プロローグ
-世の中は不平等だ-
このことを考え出したのは、いつからになるだろうか?
そんなことを考えていると
ドサッ
人込みのなか誰かに肩がぶつかる。
「すいません」瞬間的に吐露してしまう。
「いえ、こちらこそすいま・・・」
ぶつかった相手も謝ろうとしたが、僕の顔のあざを見て態度を急変する。
「何を、しているんだ!こんなところで!お前らみたいな人間でもないやつがこんな所を歩いてるじゃねえ。」
敵意丸出しの目でこちらをにらみつける。
このぶつかった相手の声に周りが反応し始める。
なんでこんなやつがこんなところを歩いているんだ。
早くどこかに行って!
誰か警察を呼んで来い!
そんな罵声が容赦なく浴びせられる。
またか・・・
もう人間に期待していない。人間なのに人間に期待しないのはおかしいだろうか?
自分の心を持たない人間、周りに振り回される人間、
俺たちが一番嫌いなのは、偽物の人間。
俺たちが一番なりたいものは、本物の人間。
時は、XXXX年 人間と人間の間に不平等がある世界。
遺伝学の急激な発達のなかである研究が行われていた。
それは、生まれた胎児にある遺伝子を組み込むことで人間の限界を超えることができる研究だ。
その実験のために一つの世代が選ばれた。それが顔にあざがある僕らの世代だった。
実験は、失敗だった。どうやら適合できる子とできない子がいたようだった。
たくさんの子がその場で活発する細胞に耐え切れず生まれながらにして消失した。
あとかたもなく・・・
実験の失敗を隠蔽するために政府は、動いた。
子を産んだ親には、産んだときにウイルスが発生しその病気のウイルスで死んだことにした。
そしてウイルスの発生源を生残った僕たちに押し付けたのだった。
そのおかげで僕たちは、生まれながら人間に恨まれ 生まれながら親を知らないのだ。
俺たちは、生まれながらにして怨念・呪いを背負ってきて生まれ災害をもたらすとして、人間は俺たちを"デイザスター"と呼ぶ。