桜 さくら 咲いた
昨日見た桜は
まだ ちらほらと
五輪 六輪
濃い桜色の粒の中で
そこだけ淡く明るく
まるで光が灯るようで
開いた花の輝くさまに
奪われた目は
なかなか戻ってこなかった
桜 さくら 咲いた
かたいつぼみが
陽射しを浴びて
ゆるみ ほころんでいく
桜 さくら 咲いた
あの微笑みのような
花が告げるのは
春の訪れ
冬の間
幹の中で眠っていたつぼみに
触れる温もり
おいで おいで
出ておいで
花の季節になったから
まだ 時に
風は冷たいけれど
確かに包む陽だまりに 春の香り
桜 さくら 咲いた
集まるつぼみの中で
少し気の早い
五輪 六輪
光るような笑顔に
僕は目を奪われた