第13話 エルフの男の子
「ふあぁ、おっきな木。。。」
『・・・あぁ、たんやばだな…』
「??たんやば??」
『やばいってことさ』
スタート地点から10分ほど歩き、世界樹まで2kmほどの距離にきた。
肩に乗るマリンと共に、月の光に照らされた世界樹を見上げ、自然に口が開いたままになる。
歩いている途中に見たことのない虫や植物を沢山みかけた。生えている木々の根元付近にはほんのり発光する苔が群生しており、夜でも普通に歩けるくらいの照度が保たれている。
(自然の街灯だな。ふぁんたじー)
『そろそろエルフの里なんだけど、、、!?』
草むらからガサガサッと音がした。
「!?主さま。。。」
マリンが怯えたようにオレの首の後ろの方に身を隠す。
ん?
というか、きみ、レベル5万あるよね??
目隠ししても素手で天空竜とかフルボッコ級だよね?
そんな目でマリンを見つめると、
「怖いものは怖いんです!」
だ、そうだ。
音のした茂みを見ていると、
ドテッと一人の男の子がつまづくように姿を現わした。
見た目、10歳くらいの男の子だ。
綺麗な翠色の短髪、オレたちの着ているような薄緑色のエルフの民族衣装に黄色のローブを羽織っている。
「だ、だれ!?もしかしてオーク族!?オイラを食べても美味しくないぞ!!」
目を閉じて両手で頭を覆うように叫んでいる。
『エルフの子供、か。。。』
「かわいい!でも、すごく怯えてますね。。。
ボク、何もしないから怖がらなくていいですよ」
「・・・あ、あれ?同じエルフのお兄ちゃん?
あれあれ?でも黒髪のエルフなんて見たことも聞いたこともないよ!」
そうなのか?
「だいたい!ボクとはなんだ!羽妖精のくせに!オイラはお前なんかよりずっと長生きしてるんだからな!今年で999歳、来年は成人の儀だ!」
おおぅ、流石長寿と名高いエルフ族。
『ゴメンね、君。ここの里の子かな?
オレたちは遠くの地から来たエルフなんだ』
「そうなんだ!?オイラの名前はペーター=リーザ!
ペーターって呼んでよ!」
『やあ、ペーター。よろしくな。オレの名前はユウスケ。こっちの羽妖精はマリン。仲良くしてやってくれ』
「うん!よろしくね、ユウスケ兄ちゃん!マリンもついでにな!!」
「、、、ついで!?」
ムキー!という効果音がバックに出ているように見えるほどぷんぷんしながら両手を振り回しペーターの頭上を旋回するマリンを捕まえて肩に戻す。
『まぁまぁ。抑えてマリン、ね。
ところでペーター、こんな夜に暗い森に出て何をしてたんだい?』
「あ、うん。。。じつは、妹のクララが夕方に花の蜜摘みから帰る途中の道で石蜂に足を刺されちゃったんだ。石蜂に刺されたら、刺されたら部分から石になってしまうから、空に月が2回登る前までに石蜂の巣から取れるハチミツを傷口に塗らないと妹が石になっちゃう!」
『なるほどね。親には森に出るとは言ったのかい?』
「いや、言ってない。。。だって!父さんも母さんも日が昇るまで待ちなさいしか言わないし!里に石蜂のハチミツが余ってないか村中駆け回ってるし。。。クララがうなされてて可哀想だったから…」
ふむ、兄妹愛は美しきかな。
でも、流石に夜の森に子供1人は危ないな。
『よし!ペーター、オレが明日の朝イチバンで森にハチミツを取りに来てやるよ!そのかわり、この辺の森のこととか里のことを詳しく教えてくれないか?』
「ほ、ホントに??」
ペーターが途端に泣きそうになり、それを堪えている。
きっと、一人で怖かったんだろう。
『あぁ、約束だ』
「ありがとう!ユウスケ兄ちゃん!!そうだ!今日はオイラの家で泊まりなよ!寝るところもまだ決まってないんでしょ!?」
『それは大助かりだ。な、マリン』
「えぇ、お言葉に甘えます」
ペーターの話を聞いて心配そうな表情だったマリンも笑顔で頷く。機嫌は治っていたようだ。
「じゃあ、早速里に戻ろう!こっちだよ!」
ペーターの後について数十メートル程歩くと、
空間が水面のように歪む場所に辿り着いた。
ココから入るんだと言いながらペーターが胸元からビー玉大位の水晶のついたペンダントを取り出し、歪んだ空間にかざした。
途端に、音もなく空間が滝が割れるかのように開いた。
(おぉ、ふぁんたじーの連続)
「早く!すぐ閉じちゃうから入って!」
ピーターの声で我に帰り、急いで中の空間に足を踏み入れる。
太い木の幹に扉がついた家々が立ち並ぶ、町が目の前に広がっていた。
(エルフの里キター)
表現力って、どうやったら上がるんでしょう??
ぎぶみー




