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音楽のこと
音楽が好きだ。
狭い個室の中で大好きな音楽を流しながら、
大声で歌うのはストレス解消になる。
だが、時々ふと不安が襲うこともある。
大好きな歌詞が、音が、
まるで不安を波のように耳元に押し付けてきて、
それは鼓膜から伝わり左胸を握り締めてくる。
目を閉じて聴く音の塊から、
不安が涙となって吐き出されていく。
自分が病んでいるのが、嫌というほど自覚させられる。
優しく静かな音は、ジワジワと心を剥ぐ。
激しくノリの良いサウンドは、裸の心を刺す。
自分でも、自分が面倒な存在だなと思う。
病み止まらない心の内側には、
きっと導火線が無数に伸びていて、
けれどそのどれもが途中で火が消えるよう出来ている。
だから爆発することすら出来なくて、
けれどボクの意識とは関係無く火が点くから。
だから、不安だけが何度もやってくる。
病んだ心が音楽を求める日もあるから、
求め始めたらまた歌う。
本当は誰かに気付いて欲しいのだろうけれど、
きっとひとりぼっちの音楽は誰にも気付かれない。
気付いてもらうことすら、少しこわい。
本当に、面倒だなと思う。




