オプスキュリテへの想い
今日はオプスキュリテへの想いを綴ろうと思う。
彼は、孤独でした。
リトは娼婦を母に持っていました。母親の所属していた娼館から、父親はおそらく貴族か豪商。母親はとても世渡り上手な人だったようです。もし、リトが望むのならこのゴッデス家の名に賭けて必ず父親を探してみせますが、リトは父親を知りたくはないようです。恋しさは感じておらず、むしろ恨んでいる様子です。
遺品の日記を見る限り、母親はリトをとても愛していたようです。ですが、娼婦という仕事柄、昼夜逆転していたためリトとの時間を持たなかったようです。リトは、母親からの愛情を諦めていたようです。見事にお互いの想いがすれ違っていたようです。リトには大きくなったら…十四歳を過ぎたら遺品の日記を見せるつもりです。今は、見せたらきっと耐えられないでしょうから。母親からの愛情を否定することで母親が亡くなった事実をようやく受け入れられているようなので。
そんなある日、リトのところに強盗が入りました。母親は、リトをクローゼットに匿い、自分は殺されたようです。…リトを、守ってくれて本当にありがとうございます。こうなる前に、私がなにかしてあげられればよかったのですが…。残念ながらリトと会ったのはリトが母親を亡くしてから。…悲しいことです。
リトは母親の言いつけを守って、クローゼットの中でじっとしていたようです。その後、母親の遺体を見て泣いてしまったといいます。ですが、本人はなぜ自分が泣いているのかわからなかったようです。母親の愛情を否定して、自分の母親への恋しさを否定して、それでようやく自分を保っている小さな子。私は、今はわからなくていいのよと言ってあげるしか出来ません。私の無力さが、情けなくて泣きたくなります。いつか、受け入れられる歳になったら、リトと一緒に共同墓地にいければいいと思います。
そして、身寄りのなかったリトは我が孤児院、チャイルドパラダイスの最初の子供として引き取られました。
リトは最初、孤児院に対してあまり良くないイメージを持っていたようです。かなり警戒していました。まあ事実、ほとんどの孤児院では手に職をつけるためと言って強制労働を敷いたり、食事を抜いたり、暴力を振るう場合もあるようですから仕方ありません。
ですが我がチャイルドパラダイスでは、暴力もなく、一日三食おやつ付きです。調度品もきちんとしたものを用意していますし、仕事もありません。代わりに、勉強を教えています。ジェネラス神父様も優しいですし、私はチャイルドパラダイスの最初の子供であるリトを猫可愛がりしていました。
それがよくなかったのでしょうか?リトは心を開いてくれましたが、代わりに私に依存するようになりました。
でも、可愛いからつい許してしまうのです。
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