表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
市内RPG  作者: ユーハク
2/10

②仲間

福井丘県子郡市の高校生が、魔王討伐のために、ゆるーく冒険する物語。

ぼくの冒険は、回覧板から始まった。

ぼくは、二師鉄電車と二師鉄バスに乗って、お隣の市、来目市にある明仙高校へ通っている。夏休みなのに、補習があるなんて最悪だ。進学校だからしかたないが、つまらない。


大穂駅からヤスが乗ってきた。

「おはよう」

「おぃーす」

ヤスのテンションは朝はこのくらい。いつものことだ。本人曰く、低血圧らしい。ひくいテンションのヤスとはなかなか盛り上がれない。無言で、電車に揺られている。ぼくらは電車の一番前に乗る。混まないし、乗客の先頭にいるということは何かうれしい。


次の足坂駅からはヒラが乗ってくる。いきなりヒラが尋ねてきた。

「おはよう。ねーねー、魔王のこと、知ってる?」

ヒラとはなかなかウマが合う。以心伝心ってことが時々ある。

「うちに回覧板が届いててね。魔王を倒したら、懸賞金だってよ」とヒラ。

「それ、見た。でも、誰か倒すでしょ」とぼく。

「いやいや、それを言ったら終わりでしょ。誰かじゃなくて、ぼくら。」

「ぼくら?それに、オレも入ってる?」ヤスが尋ねた。

「もちろん、この3人さ」ヒラは嬉しそうに言った。


「説明会が市役所であるらしいから、明日行ってみようぜ」

あれ、バイト探さないといけないけど。ヒラの強引さにぼくもヤスも逃げられなくなった。


明仙高校は、古い学校だ。ぼくらが住む子郡市の隣、来目市にある。来目市はなかなか都会だ。来目駅は子郡駅には止まらない特急電車が止まる。ぼくらは、来目市の友達からは少しバカにされる。まあ、よくある故郷自慢。どっちが都会か取り留めもないのだが。

「あら、今日もギリギリだったわね。子郡は遠いから、大変ねー」

同級生のカナだ。来目市在住。

「カナは来目の端っこだろ。そこは来目じゃないらしいぞ。」

「そんなことないもん。子郡よりは都会だから」

「それはどーだか。そんな田舎には行ったことないから、わからんわ」


カナとしようもない会話をしてたら、高山田先生が来て、数学の補習が始まった。


「あーあ、やっと補習が終わった。帰ろうぜ」ヤスが言った。

「補習は今日までだし。丁度よかったね。明日、9時30分に市役所だから。」ヒラは忘れてなかった。

「じゃ9時に子郡駅前集合で」


まあ、説明会くらいなら、話のネタになるかな。

次回③市役所。お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ