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市内RPG  作者: ユーハク
3/10

③市役所

福井丘県子郡市に住むフツウの高校生が、市役所で勇者登録して、魔王討伐に挑む。ゆるーいファンタジー冒険物語。

ばくらは、9時に子郡駅前集合することにした。


家を出ようとすると、母が言った。

「こんなに早くから、バイト探し?」

「まあ、そんなとこ。行ってきます」


ヒラはもう駅に来ていた。

「説明会は市役所の第3会議室であるってよ。15歳以上ならいいらしいよ。」さすが、ヒラだ。情報を集めたらしい。

「たくさん集まるのかな」ぼくが尋ねた。

「さあね。まあ、行ってから決めればいいさ。」

話していると、ヤスが来た。

「さあ、行こうか。」


子郡市役所は駅から歩いて10分のところにある。レンガ造りの3階建て。ぱっとしないただの四角い建物。エントランスは暗くて、心細くなる。案内所に、礼儀正しいおばさんがいて

「説明会は2階の第3会議室であります。会議室に受付名簿がありますから、記入をして、時間まで中でお待ちください」と丁寧に対応してくれた。


これまた暗い階段を登ると、蛍光灯の光が弱々しい廊下があって、その突き当たりが第3会議室だった。それは、ちょっとしたダンジョンを思わせた。


「魔王討伐説明会」

縦書きで書かれた紙が部屋の入口の壁に貼られていた。


40名ほど入れそうな部屋に長机がロの字型に配置されていた。ぼくらは、受付名簿に名前を書いて、入り口に近い後ろの方に3人並んで座った。だれも来てないらしい。


9時30分に、廊下を歩く足音がスタスタ聞こえ、ギィッとドアが開いた。男が二人入ってきた。一人は小柄で痩せたおじさん。40代、黒縁メガネ、鼻が大きく、アゴは小さい。分厚い青いファイルを抱えている。ちょっと偉そう。もう一人は背が高く、こちらも痩せてメガネをかけている。


背が高い方が「おはようございます」と爽やかに挨拶をした。

「おはようございます」ぼくらも返した。


背が高い方が「環境推進課の尾林です。説明をいたします」とゆっくり丁寧に言った。

もう一人が「環境推進課長の池木下です。よろしくお願いします」と言った。


「今回は3名のようです。さっそく始めます」

尾林さんが受付名簿を見ながら言った。どうやら、魔王をやっつけようと考えたのは、ぼくらだけだったようだ。


大丈夫かなぁ。のこのこ来たのは間違いだったかもしれない。そう思った。

次回、「④魔王討伐説明会」に続く。

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