蛍
今日は子供達と蛍を見に行く。
「ジェネラス神父様。こんな暗い時間に子供達と神父様まで巻き込んですみません」
「いえいえ、子供達も貴女と蛍を見るのを楽しみにしていましたから。むしろお礼を申し上げます」
「まあ!子供達が?楽しみにしてくれているなら良かった」
「では行きましょうか」
「ええ。みんなー!準備は出来たー?」
子供達を見れば、準備万端。
「うん。リア。虫除けスプレーは使ったよ」
「ガード、リア様を呼び捨てにするな!」
「ちゃ、ちゃんと夜風に当たっても大丈夫なようにカーディガンも羽織りました」
「懐中電灯も持ちましたよ」
「準備は万端!」
「早く行こうぜ!」
子供達に急かされて孤児院を出る。
やってきたのは近くの川。早速蛍の大群を見つけた。
「…!すごいな」
「美しいですね」
「ミー、そんな隅にいないでこっち来い。綺麗だぞ」
「う、うん、テッド。…うわぁ、本当に綺麗だね」
「一匹くらい捕まえちゃだめか?」
ティザーが蛍を欲しがるけれど、リトが止める。
「可哀想だからやめてあげなよ。優しいリア様が悲しむ」
「お前の判断基準っていつもリア様だよな」
「当たり前だよ」
みんな思い思いに楽しんでくれているようで良かったです。
「綺麗ですね、リア様」
「そうですね、ジェネラス神父様」
本当にとても綺麗な光。みんなを連れてきて良かったです。
「リア、もうちょっとこっちに来なよ。綺麗だよ」
「だからリア様って呼べよー!」
「リア様。蛍がとても綺麗ですね。連れてきてくださってありがとうございます」
「どういたしまして」
「リア様!僕も楽しいです!ありがとうございます!」
「どういたしまして、リト」
「そ、その…俺からも、ありがとう」
「どういたしまして、ガード」
蛍も綺麗だけど、やっぱりみんなの方が可愛いなぁ。
「リア様はもう何回か見た事があるのか?」
「いいえ。実は初めてみるの。こんな時間にお出かけなんて初めてよ」
「そっか。これからは毎年ずっと一緒にみような」
「ええ、もちろんいいわよ」
「り、リア様、ありがとうございます。大好きです」
もう、どうしてこんなに良い子達ばかりなの!
「うふふ。私も貴方達のことが大好きよ。ありがとう」
「ぼ、僕も大好きです!」
「うふふ。大好きよ、リト」
「よっと…リア様、蛍が手の中で光ってるぞ!」
「えっ、いつの間に…まあ、綺麗ね」
手の中の蛍はとても儚く光る。
「ふふん」
「あまり遅くなると危ないですから、この辺でやめておきましょう」
「はい、ジェネラス神父様。みんな、帰ろう」
名残惜しいけれど今日はここまで。
「はーい」
「名残惜しいですね」
「続きはまた来年な!」
「また、みんなで来れるでしょうか…?」
「はは、当たり前だろ!」
「少なくとも僕はリア様と一緒に来るよ」
こうして蛍をみんなで楽しんで帰れました。
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