観察してみました。
元の世界にそれほど未練は無い。冷たいとか言われるかもしれないが、女性の幸せは結婚!と呪いをかけてくる実家は、都会の淡い距離感と無関心/許容力に居心地の良さを感じている私と理解し合えず年々距離は深まるばかりだった。
家族に情はあるが、2度と会えない可能性に絶望を覚えるほどではない。
むしろいまいる状況に実はわくわくしている。(切り替え早っ)
あんなに転生モノ読み漁ったんだし、わくわくしないわけがないっ!
覚醒後さらに数週間ほど、いろいろ試したりじっくり自分の状況を観察した。
シンシアは家の本棚にある外国語の本を開いてみた
→別にスラスラ読めたり理解できたわけじゃなかった。
(言語系のチートはないようだ)
シンシアは重いものを持ち上げようとしてみた
→びくともしなかった。
庭を走り回ってみた
→フツーにすぐ足が痛くなったし、疲れた
(武力系のチートはないようだ)
シンシアは丹田を意識して呼吸してみたり、身体の中に巡るマナ的なモノを期待して瞑想してみた
→……(しばし後)ハッ!?カーペット?ヨ…ヨダレ?だとう?
(カーペットの上につっぷして居眠りしてしまったようだ)
こ、子供の身体だから仕方ないですよね!とヨダレをぬぐいながらシンシアは言い訳してみた(誰に?)
私は、自分がただのモブではないかと言う確証に至りつつあった。
だが、しかしっ!フッフッフ・・・人間30歳を超えるといろんなことに諦めがついたりするものなのだ。
めちゃそんなに物欲あったわけじゃないし、そこそこやる気もないし、野望もないし・・・
主役級じゃないと言うことは、大した使命や役割がないと言うことじゃなかろうか。
逆に主役級のざまぁとか断罪とか大恋愛とか下克上とか!あれこれを楽しく傍観できるのではないか?
異世界転生なんて、ラッキースケベとおなじくらい夢とロマンが詰まりまくってる!
そして私は決意した。
モブはモブなりに適当に、手を抜きながら、良い感じにモブ人生を送ってみようじゃありませんかーと。
子供の身体に転生して精神も引っ張られている感のあるシンシアです。