雨
6月
水無月
雨が降る
紫陽花の花弁
輝きを放ち
赤色青色雫が垂れる
夜明けに眠りについた朝顔
雨に打たれようとも
その深き眠りは未だ覚めぬ
軒下に集まる鬱々とした猫たち
庭では雨に濡れつつ
はせ回る犬
私はひとり屋根の下
鼓膜を響く蝸牛に響く
雨の音を聞く
からからからから
ぱらぱらぱら
ぴたぴたぴたぴた
音は深く私の心に浸透し
日々の生活に追われる心を
一時の安心感で包んでくれる
じめじめとした
それでいて爽やかな
やわらかな感情
6月
水無月
雨が降る
6月
水無月
雨が降る