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プロローグ

初投稿です。よろしくお願いします。

　ふっと目が覚めた。すぐそばで声がする。

「ああ……、わたくしの赤ちゃん」

「お二人に似ていらしてなんと可愛らしい。源氏の君の次郎君。きっと将来は源氏の君に似てお美しくおなりあそばすでしょうね」

　……源氏の君だって？　ここはどこだ。何で俺が源氏の君に似なきゃいけないんだ。

　……俺が？

　ゆっくり目を開ける。なんだか目がぼやける。体が動かない。

　俺を両脇から十二単を着た美人が覗き込んでいた。しかも右から俺を抱きながら覗いている人は、今まで見た中で1番綺麗な女性だ。

「あら、目を開けたわ」

「なんと利発そうな目でしょう」

　ここはどこだ。俺は誰だ。何でこんなところにいる？

　そう聞こうと思ったのに、漏れた声は、

「ぁ、ぁう、あーぶ、うにゃぁあ」

「あらあら、どうしたのかしら。そんなに泣かないで」

　……もしかして、俺は赤ちゃんになって、いるのか？　ライトノベルでよくある転生ものか？　にしても源氏の君って……。え、もしかして源氏物語の中？　俺、誰？

「紫の上！　大丈夫か？　子供は？」

「殿。可愛らしい男君でございますよ」

「ああ…、良かった。上も元気そうだ。この子も、とても可愛い」

　御簾をあげて向こう側から、とても華のある端麗な顔立ちの男性が入ってきて、俺を右から覗き込んでいる美人に声をかけた。

　……紫の上だって？　俺は紫の上の子なのか？　そんなはずはない。紫の上には子供はいない。

「紫の上、今日はゆっくり休んでくれ。疲れただろう。ありがとう」

「ええ、そうさせていただきますね」