表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

比較的最近更新した短編のまとめ場所

青の遺跡と水を使う魔法使い

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あるところ、とある遺跡の中。


 青の遺跡ブルーフォースの中。


 一人の少年が住んでいた。


 




 少年の名前はアオという。


 水の魔法が得意で、水を操る事ができた。


 毎日遺跡の中の魚に餌をやり、小さな鳥の世話をしながら過ごす。


 たまに人里に向かっては、薬を処方して、人々からお金を得て、それだけの繰り返しで生活していた。






 アオは孤独の身だ。


 家族はいない。


 意識が芽生えて、最初に見たのは野良犬だった。


 アオは、自立できるまでは泥にまみれた犬達に育てられた。







 そんなアオには使命がある。


 ブルーフォースと名付けられたその遺跡を守る、という使命が。


 その使命は、何もない人生を送るアオの支えになった。


 犬に育てられたアオは、今さら人の生活には交じれない。


 そんな疎外感を感じていたから、人の役に立つその使命を誇りに思っていた。


 何千年の前から、その遺跡にはたまに人が訪れる。


 しかし、まだアオの代では訪れていないからーー。


 いつか誰かが来るその時までアオは、遺跡を守らなければならならなかった。


 盗賊や、害獣を内部へ入れないようにと思い。


 アオは、戦い方も身に着けてきた。






 ブルーフォースは、とある神様へ祈りを捧げる神聖な遺跡だ。


 世界の力を、向上させてくれる素晴らしい場所。


 その遺跡の力は多くの者達に役立つだろう。


 しかし、その遺跡の力を引き出すには、アオではなく、巫女とよばれる存在が必要だった。


 だから、巫女が現れるまで、遺跡を守らなければならなかった。


 その世界は、様々な災厄で満ちている。


 疫病の蔓延や化け物の存在。


 人々はみな、生き残るのに必死だった。


 だから、一刻も早く遺跡の力が解放されるようにと、願われていた。







 そんな中、毒の化け物が遺跡を襲った。


 アオはその化け物から遺跡を一生懸命守ろうと戦ったが、毒を受けて倒れてしまう。


 水の魔法で毒を薄めても、力が強すぎてかなわない。


 自分がいなくなったら、誰がこの遺跡を守るのか。


 アオは奮闘し、自らも瀕死の重傷を負いながらも、化け物にとどめをさした。


 化け物は倒れたが、アオは死にゆく運命だった。


 これから遺跡を守るものがいなくなってしまう。


 と、不安に思ったアオだったが、そこに巫女がやってきた。


 どうにか寿命を終える前に、巫女と出会えたアオは、その巫女に遺跡を管理するための後任を探すように言葉を託してから、この世を去った。






 巫女は頷き、遺跡の力を解放した。


 世界がより良くなるように、疫病の影響をおさえたり、化け物の発生を少なくしたりした。


 めったに外に出ないアオは、世界などあまり知らなかった。


 アオは、世界が滅亡寸前までいっていた事を知らない。


 ただ、自分の役目を果たす事ができたのが、それだけが満足だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ