オプスキュリテの日
唐突だが、今日はオプスキュリテの日である。オプスキュリテの日とは、月に一度、リトが私を独り占め出来る日のこと。リトが孤児院に入ってきた日の日付。他の子供達の日ももちろんある。
「リア様ー!」
「リト!」
「お待ちしておりました!今日は僕の日ですよ!」
「ええ、覚えているわ。大好きよ、リト」
「嬉しいです、リア様!僕もリア様が大好きです!」
リトのこのキラキラした目がとても好き!
「今日は何をして遊ぶ?それとも、一緒に勉強する?」
「もちろん一緒に勉強したいです!また僕に魔法を教えてください!」
「本当にリトは勤勉ね」
「はい!少しでもはやく自立して、リア様のお役に立てるようになりたいです!」
努力家で健気、なんていい子なの!
「あらまあ。私のことはいいのよ?それに、自立なんて今から考える必要ないわ。貴方はずっと、十六歳になるまでここにいていいのよ」
「ありがとうございます、リア様。そんなリア様だから役に立ちたいのです」
「あらまあ。うふふ」
「では早速お願いします!」
「ええ」
リトに早速魔法を教えます。生活インフラ的な無属性魔法はこれまでに教えてあるので、これからはリトの属性に合わせた魔法を教えようと思います。
「じゃあ、無属性魔法はもう卒業したから、属性に合わせた魔法を学びましょうか」
「!ありがとうございます!」
リトの目がキラキラと輝きます。
「じゃあ、まずは属性を判定しましょうか」
「はい!」
リトの属性を、手持ちの水晶を使って測る。
「リトは闇属性の魔法が使えるみたいね」
「闇属性…幻覚とかを使える魔法ですよね?使えますか?」
「ええ、もちろんよ。幻覚を使ってマジックショーを行うことも出来るし、病気でもう助からない人の苦痛を取ってあげることも出来るわ」
「病気の人の苦痛を…。確かに、使えそうですね」
「ええ。早速覚えていきましょう。といっても、私は風属性魔法しか使えないから、教科書通りのことしか教えてあげられないけど…」
「充分です。ありがとうございます」
ということでリトに魔法を教えます。教科書通りに順序だてて説明して、ゆっくりと闇属性魔法を習得していきます。
「じゃあ、今回はここまでね。リトはすごいわ。飲み込みが早いわね」
「ありがとうございます!リア様のおかげです!」
こうしてオプスキュリテの日は無事に終わりました。今日もリトが可愛くてとても心がほっこりしました。
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