両親と兄
今日は久しぶりに両親と食事をともにします。
どうも両親は早く私に落ち着いて欲しいようです。
「リアちゃん。孤児院の子供達を大切にするのはいいけれど、貴女もそろそろ将来について考えなきゃね」
「んー…婚約者が必要なのはわかりますけど、まだ待っていただけませんか?まだ、子供達と戯れていたいのです」
「それならいっそのこと、あのジェネラス神父様はどうかな?彼は年齢も一個上で歳も近いし、見目もいい。おまけにストレイシープ侯爵家の次男だしね。還俗してもらって、二人で孤児院を経営するとかさ」
「もう、お父様。ジェネラス神父様は神に仕えるお方ですよ。還俗なんて、滅多なことを言ってはいけません」
「そうか。残念だなぁ」
「残念ねぇ」
もう、お父様もお母様も心配する気持ちはわかるけど…神父様まで引き合いに出すなんて。
「それより、お兄様は?」
「あの子はまた領地経営に没頭して部屋に閉じこもっているよ」
「あの子にも早くいい人を選んであげないと、このまま独り身になってしまうんじゃないかしら」
「私達は君達二人が心配だよ」
「もう。過保護過ぎますわ。まあ、お兄様は確かにちょっと心配ですけれど…あれで私の二つ上だなんて、信じられませんわ」
両親は貴族には珍しい恋愛結婚だったので、私たち兄妹にも婚約者は作らなかったが…裏目に出たかも?
「私達からすれば似た者兄妹だけどねぇ」
「ええ、そうですわよねぇ」
「ええ…そうかしら?」
まあともかく、緩いうちの両親は、なんだかんだで私とお兄様のわがままを許してくれるのです。




