[1] 片付けの魔境
女子棟の3階に住む9人の女子の日常!何気ない青春を過ごす彼女達は今日ものんびりペース。
天ヶ崎学園は、全寮制の中高一貫校。
寮は男子棟と女子棟に分かれ、団地のように何棟も連なっている。
これは女子側のF棟の3階に住む、女子9人の物語である。
相「おはよ〜」
3-2号室のドアをノックしながら相田美優は言った。
相田美優は3-1号室の住人で、3階住みの女子9人のお姉さん的存在である(あだ名はミュー)。
成績優秀で、人にも親切にできる。
だが、彼女は重度の綺麗好きで、部屋は気持ち悪いぐらい片付いている。
相「ナナー!起きなさーい!土曜日だからってなまけちゃダメよ!」
返事が返ってこない。これはシカトしてるパターンだ。残念ながらこのパターンは慣れてる。
ドアを軽く開けて、入室。
ベッドの中でこっちとは反対の方向を向くナナの布団を掴み、ガバっ!と取る。
ナナ「んにゃーーーー!」
山「あははっ!またやってるよー!」
笹「いつも懲りないわね〜ナナちゃんも」
村「ナナもミューも仲良しね〜」
3階の中心にあるリビングで、和田が作った朝ごはんが並ぶ。
和「はい、お待ちどーさま」
和田夏樹は3-8号室の住人であり、料理が得意だ。
彼女の作る料理は絶品であり、研究されつくしている。ただ、ストイックな性格で、買い物と料理に休日を費やしている(あだ名はツキ)。
山「今日も美味しそー!流石ツキちゃん!」
山田香里奈は3-9号室の住人。わんぱくで元気いっぱい。愛されキャラで、泣き虫(あだ名はカリン)。
笹「ほんといつもありがと〜ね〜ツキちゃん」
笹野歩美は3-5号室の住人。ゲームが大の得意で、フォロー3万人のゲーム配信者「Yuu」としての一面も持っている(あだ名はユー)。
村「いつもホントに助かってるわ〜」
村雨碧は3-7号室の住人。大体ダメダメだが、身長と胸が大きく、包容力がある。そして性格が女神(あだ名はアメ)。
輝くトーストを食べ終え、4人は2人の様子を見に行った。
カリン「あれー!まだやってるよ!」
相田が烏谷の部屋をあさっていた。
ナナ「ねーマジで良いじゃんか片付けなんてさー」
ミュー「良くない!アンタの部屋ごちゃごちゃすぎ!」
烏谷菜那は3-2号室の住人である。ガサツな性格で、部屋は散らかしっぱなし。地味にバスケ部の副部長だったりする(あだ名はナナ)。
ミュー「皆んなも手伝って!お願い!」
こうなったミューを止められないことは皆んな知ってるので、渋々手伝う4人だった。
カリンは部屋のゴミの山に手を突っ込んだ。そして何かを掴み手を引き抜く。
カリン「うわっ!この下着いつのやつー?」
ナナ「多分2日前ー」
カリン「聞かなきゃ良かった」
アメが別のゴミ山を上からあさってく。そして1枚の紙を見つけてナナに質問する。
アメ「ねー、この課題提出期限すぎてない…?」
ナナ「あーうちの数1の先生ボケてるから大丈夫ー」
ツキは入り口付近の物を整理している。本棚にマンガを収納していく中で、ナナに質問を投げる。
ツキ「マンガの1巻見つからないんだけどー!」
ナナ「あーそのマンガの1巻買ってないんだよねー」
ユーは窓側の机の上を整理していた。するとある物を見つける。
ユー「なんで机の上に靴があるのよw」
ナナ「なんでだろー分かんないやー」
そんなこんなでナナの部屋を整理して、1時間近くかけてやっと綺麗になった。
ミュー「これに懲りて、2度と汚さないでよね!」
ナナ「ふぁ〜い」
こんなやり取りが、ここ最近毎日行われているのであった。
ナナの片付けを毎日してるなら、2日前の下着はどうやって今まで発見されずに済んだのだろうか。