楽しい誕生日会の後
「兄がどうかしましたか?」
「その、還俗してリア様と結婚しないかとお話しをいただきまして」
「え」
なんだそれ、聞いてない。
「聞いていらっしゃらなかったのですね」
「は、はい…ジェネラス神父様、兄がごめんなさい。ご迷惑をおかけしました」
「いえ、迷惑ではありません…その、よろしければお話しをお受けしたいと考えていまして」
「え」
ジェネラス神父様は自分の手を自分で撫でながら言う。
多分緊張しているんだろうとわかる。
「その、私はどうせ教会からお払い箱にされた身です。還俗しても問題ありません。孤児院も責任者が必要だろうと寄越されただけで、民間人でも責任者になれますから運営は続けられますし還俗のデメリットなどありません」
「そ、そうです…か?」
「ええ…その、リア様がよろしければ、なのですが」
頬を染めて言うジェネラス神父様。
私は…。
「とりあえず、兄と一度話します。その後お返事させていただきますね」
「ええ、その、できれば…」
ジェネラス神父様は照れた様子だが私の手を取る。
「良いお返事をいただければ、幸いです」
これはどうしようか。
確かに家にとっても私にとっても、悪い話ではないのだけど。




