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ガードの想い

俺は素直になれない。


俺はガード。流行病で両親を亡くした。俺の村の連中は、流行病で両親を亡くした俺を病原菌のように扱った。俺はそれが辛くて、街の方に逃げ出した。


歩いて、歩いて。そうして、チャイルドパラダイスという孤児院の前で倒れてしまった。孤児院の神父様が俺を助けてくれた。神父様には頭が上がらない。


しばらく隔離されたが、病気が移ってないことを確認されてからそのまま孤児院に引き取られた。


そこには五人の子供達がいた。みんな孤児だというのに幸せそうに笑っていた。俺は、どうにも馴染めなかった。


そんなある日、公爵家のご令嬢が俺を無理矢理遊びの仲間に加えてきた。リアだ。リアの強引な仲良し作戦に、俺はすぐに気付いた。ありがたく思ったけれど、俺は素直になれなかった。リアに冷たい態度をとってしまった。リトには後で腹を殴られたけど、リアは許してくれた。


そのうち俺もチャイルドパラダイスに馴染めるようになり、笑えるようになった。そんなある日、夢を見た。亡き父と母の夢だった。


起きて、ぼろぼろ泣いた。朝食もとれなかった。そんな時リアがバリケードを張ってあったドアを体当たりで強引に開けて、入ってきた。


そうして、抱きしめて、頭を撫でてくれた。そこでも俺は素直になれなかった。ほっといてくれと言ってしまった。それでもリアは抱きしめてくれた。


その日から、リアは俺の想い人だ。こればかりは自分が素直な性格でなくてよかったと思う。だってリアは公爵家のご令嬢だ。叶いっこない願いだ。だから、俺は素直になれない。ならない。それでいい。

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