと要件は変わるのよ」

「ヨーダ、まじめだ…そんな顔テストで欠点取ってる時にしか見たことない」

「う、うるさいなー! しっしっ、さっさと生姜焼き作って来てっ」

「あーい。君、弟子入り頑張ってね」


そうして遥さんは二人に背を向けて遠のいていく。


「あっそう言えば君、名前なんていうの」

「ぁあ! す、すみません! えっとわ、わたしは…えっと…瑞希……です」

「おー!!! 瑞希ちゃん! 名前かわいいね!」


白鳥さんは何気ないのだけれど、きっとそれは本当に今思った事で、新鮮なもので。

だから産地直送のその言葉を受け取った瑞希は、まるでひまわりが咲いたみたいな顔を浮かべていた。


「じゃあさじゃあさ、そんな瑞希ちゃんに質問なんだけど」

「はいっ」

「彼氏さんのこと、どれだけすーー」

「ーーめちゃくちゃドチャクソ精一杯に大好きです!!」

「おー…私の言葉が食われたよ、まるで映画のジョーズが人間を丸呑みするみたいに」

「私の苗字鮫島です!」

「うぉおお!! まじのサメだぁああ!!!!」

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