第1話 魔王決戦
好きなラノベを見て、書いてみよう!と思ったのがきっかけの自己満足小説です。まったりのんびり好きに書いてみようと思います。
『フハハハハ!
よくぞここまでたどり着いた!勇者よっ!!』
我が眼前に立ち並ぶは金色の鎧に身を包み、蒼白い両刃の剣を両手に握りしめる『勇者』と呼ばれる齢16歳ほどの少女とその仲間たち。
一般的に所謂、『勇者』『戦士』『僧侶』『魔法使い』の平均的にバランスのとれた四人パーティーだ。
(うん。いいね、まさに模範的な魔王討伐隊といえる)
「魔王!今こそ、この聖剣にて汝の身を滅ぼさん!!」
威勢の良い掛け声と共に勇者が飛びかかってきた。
すかさず援護するべく僧侶と魔法使いが補助魔法を勇者に向かい放つ。僧侶からは緑の光が放たれ勇者の鎧を包み込む。防御力UPの魔法のようだ。魔法使いからは紅の光。勇者の剣へと光が纏われる。攻撃力UPの魔法に違いない。
戦士は支援パーティーに攻撃が来た時に備え構えつつ、此方の様子を伺っているようだ。
(ある程度、苦戦する戦いがいいかな。。。それとも、勇者が圧倒するパターンがいいかな?)
そんなことを考えていると、目の前に聖剣の切先が飛び込んできた。
『ほう。。。やるではないか』
我は勇者に聞こえるように呟きながら、取り敢えず初撃の一閃を紙一重でかわす。
まさに聖剣と言われるに相応しい装飾を施した刀身を見つめながら、ふと物想いにふける。
(やっぱ死に物狂いで冒険してきただろうし、呆気なく終わるのも彼等の苦労も報われないよね。。。)
正直、勇者の一撃を喰らったとしても致命的なダメージを受ける気はしない。額にある第三の目[魔眼]で彼等の戦力を確認したところ、彼等の平均レベルは70ほどだ。1番高い勇者でレベル78。
人間でいう平均的なレベルを言うと、一般市民や農民を1として、見習い兵士で5〜9、王宮騎士で15〜20、人々から強者と謳われる武人でも高くて精々40強というところだ。
これから比較しても勇者パーティーは十分な強者と言える。さぞ死線をくぐり抜けてきたであろうことは容易に予想される。
対して、我のレベルは53万だ。
あえて言おう。。。狙ってレベリングした(笑)
初撃をかわされ、体勢を整え二撃目を頭上から振り落としてくる勇者に向かい右手をかざし、拳大の魔力砲を放ち牽制、距離をとる。
くるりと宙返りをして再び剣を構える勇者と対峙しながら、やはり物想いにふける。
(夢に見た魔王決戦で、まさか魔王として立つことになるとはなぁ。。。でも、ゲームの世界に入ることができて嬉しいのが本音だな!
あれからもう10年以上経つのか。。。)