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三田屋(さんだや)さんの牛すじ肉

作者: GONJI

それはとある冬の寒い日、ふとどこかへ行きたくなった

行方不明とかじゃないですよ!

しいていうならドライヴしたくなったということです

朝の7時に車に乗り大阪市内の我が家を出発しました

最初はどこかへ行くという目的もなかったのですが、三田屋さんの牛すじ肉が美味しいらしく大人気で朝から並ばないと買えないということを思い出したのです


さて、ここで多分京阪神の方以外は三田屋さんをご存じないかもしれませんので勝手にご紹介させていただきます

これが・・・そうなんや!ということになっていることを調べている今知りました

「三田屋さんってステーキハウスやんなぁ」との認識しかなかったのですが・・・

5人兄弟で4社に分裂していて資本提携関係もないということらしいです

そこから考えると私がその時に向かっていたのは四男さんが創業者の株式会社三田屋本店さんのそれこそ三田市にある三田店(本店)やすらぎの郷でした

三田市の場所ですが北は篠山市、東は宝塚市、猪名川町、南は神戸市、西は加東市、三木市に接しているそうです

そう言いながら大阪人の私でも兵庫県のこの辺りの場所の説明は非常にしにくいですね(笑)


さて、ドライヴに話を戻しますがナビをこの場所に設定して、阪神高速道路に乗りました

休日のこの時間帯は空いているんですね

松原線から環状線に入り空港線へ極めて順調でした

左手に伊丹空港が見えてきて飛行機の姿も見えました

飛行機を見るとなんかワクワクするんですよ

そして阪神高速道路空港線の先端まで行ったら、そのまま直進して久しぶりに中国自動車道に乗りました

宝塚を越えて風景がどんどん山間になってきます

そしていつも悪態をついてしまうサービスエリアの辺りまできて、その日も悪態をつきました

そのサービスエリアとは西宮名塩にしのみやなじおなのですが、どういう悪態か?といいますと

「なんでここが西宮市やねん!」

ということです

西宮市と言えば甲子園球場があり浜風の影響で打球がどうのこうのと言われる海沿いのイメージなんです

それがこんな山の中まで西宮市だとは想像できない・・・ということです

また、この西宮名塩と宝塚間はいつもおなじみの渋滞区間なのですが、この日は極めて順調に進みました

ただ、中国自動車道って基本的に山の中ばかり走っていて風景が単調なんですよねそしてしょっちゅう渋滞が起こる・・・これがあまりここを使わない理由です

さて、最寄りの神戸三田インターチェンジで高速道路を降りると、ニュータウンが開けていました

そしてなんと道路脇には積雪が残っていました

「やっぱり寒いんやねぇ」

ついに目的地の三田屋本店やすらぎの郷に到着しました

午前8時過ぎでした・・・

大きな駐車場には入ることができました

当然この時間では開店の気配すらないし、駐車場も私の車だけでした


外からこの店には横に大きな能舞台が併設されているのが見えました

このことでも有名なお店だそうです

それとシャッター付きの大きなガレージがあるのですが、その時はまだシャッターが閉まったままだったので、その時はふ~んとしか思いませんでした

さて、店の入り口に向かうと扉の前に張り紙がしてありました


今日の牛すじ肉の販売は10時半からで数量は21個です(お一人様3個までとさせていただきます)


10時半からか・・・それも21個限定で1人3個までとなると7人で終わる時もあるということか・・・

私はその今見た情報以外は何も持ち合わせていませんでした

一体1個がどれくらいの量でいくらなのか?全く知らないままそこにいました

2時間か・・・

そう思いながら店の入口の前にて独りぼっちで並んでいました

こんな早い時間から誰も来ないよなぁ・・・寒いよなぁ

そう思っていたのです

ところが9時前からポツポツと車が駐車場に来だしたのです

ただ、並んでいるのが私一人なので、暫くは誰も車から降りて来ませんでした

また、降りてきて張り紙を見て車に戻って行く人もいました


9時半ごろから、誰かが降りてきて私の後ろに並びに来ました

それを見た他の方たちも今度は我先にと車を降りて並びに来ました

2人・・・3人・・・

あっという間に7人になりました

でも一応その後ろにも数人並んでおられます


私は私のすぐ後ろの人に「1個いくらなんですか?」と聞きました

その方は「800円」と教えてくださいました

私は何個買うか決めてなかったので

私「量はどれくらい入ってるんですか?」と聞きました

その方は「500グラムぐらい入ってるで」

そしてさらに「ここのすじ肉食べたら他のすじ肉は食べられへんよ、だってすじ肉と思えないレベルのいい肉やで、残ったら冷凍しといたらええし」


なんかものすごく期待感が増しました

早くから並んで良かったなぁ・・・今日は私の思う通りに買うことができるんやからな

ただ、2人家族なのでねぇ・・・

私は後ろの方に「じゃあ私は2個買うことにしますわ」と言ったら

その方は「え?3個買えへんの?じゃあ3個買って1個を私に売ってもらわれへんやろか?」と言われました

個人取引の交渉ですね

へぇ・・・そんなにいい肉なんや・・・

「私はいいですよ」と言ってしばし開店を待っていました


ついに開店しました

店に入るとレストランになっていてレジ横には加工品のハムやら自家製ドレッシングなんかも販売していました

そしてなんとグランドピアノもおいてあるではありませんか

庭側がガラス張りで庭を挟んで能舞台も見えるんですよ

何とも贅沢な雰囲気!

さて、勝手が解らない私はレジの方に「すじ肉がほしいんですけど」と伝えました

レジの方「はいこちらで承りますがおいくつですか?」

大阪人の私でもさすがにここでは自分の年齢を答えるボケは言いませんでした

私「3個お願いします」

レジの方「はい、消費税込みで2520円です」

そして透明な袋に入ったすじ肉を3つ用意してくださいました

その肉を見た瞬間・・・わ!こんなすじ肉見たことない、これすじ肉じゃなくて普通の部位に見えるやんか!と驚きました

精算が終わって店の外に出て、私の後ろに並んでいた方に1個渡して代金を受け取りました

その方その日は4個ゲットできて嬉しそうでした


そして販売会はすぐに終了したようで、買えなかった方が残念そうに手ぶらで店から出てこられました


帰宅して肉を鍋に移しました

なんと美しい肉だろう!

ほんとすじ肉に見えない

しかし1キロはさすがに多いなぁ・・・

そう思いながら日本酒だけで煮込んでいきました

丁寧に灰汁をとりながら煮込んでいく

汁が少なくなったら今度は水を足し醤油を入れてまた煮込む

これを数回繰り返して、さらにはちみつを入れて煮込む

数時間煮込んで完成した牛すじ肉の醤油煮込み・・・


食べましたよ!

旨くないわけがないでしょ!

柔らかい!

これは素材の肉がいいからなんですよね

1キロなんて翌日にはなくなりました


実はこの牛すじ肉は店で提供されるステーキ用の肉を用意する時に取れる部位なのでその日によって取れる量が変わるらしいのです

なので手に入れられるかどうかは運次第なのです

また、最高級ステーキの牛肉と同じ牛の部位なので間違いなく美味しいのです

「このすじ肉食べたら他のすじ肉食べられへんで」

納得しました


ドライヴがてら行った価値がありました


三田屋さんは京阪神にステーキハウスを展開されておられるのですが、ステーキを食べたことがないんですよね・・・一度お伺いしたいなぁ


追伸:三田屋さんのシャッターが閉まっていたガレージは帰る時には開いていました、すると!中にクラシックなロールスロイスが2台並んでいました、これまた贅沢な雰囲気をさらに盛り上げていました


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