Episode1-2 召喚獣の召喚獣による召喚獣の為の大騒動
自主規制注意ww
そんな青年の態度や感情変化などお構いなしに、少女は笑顔のまま続ける。
「では、ご主人様。さっそくユイ様のもとへ参りましょう。ユイ様はただ今、リビングでお食事の準備をされています」
「あぁ。そうですか……って、オレがそんな簡単に従うと思うなよ! 今は……ダメだ。無理。無理、無理、無理。今姉貴に会えば、オレはもう起きたくても起きられない永遠の眠りにつくから」
青年は恐ろしげに身を震わせ、自分の身体を抱きしめるように身体の正面で両腕を交差させた。
「……そうですか。しかしユイ様曰く〝もし行きたくないなどと言えば、部屋に押しかけて手前の【自主規制】を【自主規制】とともに【自主規制】で【自主規制】な【自主規制】にして、さらに【自主規制】は【自主規制】の【自主規制】が【自主規制】だからな! 覚悟しておけ、このクソ馬鹿弟!〟だそうですが、どういたしますか?」
可憐に微笑み続けている美少女召喚獣の口から大変品のない言葉が飛び出し、その顔と言葉のちぐはぐさに青年は唖然として口をポカンと開けていた。
何を勘違いしたのか、沈黙を了解と捉えたらしい少女はさらに笑みを顔いっぱいに広げて悪魔の様な言葉をはく。
「分かりました。ご主人様はリビングへ行きたくないと言っていると、私からユイ様へお伝えしておきます」
「だぁぁぁあぁぁあぁぁぁッ! 分かった! 行く。行きますって!」
召喚獣の言葉ではっと我に返り、血相を変えて必死に返答の言葉を紡いだ。青年の言葉に、少女は笑みを浮かべたまま頷く。
「そう、ですか。ところで【自主規制】や【自主規制】などは、一体どういう意味なのですか? ご主人様の意見を覆すほど、それはすごいものなのでしょうか?」
「え? えぇぇ……」
青年はニコニコと笑い続ける少女に対して、額から冷や汗を流した。僅かに顔を引きつらせている青年を見、少女はきょとんと小首をかしげる。
「……ご主人様?」
「はっ!? え、あ……。そこ、オレに説明させないでください……」
青年はげんなりと顔を俯かせ、「そうですか……」と訝しそうな表情をした少女が答える。
「では。私は先にリビングへ行かせていただきます」
「あぁ。分かった……」
すっかり姉の言葉に老けこんでしまった青年は視線を上げないまま、ボソリと言葉を落とす。青年の返答を確認した少女はひらりと身をひるがえし、入口の木戸を後ろ手に閉めながら廊下へと出て行った。
今回短くて申し訳ないですorz
切りの良いところで終わりたかったもので……。
さらにピ―――とかバキューンとか五月蠅くてごめんなさいww