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プロローグ-おじいちゃんから聞いた昔話-

 基本設定の説明回です。まあ、「この大陸では魔法が使えない」という所だけ押さえておけば問題は無いと思うので、読み飛ばし可です。


 広い海の真ん中に、スティグマと呼ばれる小さな大陸がありました。

 

 絶海にポッカリと浮かぶスティグマは、遠い他の大陸との行き来が難しく、だから命を懸けてわざわざ海に出ようと思う者は殆どいません。

 

 その結果、貿易に頼ることができない為に産業の発達は遅れ、スティグマの人々は貧しい生活を送っていました。

 

 しかもこの大陸の自然環境は非常に厳しいものでした。

 大陸全土を覆うかの如く広大な魔境が広がり、そこには数多くの魔物が闊歩(かっぽ)していました。


 スティグマの人々は貧しさと魔物に脅かされ、生きる為に沢山の努力をしなければなりませんでした。

 だけどそんな厳しい環境の中だからこそ、人々はそれを克服する為に長い長い時間をかけて、魔法の文明を発展させて行ったのです。

 

 そしてついにその魔法文明は、かつて世界を治めていた「神々」や「竜族」、又は世界を破滅の危機に陥れた魔界よりの侵略者「魔族」――それらの強大な存在と並ぶほどの、巨大な力を持つに至りました。

 

 しかしそれほどまでに巨大な力を、小さくて儚い存在である人間が、いつまでも制御していられるはずはなかったのです。

 

 ある時、2つの国の間で争いが起こり、それはあっと言う間に大陸中に広がっていきました。

 争いの中では、時として街1つが消滅するほどの凄まじい威力の魔法が飛びかい、魔法の力で操られた無数の巨大な石像の兵士達が止まることなく戦い続けました。

 

 そんな争いが続く中、人々は「敵よりも更に強く」と、より巨大な力を追求し続け、やがてそれは魔法の力を暴走へと導きました。

 暴走した魔法は、最早人の力の及ばない大嵐も同然でした。

 

 「嵐」は大陸中を覆いました。

 幾つもの国が巨大な魔法の力に飲みこまれて、根こそぎ消滅してしました。


 もう、敵も味方もありません。

 国も人種も性別も年齢も関係無く、何十万、何百万という数の人間が命を失いました。

 

 そして争いは、誰1人勝者のいないまま終わったのです。

 

 わずかに生き残った人々は、大陸中を覆ったあまりにも酷い「嵐」の爪跡を見て、ようやく気づきました。

 

「魔法の力とはなんと恐ろしいものなのだろう」と……。

 

 だから人々は、魔法の文明と別れを告げ、魔法に頼ることなく苛酷な環境と戦うことを決心したのです。

 

 それは今から100年以上も昔に、実際に起こったことなのだそうです。


 サリア・カーネルソンの作文より 

 ちなみに、ちょっとだけ他の作品と繋がっていることを示す伏線が入っています。特に「竜族」は超重要。

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