変態が繋いだ公爵令嬢との縁3
助けを呼ぶ為走り出したベルゼリアだったが直ぐに足を止めてしまう
向こうに居たはずの変態が急に眼前に現れたからだ
ベリゼリアは声のない悲鳴を上げた
恐怖が身を固まらせる
パンツを被った変質者などかなりやばい類だ
令嬢に視線をやればこちらに走って来る姿が見える
その間に変質者がベリゼリアに手を伸ばす
変質者の手がベリゼリアに振れるかと思われたが胸に手を当てベリゼリアに軽く頭を下げてくる
「こんにはタカビーツ嬢」
「ヘッ?」
「私は影が薄いのかな?ビオルヘン・タイアーツですよ」
そんな理由ない
パンツを被っているからだ
手遅れだと悟ったアメリアは手を胸の前で組み神に祈りを出す
名を聞いたベリゼリアの顔は赤くなり怒りを顕にする
「何を言っておりますのあなたは!!」
ベリゼリアはビオルヘンをまだ変態だと知らない
「名残惜しいけど仕方がない」
アメリアは脱ぐなと力強く心で思う
正体がバレる
今なら王弟の名を語る変質者で済む
パンツの下から美麗な顔が現れ、ベリゼリアは顔を青くさせ頭が混乱をきたす
アメリアも顔を青くさせ冷や汗が止まらない
「ビビビビビビビビビビィィィオオォォォォォ!!」
「君に名を呼ぶのを許した覚えはないよ」
パンツを手に持ち冷たく拒否する変態をアメリアは今直ぐ殴り倒して連れ出したい
喜ばすだけなので辞めておく
「ソソソソソソレハナンデスカ?」
混乱の極みのベリゼリアは片言になった
「ああこれかい。いいだろう」
「パパパパパパパパパンンンンンン……」
アメリアはベリゼリアに心の中で謝った
ごめんなさい。お詫びとして婚約者を差し上げます
「これの良さがわかるとはフフ……ちょとだけだよ」
薄ら笑いを浮かべてビオルヘンはベリゼリアにパンツを被せた
アメリアは直視出来ずに顔を背けた
あの婚約者やばい
マジやばい
ベリゼリア様マジすいません
心の中で浸すら詫びる
パンツを被った公爵令嬢に
今直ぐ宇宙の散りとかせとビオルヘンを睨む
公爵令嬢に何と言う卑わいな所業
誕生してしまった……
今だかつていただろうか
伯爵令嬢のパンツを被った公爵令嬢が!
又は恋敵のパンツを被った女
いや……いない!
そんな変態の代名詞的などした令嬢など
無理やりとはいえパンツを被った令嬢など
精神にクリーンヒット大ダメージだ
「フグッ?!!え……………」
顔色を失いベリゼリアは2重のショックで意識を手放した
もしこれで喜んでいたら変態令嬢ここに現るとなり、そしてビオルヘンのライバルとなっただろう
二人を見て
アメリアは祈った
ベリゼリアが今日の事を忘れますようにと
切実に祈った
彼女の為に
自分の為に
変態が死にますようにと
祈りは届かなかった
変態は今もアメリアの隣で変態行為にふけっている
ベリゼリアも覚えていた
あの変態の所業を
恋焦がれて止まなかった王弟に笑顔でパンツを被せられるなど
心が荒れ狂う
話して少しでも楽になりたい
でも話せない
何があったかなどと話せる筈がない
話せば自分が狂ったと思われるだろう
誰にも話せない事は彼女を苦しめた
心が病んでしまう
だがそんな彼女にも救いがあった
毎日届けられるアメリアからの手紙とお菓子だ
ベリゼリアを心から心配している内容
疲れた心に届けられる甘い菓子類
この日よりビオルヘンはベリゼリアの敵となった
毎日トラウマの元と顔を会わせているようなものだが心の友を守る為立ち上がるのだった