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この作品を読もうと思ってくださったこと
とても嬉しく思います。
お楽しみいただければ幸いです。
痛みと共に目が覚めた。
ガツンと何かにぶつかったような痛み。
いったい、なんなんだ?
そう思い前を見ると、化け物がいた。
緑色の肌に赤い瞳、そして尖った牙
所謂、ゴブリンと呼ばれる化け物だ。
魔物、モンスター…
僕もゲームはアニメ、漫画などの作品で、
見たことはあるし、知ってはいる。
だが、実際に目の前にしたら恐怖を感じた。
う、うわぁぁぁぁぁああああ!
大きな声で叫んだ………はずだった。
声がでない…そして、身体も動かせない。
僕はこのまま殺されてしまうんだろうか?
そう思ったのも束の間、
僕はあらぬスピードでゴブリンへとぶつかる。
そして、また同じ痛みを感じたんだ。
「よっしゃ!ゴブリンを倒したぞ!」
「シェル!気を抜いちゃダメだよ!」
「そ、そうだった。危ない危ない…街に帰るまでは気を抜くな!だもんな!ダン!」
「そうだよシェル!模擬戦じゃないんだから!ここで気を抜いて殺されたらダメだもん!」
シェルと呼ばれた少年と、
ダンと呼ばれた少年。
彼らがゴブリンと戦っていたようだ。
そして、僕はシェルと呼ばれた少年に、
振り回されていることに気付いた。
少年達は今から街に帰るようだ、
その前に川でゴブリンの血を洗い流すようだ。
そして、川の水面に映った
自分の姿を見て驚愕してしまった。
僕、、、木の棒じゃん!?
うんうん。わかるわかる〜!
ほら、気付いたら木の棒的な?
あれでしょ?今、流行りの転生ものでしょ?
いいよね〜!僕も好きだよ!転生もの!
でもさ、木の棒はなくない?
普通さ?女神的なの出てきてさ!
チートなスキルをもらったりとかさ!
不遇なスキルだと思ったら覚醒したりさ!
あんじゃん!?え?ただの木の棒なん?
シェルくんにさ!ブンブン振り回されてさ!
ブンブン!痛いったらありゃしない!
シェルくん的にはさ!戦ってるつもりかも知れないよ?でもさ!僕からしたらガツンガツンぶつかってるだけなのよね!痛いんよね!
てか、このメーターなんなん!?
減ってるんだけど!?
あれかな?HPみたいな感じ?
その下にあるメーターはMPですか?
いやいや!!木の棒にHPとMP作んなよ!
え?なんなん?HP無くなったら死ぬん?
ゴブリンにぶつかって、
シェルくんにブンブン振り回されて、
僕、HP無くなって死ぬん??
いやぁぁぁぁあああ!!
死にたくなぁぁぁあいぃぃぃいい!!
でも、僕には声を出すことも、
身体を動かすこともできず、
シェルくんに振り回される日々を過ごした。
いつかシェルくんに殺されるかもしれない。
僕はそう思っていたんだ…
あの日までは
テッテレー!レベルが上がりました。
ん?レベルが上がりました?
僕はHPとMPのメーターの上を見ると、
そこにはLv.2と書いてあった!
え?レベルあんの?
何かスキルポイントってのあんだけど?
スキルポイントの横にスキル一覧とある。
触れることは出来ないが、
意識をそこに向けるとスキル一覧が表示された。
どうやら、ここに表示されているスキルを手に入れることが出来るようだ。
それもめちゃくちゃたくさん…
嘘やん!?木の棒にそんなスキル持たせていいの!?火魔法とかもあるんだけど!?え?普通に考えてさ!使ったら燃え尽きて死ぬんじゃね!?
とりあえず、僕は回復魔法を手に入れた。
だって、死にたくないもん!
「やった!レベルアップだ!」
「え!?ダン!嘘だろ!前までレベル一緒だったじゃん!何でダンだけレベル上がるんだよ!」
「え?シェルは上がってないの?」
「おう…何でだろ?」
「何でかな?」
犯人は僕ですね☆
あれだ!パーティを組んだら経験値が半分になる感じのアレだ!シェルくんと僕で経験値を分け合っているからダンくんが先にレベルアップしたんだろうね〜!
でも、シェルくんには悪いとは思わないよ?
僕は身を削って、文字通りに身を削って、
戦っているわけだからね!
命をかけているのはお互い様だからね!
ダンくんの木の棒はこの前折れたからね!
うん。僕が折れたら死ぬってことだもんね。
だから、回復しながら一緒に過ごしてるんだよ?
でも、アレかな〜
シェルくんにもいいようなスキルも取っておかなきゃいけないかな?
うん。早くモンスターを倒してレベル上げたいし、死にたくないし…
僕は攻撃力アップと防御力アップのスキルを取った。どうやらスキルによってはスキルレベルもあるようだ。まぁ、レベルなのかわからんけど…
スキル一覧に攻撃力アップ2と
防御力アップ2が出てきたから、
多分、合っているでしょう!!
スキルポイントを使い切ったので、
次のレベルアップに期待ですな!