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社会人のスキル炸裂させました。

従者ヤンの視線が若干…いや、かなりイタい。

ちょっと挙動不審過ぎたか…?


ぷるぷる金髪とちょっと遊んだあと、(金髪はどう思ったかしらないが)

実はヤツは高位貴族とかだったらどうしよう?やらかしてしまった?と思い至り、

青くなった私は、あえて庭園のぬかるみっぽいところを目指して走り、必死に止めようとするヤンを振り切り、

「おおーっとぉー。転んじゃったぁぁー」

ぬかるみにダイブして髪とワンピースに土汚れをつけた。

「ギャーッ!  …イヤイヤイヤイヤ、お嬢、軽くローリングしてませんでした???」

ジーーーーっ(ヤン)


母のもとに連行されました。

兄と合流し学生寮の前のベンチで兄と話していた母は、私の姿を見て絶句。

女の子がっ!もっとおしとやかにしなさい!

とめちゃ怒られ、ため息をつかれながら、兄の小さくなってもう着れないらしい着替えをもらい、ぶかぶかぎみの長袖半ズボン姿に。髪の毛はさっと拭いてもらっておでこを出し、後ろでみつあみにしてもらった。これで、ぱっと見男の子に見えないこともないはず。

うむうむ、擬態成功。

これでぷるぷる金髪に会っても知らないフリが通るであろう。


父・母・兄と連れ立ってスタジアムに移動している。

兄はひさしぶりの両親との再会でちょっとテンションが高い。そしてやたら私を小突いてくる。

半年ぶりくらいに兄にあうはずの私だが、特になんの感慨もないということは、こんな感じのやりとりが日常茶飯事だったんだろうきっと。

うざい・・・うざいぞ兄。。。。

シスコンな頼れる美しく賢い兄なんて異世界にしか生息しないであろうはずなのに。。

その超希少生物はこの世界には存在しないというのか。

私がラッキースケベ(異世界転生ともいう)で運を使い果たしたのか。


脳筋疑惑濃厚なかまちょ兄に小突かれるのに嫌気がさしてきた私はヤツの攻撃を封じるために必殺、ホメゴロシを炸裂させることにした。

「わ〜オニーチャンの恰好かっこいいね」(棒読み)

「今日のオニーチャンの試合みるの楽しみだよ」(棒読み)

「背も伸びた〜?」(棒読み)

途端に機嫌良くなった兄はニヤニヤと鍛錬中の自慢話を始めた。

フッ、社会人の必殺ほめごろしスキルを味わうがよい。


そして私はチベットスナギツネ顔で兄にウンウンうなずくマンに変身したのであった。。 





学園の親善試合はトーナメント形式で、ウチの両親は一試合目から穏やかーに兄を見守っていた。天蓋付きのVIPシートっぽいエリアがあったりするのをみると高位貴族とかあたりの視察の気配が。

ちょっと離れたところには

ふぉぉぉぉぉっ!

ぐぉぉぉぉぉぉっ!

うぉぉぉぉぉぉっ!

と鼻息も掛け声も荒く応援している熱血応援軍団がおり、ぜっったいにお近づきになりたくない感じだ。

きっとメインストーリー系が起きてるんだろなー、武芸成り上がり系な。

あ、さっきの素振りしていた赤毛の女の子、勝ち上がったのか!

やっぱ輝いているなぁ。女子で武系とか素敵。

あ、なんか一か所を熱く見つめて頷いている。

もしかしてさっきの庭園で何か彼女を勇気づける系のイベントだったのでは?という気配。スルーしましたが。

というかあそこの熱血応援軍団に赤毛の一団が・・・・やはりイベント的なものにかかわらなくて正解だったようだ。やれやれ


ウチの兄はというと・・・2回戦目で敗退した兄を根拠に、やはりウチの一家はモブですかいとふむふむする私。


母 ウチのシンシア、こんな子だったかしら…?  

兄 なんかシンシアがうるさくなくなったなー、あはは!


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