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カインドの誕生日

秋も半ばに差し掛かり、カイの誕生日が来た。


カイの誕生日会をみんなで開く。


みんなで口々にお祝いの言葉を送る。プレゼントも渡した。


「カイ、お誕生日おめでとう!」


「…ありがとうございます、皆さん」


ぎこちなく微笑むカイ。


そこには何かしらの不安や迷いが感じられた。


「…リア様、みんな。聞いて欲しいことがあります」


「なにかしら」


「僕は…みんなに嘘を吐いてきました。僕の正体は、失踪したアルファ男爵家の次男です」


カイの口から語られたのは、とても悲しいお話。


家のための生贄になりそうになって逃げてきたこと。


弟がおそらく生贄にされただろうこと。


その懺悔。


全てを語り合えると、カイは泣き出した。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…今まで、本当にごめんなさい…」


「カイ…」


すると、いつも引っ込み思案なミーが私より先にカインドを抱きしめた。


「か、カイ。よく話してくれました。僕はカイの味方ですっ」


「俺もカイの味方だぜ!」


「俺も俺も!」


「俺も味方だし」


「僕らが今更カイを見捨てるわけないでしょ」


「みんな…」


ミーに抱きしめられるカイの頭をジェネラス神父様が撫でる。


「私ももちろん、カイくんの味方ですよ」


「私もよ、カイ」


「…ぁああああっ」


泣いて泣いて、そのまま眠ったカイ。


お顔を綺麗に拭いてあげて、今日はみんなで広間でカイを囲んで寝た。

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