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カインドの想い

僕は、はやく貴女の役に立ちたい。


僕はカインド。平民の子…だと思われているけれど、実はアルファ男爵家の次男だった。内緒だけど。


アルファ男爵家は、歪な家系だった。長男を完璧な跡取りにするために、悪魔に次男を生け贄として捧げる風習があった。そして僕は次男。僕は自分の役割がわかっていた。


…でも、土壇場で怖くなって、隙をついて逃げ出した。三男である弟を置いて。そんなことをしたら弟がどうなるかなんて、わかりきっていたのに。


父も母も兄も、特に僕に執着することはなかった。三男である弟がいたから。僕は走って走って、チャイルドパラダイスという孤児院にたどり着いた。家のことは伏せて、平民の孤児として引き取られた。それからしばらくして、アルファ男爵家の次男が行方不明に、三男が事故で亡くなったと聞いた。僕は震えた。今更、弟を置いてきた罪悪感に支配されて。


僕は不眠症になった。そんなある日、昼にリア様が僕を抱きしめて添い寝してくれた。その日は何故かよく眠れた。それから、リア様を意識するようになった。


僕はリア様に恋をした。この恋は絶対に実らない。それにいつか僕には罰が下るだろう。だからせめて、それまではリア様の役に立ちたい。そのために、リア様が大切にされているこのチャイルドパラダイスに恩返しをしたい。

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