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愛されたかっただけ

作者:黒井 天心









私は、ただ…愛されたかった。
私の愛した人にただただ愛されたかった。








私、荒谷円(あらや まどか)は今年から埼玉の実家から離れて北海道の高校へ行くことになった。
家族が嫌いだから。

私の嫌いな家族は両親に双子の姉、2つ下の妹に9つ下の弟の6人家族だ。
でも、どこの家庭でもあるでしょ?
私の家もそう、家庭内での問題がいくつかあったの。
父親の暴力、母親のうつ病、姉の誰にでも股を開く軽さと非行、妹の引きこもり、弟の父親への異常な恐怖心…私は非行を少しかじっただけの体の弱い面倒な子。



[そう、本当に人生そう上手くはいかないものなのよ。
これはそういうお話。
この話はこの子、荒谷円(あらや まどか)の高校生から4年間の話。
短くて長い愛の話。
あぁ、私?私のことは…そうね、Mとでも言っておきましょうか。
さて、どんなお話かは聞いてからのお楽しみよ。

あなたはこれを聞いて人を信じられるかしら…。]










序章 新しい家族
2015/06/19 23:00
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