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恋愛成就

「わ……私のことを……好きとは、友達としてですよね。お父様ともあれだけ仲が良いのですし」

「いや……まぁ、あれだ。婚約も無くなっているからこそハッキリ言えるんだが……、俺は公爵と酒を交わすのも勿論好きだ。だがそれよりも毎回アエルの姿を見ていることが楽しみだった」


 全く気がつかなかった……。


「だがお前は公爵令嬢であり、貴族の人間と結ばれるのが当然のこと。いずれ誰かと婚約が結ばれるだろうと思っていたから俺は身を引いていたのだ」


 聞いていて私の顔がどんどん熱ってきてしまう。


「最初はムーライン殿だったから、アエルも幸せになるだろうと思っていた。だがあの事故によってブルラインとの婚約になってしまってからは心配だった。だからこそあれからは頻繁に公爵の家に行くようになったし、個人の行動で密かにブルラインを調査していたのだ。おかげでブルラインの悪事と非常識さも徐々に明るみになったんだがな。もうこのようなことにはならないと思うが、今回の件でハッキリと分かったんだ」


「な……何がでしょうか?」

「好きな女は、やはり自分で守っていきたいと思えた。どうだろうか、アエル。落ち着いたらでいい。俺を一人の男として見てはくれないだろうか?」


 バレンさんがそう思ってくれていたことはとても嬉しかった。

 だが……。


「わかりました」


 公爵令嬢として、勝手に付き合うなど許されるわけがない。こうアッサリとした態度で言うしかできなかった。


 本音としてはこれほど思ってくれる気持ちが嬉しいし、気軽に話しかけてくれてくれるところも良いと思っていた。


 だからこそ、もしも恋愛が許されるのなら、バレンさんとお付き合いがしたい。


「ありがとう。では公爵家まで送ろう。もちろんその後はお父さんをちょっと口説くがな」

「またそうやって……いくら仲が良くてもそればかりは許されないかと思いますよ」


「俺を誰だと思っている? アエルの気持ちを知れたら全力で動くに決まっているだろう」

「私はわかりましたと言っただけですよ」

「公爵令嬢としての発言だろう」


 私はバレンさんの言葉に押されて顔が真っ赤になってしまった。

 でも、あまり期待はさせないで欲しい。


 ♢


「そうか、アエルはバレンと一緒になるのはどう思うのだ?」

「私は公爵令嬢ですからお父様のお告げに従うまでです」


 どうせ断られてしまう。貴族としての態度を貫き通したのだが……。


「分かった。ならばバレンと付き合うが良い」

「え!? 良いのですか!?」


 私は驚いてしまい、跪いていた体勢から立ち上がりお父様の肩を両手で掴んでしまった。


「落ち着け落ち着け。元々バレンは貴族ではないにしろ、普段の功績としては国宝級だし、何よりも我が愛する娘を悪魔から守ってくれ、制裁も与えてくれた。それに、お前がそれ程の態度を取るのだから、お前の本心も分かった」


 嬉しかった。まさかこのようなことになるなんて予想していなかったのだから。


「では、お父さん、これからもよろしくお願いします」

「その呼び方はやめろ。恥ずかしいだろう」


「じゃあ、改めて……今日も飲みますブレスレット公爵? アエルの退院祝いに貴重なワインを持ってきたんで」

「それは良い! 長い付き合いになりそうだな。アエル、今日はお前も付き合いなさい」


「いえ、私はまだ飲酒できる年齢ではありません」

「アエルには好物の葡萄スパークリングジュースを買ってきたぞ」

「お供します!!」


 このジュースが好きなことも言っていないのに。

 バレンさんは私の好みまでもお見通しだったようだ。


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