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お嬢様のこと
お嬢様のために、私は存在している。
私は、仕えることに喜びを感じ、
お嬢様が笑ってくださるなら何だってする。
覚悟ではない、当たり前の事だ。
身の回りのお世話、
雑事、厄介事、簡単な用事もすべて。
全てはお嬢様のためであり、
その為に自身が負うものは全て幸福だと思っている。
そして、私の存在価値を示してくださるのも、
当然ながらお嬢様だけなのだ。
私は何度だって嘲笑され、罵倒され、
お嬢様の意のままに辱められる覚悟だ。
……
いや、それは違う。
恥ずかしいと感じる気持ちだけは消せない、
だからいま、一つだけ嘘を吐いてしまった。
私は、お嬢様に辱められることを望んでいる。
お嬢様の気の向くままに弄ばれ、
お嬢様の声で、言葉で、指先で陵辱される。
それを幸福だと感じ、
お嬢様を以前よりも強く慕い始めている。
私は、執事失格だと思う。
だがお嬢様がそれを許してくださるなら、
許されている間は変わらずお仕えしたいと願う。
たとえ、歪んだ愛情だとしても。
お嬢様は、私の全てなのだから。




