一般同志ロールプレイヤー
第1話 降りたら斬られることもあるので左右上下確認
地面に降りていく途中、ブォン!とバットか何かのスイング音が聞こえた。よく漫画であるように髪の毛がはらりと落ちる。
えっ!はぁ?目の前には皮製品の鎧のようなものを付け右手に西洋剣みたいなのを持った男がいた。なぜ、こんな森の中で皮の防具を着て西洋剣を持ってるんだ?なにかのイベントかオフ会なのか?ただ一番やばいのは今の状況だが。バットの大根切りのように真上からの追撃態勢に入っているようである。斬られるのは勘弁だ。本物か模造刀か分からんけど髪の毛が切れた時点でやばいし。斬られるのは拙いと感じた。
オレは誠意溢れるものとしてジャパニーズ土下座を敢行しつつ。
「おっタンマ、待った待った。怪しいもんじゃないです。」
土下座の姿勢から恐る恐る顔を上げると剣を持った男は動かない。追撃もしてこないがその態勢はそのままである。こちらが下手な行動をしたら斬るぞ!と構えている。男の髪は金髪で青い瞳だった。背は180あるオレよりも若干高いくらい。確実に日本人の顔ではない。
周りを見ると赤髪の男、先程の男と同じくらいの背丈で両手にはサバイバルナイフのようなものを持っている。こちらも装備品は同じ。後ろには女が2人。1人は若そうだ。10代っぽいな。身長は150くらいか。青い髪だな。映画やゲームに登場する魔法使いの格好で定番の黒いローブと黒い三角帽子、帽子を深く被っているので顔は判然としない。
両手で自分の背丈程の杖を持っている。もう1人は20代か。160くらい。細い剣でレイピアってやつかな?を右手に持ち左手に円い盾、青と白の金属製の鎧を着ている。長い金髪で鼻筋が通った落ち着いた美人さんだった。
要は外人さんが周りにいた。言葉が通じるだろうか?とりあえず知っている限りの言語で聞いてみよう。
「ハロー こんにちは、グーテンターク、アンニョンハセヨ、ナマステー、サンキューサンキュー、ぺらぺーら、ペラペーラ・・・って言うのは違うか。これは適当じゃないよなぁ。ええと言葉、通じますか?」
「なんだ。敵意はないのか。」
と目の前の男
「これっぽっちもありませんよ。あれ?通じるのか。」 オレはブンブンと首を振って応えた。日本語が分かるのか良かった。その安堵感から男に話を聞いてもらおうとした。
そんなに顔を寄せてくるな?臭いし怖いから?って酷い。 臭いのは丸1日、森の中を走っていて転んだりしたので仕方ないですよ。怖いのは深夜、動物の唸り声や何かを食べる音と同時に悲鳴めいたのが時々してましたから眠れませんでした。まぁ安全面を考えて木の上にいましたが。
そのお陰であなた方がこの木の下を通っているのを発見したんですがね。天の助けと思い急いで降りてきた次第です。と説明と弁解をした。
~~~簡単な自己紹介後~~~
「私と同じ状況に陥ったらテンションがハイになるのも致し方ないと思います。」
「それに斬りかかってくるのはよくないと思います。」
「すまん。お前が木から降りてきたので魔物だと思った。攻撃される前にやっちまおうと思ってなぁ。ハッハッハッ。
当たらなかったし良かったじゃねぇか」と笑う剣を担いだ男。
憎・・バカか。かすったわ。そんなゴツい大剣が当たってたら死んでるからっ。それと魔物ってなんだ?オフ会でコスプレしてロールプレイもどきのなりきりか?
「それにしてもよ。お前、こんな森の中で何してたんだ?」
と私に斬りかかってきた戦士のなりきり中であるジテンさん31歳
「そうだぜ。こんな危険な森で武器も防具もなしなんて自殺行為だぜ。」
とは盗賊なりきり中のパラシュ君22歳
「斬られなくて良かったね。」
とは妹系魔法使い風な猫耳付けた。笑顔が可愛いルンちゃん16歳
「うむ!」
と言うのがエルフ中のモルモルさん324歳突っ込み待ちなのだろうか。ここは敢えてスルーしておくのが優しさだろう。
「ははっ。しかし皆さん生粋のロールプレイヤーなんですね。」
「ロールプレイってどんな意味だ?」
とジテンさん
ノウキンか。それともこれもロールプレイの1つか?
乗るか。ロールプレイならオレはさしずめ冒険者パーティーに保護されたモブキャラAだろうなぁ~。
「ジテンさん、ロールプレイというのは同じ志を持った人が集まり目的を遂行する事です。」
「ふーん。それなら俺たちはロールプレイヤーだな。近くの街までなら送ってやるよ。」
素直に送ってもらおう。
初投稿です。
見苦しい部分もありますが宜しくお願いします。