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ウルスライアス清掃紀行  作者: 龍々山 ロボとみ
第一章:誕生、浄神の使徒
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挿話:鈴蘭の国のおとぎ話


 むかし、むかしの、そのむかし。


 これはまだ、世界が瘴気の霧に包まれていたころのお話です。


 瘴気とは、良くないものの元凶。

 そこにあるだけで、いろんなものに悪さをするものです。


 このころの世界は、空も、大地も、なにもかも、地中深くから湧き出す瘴気によって穢れてしまっていて、人々は瘴気に呑まれないよう、瘴気から離れ、瘴気を恐れ、互いに身を寄せ合って暮らしていました。


 瘴気によって生じた妖魔は人々を襲い、瘴気の毒は、取り込んだ者の身体をむしばみ、病を引き寄せます。


 誰も彼も瘴気に困り、苦しみ、だからこそ瘴気をなんとかしたいと、そのように思っていました。


 そんな穢れに満ちたこの世界を、見つけてしまった神様がいらっしゃいました。


「な、なんですの、この世界は――!?」


 彼女は、他の神様よりもよっぽど綺麗好きで、そして少々、我慢のできない性格でした。


 この、あまりにも穢れに満ちた世界を目にしたとたん、神様は青い髪を逆立てて怒り狂いました。


「こんな世界、ぜーーったいに許せません! 私の力で、ぴっかぴかにして差し上げますわ!!」


 この世界を、隅から隅までぴっかぴかにしてやると。


 世界を覆う瘴気の霧を、すべて祓い尽くしてしまおうと。


 誰がなんと言おうとそのようにする。と、神様はそう決めたのです。


 そして、そうと決まれば即行動。思い立ったが吉日です。

 神様は、その世界の中に首を突っ込むと、各地に目を向け人を探しました。


 自分の使徒となるべき人間を。

 この世界の大掃除を、手伝ってくれる人間を。


 探して探して探して、ひたすらに探しました。


 そしてとうとう、目当ての人間を見つけた神様は。


 そのまま、世界の中に飛び込んでいってしまいました――。


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