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ルールッルッルルル、ルールッルッルルル、

ルールールールッルー!

鼻歌を歌いながら、スキップをしていると、

少年少女のパーティを見つけた。


んー?少年が怪我してるじゃないか〜

アイテム生成で回復薬を作って〜


「少年よ、だいじょぶか〜?」


声をかける。


「あ?なんだよ!オッサン!」


オッサン!?オッサンとな!?

うん。やっぱりあ〜げない!!


「バロ!初対面の人に失礼でしょ!すいません!バロが怪我をしてるから心配してくださったんですよね…」


おー?少女は丁寧さんなのね!

回復薬は君に授けよう!


「そそそ!回復薬あげるよ〜」

「そ、そんな!こんな高価な物をっ!?い、いただけません!」

「そうなん?」

「そうですよっ!回復薬なんてランクの高い人しか使わないですよ!薬草とかでどうにかやっていかなきゃ…生きていけませんよ…」


へー、そうなんだ〜

回復薬とか普通に使ってると思ってたんだけど…

んじゃあ、薬草作成してっと…


「んじゃ、薬草と回復薬あげるからさ〜。とりま、薬草使ってあげたら〜?」

「そ、そんな!?ほ、本当に頂いていいのですか!?」

「え?あ、うん」

「あ、ありがとうございますっ!」


受け取ってくれた少女は薬草を少年に使って、回復薬は大事そうにバッグの中にしまった。


「んで、少年少女よ。どこに行くん?」

「私たちはアステリアルに行くところです!ちょうどDランクになりましたので…そろそろ街を移動しようかと思いまして…」

「へー!そうなんだ!僕もそのアスなんちゃらに行くとこだったんよ!」

「そうなんですかっ!あ、あの…もしよろしければなんですが…一緒に行きませんか?」

「おー、いいよ〜」

「おい!クーミン!なに勝手に決めてんだよっ!」

「バロ!助けてくれたのにその態度はないじゃない!それに行き先が一緒なら別にいいでしょ?」

「ちっ!パーティは組まないからな!」

「バロ!」

「あっ、パーティは組まない感じでいいお」

「えっ!?そ、そんな!」


だって、パーティなんて組めないもの☆

ねぇぇえよ!どうせパーティコマンドとかあんだろぉぉおおお!!んなもんねぇぇええよ!!


「でも、一緒に行こっか〜」

「い、いいんですか?私たちの意見だけ汲み取ってくださって…」

「ん〜?まぁ、1人って暇だからね〜。話し相手になってよ〜」

「は、はいっ!もちろんです!」


少年少女と一緒にアスなんちゃらに行くことになった。少年の名前はバロくん。

少女の名前はクーミンちゃん。

バロくんは剣士で、

俺は剣士バロっ!って名乗るくらい、

痛い少年だった。

そして、意外や意外にクーミンちゃんは魔術師という上位職業に最初からなれたエリートだったのだ。


「バロと私は幼馴染でして、一緒に冒険者を始めたんです」

「へー、親御さんとかはいなかったん?」

「いねーよ!そんなもん!」


モンスターに親を殺されて、

孤児として育つ子供は多いようだ。

バロくんもクーミンちゃんも、

同じ冒険者組合が営んでいる孤児院出身らしい


「でも、Dランクって頑張ったんやね〜」

「はい!魔導書ってすごく高くて、読み解くのも難しいんですけど…バロが2人で貯めた殆どのお金を私の為に使ってくれて…」

「そうだったんや〜」

「そのおかげで魔法で魔物を退治することができまして!2人でDランクまで上がったんです!Cランクになる為にはアステリアルの組合で試験を受けなきゃいけませんので…」

「それで向かってるんやね〜」

「おい!それよりオッサンのランクは何なんだよ?」

「へ?Eランクだけど?」

「はっ!?オッサンはEランクでアステリアルに向かってんのかよ!?バカなのか?」


バロくん。人にバカって言っちゃいけないよ?


「バロ!クロさんはEランクだけど、実際の実力はそれ以上かも知れないでしょ!?回復薬を簡単にくれた人よ?」

「たまたま持ってただけじゃねぇの?ってか、本当は盗賊とかじゃねぇだろうな?冒険者に優しくして近づいて、寝静まったところを襲ってよ!」

「バロっ!!」


バロくん。そう思うなら直接聞いちゃいけないよ

本当にそうだったとしても、

うん。実はそうなの☆

なんて教えてくれるバカはいないもの。

あっ!バカって言っちゃったっ!テヘペロ☆


「ちっ!クーミンはうるせぇな!…でもよ〜、こんなオッサンなのにEランクってヤバくねぇか?普通に考えてその歳だったら、もうDランクになっててもおかしくねぇだろ?」

「そ、それは…そうだけど…」

「あー、それはね〜。なんやかんやあって、昨日、冒険者になったばっかだからさ〜」

「はぁっ!?昨日なったばっかだとっ!?」

「えぇ!?そうなんですかっ!?」


おふす。いいリアクションですな〜

子供が驚いた表情は素敵ですなぁ〜


「そそそ!昨日、登録して〜。ゴブリンでストレス発散してたらEランクになっちゃった☆」

「な、なっちゃったじゃねぇよ!ふざけんなよ!そんな簡単にランクが上がってたまるかよ!」

「え〜、でも、上がったもん」

「く、クロさんは本当にすごい方だったんですね!ご職業は何かお聞きしてもよろしいですか?」

「一応、魔法使いかな?」

「はっ!クーミンより下じゃねぇか!」

「バロっ!職業だけで判断はできないでしょ!私だって…魔術師だけど…そんなに強くないもの…」

「んなことねぇよ!クーミンは俺の自慢の相棒だぜっ!俺が魔物を引きつけて、クーミンの魔法で倒すのが俺らのパーティの戦い方だろっ!」

「でも、それは…バロが私の為にお金を使って…バロの装備が整ってないから…」

「俺はクーミンが守れたらそれでいいんだよっ!俺はクーミンの剣士バロだぞっ!」

「うん…そうだよね。ありがとう」


うんうん。いい話だねぇ

でもね、僕の前でイチャつかないでくれる?

なんかさ、イラッとしちゃうんだよね☆


「それでクロさんはどんな魔法が使えるんですか?あっ!…そ、そんな簡単に教えてくれませんよね…?」

「んー?普通に色々〜?」

「色々って何だよ!バカじゃねぇの?普通は一属性の魔法を強くしていくじゃねぇか!それも魔導書を読み解かなきゃ無理だろ!詠唱とか!」


え?詠唱とか必要なん?

普通にイメージで使えるじゃん?

ひ〜、でボンッて出てくるじゃん?


「わ、私は風属性を使うことができます!」

「そうなんだ〜」


ふ〜ん。魔術師って言っても複数属性使えるのって珍しいんだね〜

魔法スキル取りすぎちゃった!テヘペロ☆


「おい!クーミン!ゴブリンだっ!」

「っ!」


バロくんもクーミンちゃんも、

すぐに戦闘態勢に入った。

おー、なんかカッケェじゃん!


「いつも通り頼むっ!」

「わかった!」


バロくんがゴブリンに突撃して、

剣でエンヤーコーラーと戦っている。

クーミンちゃんは後ろでホニャラララ〜と、

詠唱をしはじめた。


「バロ!」

「おうっ!」


声をかけられた瞬間にバッと後ろに下がった。


「ウィンドカッター!」


Windows買ったぁぁぁああ!!!

Mac派の人はごめんねぇぇえええ!!!


バッシュバッシュとゴブリンが切られる。

だが、まだ生きているようだ。


「とどめだ!」


バロくんがザクザクと切り付けて、

ゴブリンは倒れたようだ。


「へー、すごいじゃん」

「はぁはぁ…あ、ありがとうございます…」

「おい!クーミン…大丈夫か?」

「うん。…ちょっとMPが危ない…かな?」

「そうか…そろそろ休めるところを探さないとな…」

「え?ここで休むん?そのスピードだったら街に着くのっていつぐらいになっちゃう?」

「あ?んなもん一週間で行けたらいい方だろ!」

「え?でも、3日ぐらいで着くって聞いたけど…」

「それは馬車を使ったらの話だっ!歩いていったら一週間以上はかかる!そんな当たり前のこと聞くんじゃねぇよ!」

「ま、マジか…」


えー、そんな歩くの?面倒いんだけど…


「あー、じゃあ、ぼく、さきに、いく」

「え、えっ!?い、一緒に行ってくれないんですか?」

「あー、じかん、かかる、やだ」

「そ、そう…ですよね…」

「クーミン!こんなやつ一緒に行かなくてもいいだろっ!」

「で、でも、クロさんはバロを助けてくれたんだよ?」

「そ、そうだけどよ…」


んー?どうすっかな〜…

でも、置いてってこの子達が死にました☆

ってなったら後味悪いもんなぁ〜…

味わってるわけじゃないよ?


「んー、MP回復出来たらもうちょい行けそう?」

「え、えっ?…そ、そう…ですね…」


そっかそっか!じゃあ、MP回復薬作成っと!


「じゃあ、これあげる〜」

「えっ!こ、これはMPの回復薬っ!?」

「うん。10個あったらとりま、だいじょぶ?」

「そ、そんなにいただけるんですかっ!?」

「お、おいっ!それって高いやつだろ?何でそんなに持ってんだよ!?」

「んー、企業秘密?」

「きぎょうひみつ?な、なんだよそれっ!?」


そりゃそっか!企業なんて言葉しらんよね!


「あと、バロくんの装備もあげようかね〜」

「は!?」


スキル一覧にあったんよね〜

武器作成と防具作成〜

取りましてっと…

とりま、剣と革鎧でいいっしょ!

作成〜作成〜っと!


「ふぁい!」

「う、うわぁ!ど、どこから出したんだよ!」

「んー、企業秘密?」

「だ、だから、なんだよそれっ!?」


んー、次の街でバッグでも買おうかな〜

でもな〜僕って手ぶら族なのよね〜

シザーバッグみたいなの作ればいっかっ!

それは1人の時にするとして〜


「ほいほい!あげるから装備した!装備した!」

「ほ、ほんとに…いいのかよ…?」

「え?いらんの?」

「い、いるっ!もらうっ!」


バロくんは装備したようだ。

いいなぁ〜装備コマンド…

パーティコマンドとかあるんでしょ?

いいなぁ〜いいなぁ〜


「く、クロさん…本当にこんなにいただいていいんですか?」

「そんかわりさ!3日で行こうね!」

「…は!?」「…へっ!?」


うんうん。いいリアクションですなぁ〜

こういう子供っぽいとこ嫌いじゃないぜっ!


「じゃあ、そういうことで〜。ダッシュ!」


僕はバロくんとクーミンちゃんを、

全力で走らせた。

遠くに見えたゴブリンは全部退治して、

走ることだけに集中させた。

ブックマーク登録、いいね、

評価ポイントをつけてくださり、

ありがとうございます。


とても嬉しく思います。


皆さまの大切な時間をお使いいただき、

ありがとうございます。


今度ともお楽しみいただければ、幸いです。

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