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TS娘の観察記  作者: 山木 深
TSは唐突に
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4月4日の初登校

短い!

 跳ねるように飛び起きる。夏場でもお風呂に入る僕としては極めて珍しいことにシャワーすら浴びずに寝ていたからか、少しベタベタするような気がする。シャワーだけ浴びたら急いで用意して葉の家に向かおう。葉が上手く着替えて用意を済ませている図なんてまるで想像できないし。

 パァンと襖を勢いよく開くとふろ場へと駆け込んだ。タオルや下着を取りだすと手際よく服を脱いでいき洗濯物籠に投げ入れる。そのままふろ場へ入ると体を洗っていく。

 いつもなら10分近くかけるとこを5分弱程度で済ませる。我ながら烏の行水みたいだと思う。水が滴らない程度に体を拭くと出しておいた下着を履く。

 そのまま下着姿で自室に戻ると、ハンガーにかけておいた学ランとズボン、それにカッターシャツを羽織る。鏡の前に立って軽く身だしなみを整えると、カバンを持って家をでた。

 小走りで葉の家に行き、TSしてしまった次の日に渡された合鍵を使いドアを開き入る。


 「おじゃましましておはよーすっ! んで葉ー、準備出来てるー?」


 家のどこにいても聞こえそうなくらいの声で挨拶をすれば山びこのように返事がくる。


 「出来てるわけないだろーが‼ 下着なんて着方なんて知らねーし着ようとも思わないわ‼」


 「そりゃそうだよねー。ネット回線ない上にガラケーだもん、調べることすらできなけりゃ無理だよね。元から知ってるのは、まあ、葉に限ってそんなことないだろうけどさ」


 二階から降りてきた葉は、やはりと言うべきか着替えておらず、ジャージ姿だった。ただ起きてはいたみたいで目はぱっちり開いて

、眠気なんてものは欠片も感じられなかった。


 「来たならさっさと教えろっての。まだ6時過ぎっつっても初登校なんだし早めに出たいんだから」


 「教えるのはやぶさかではないが、とりあえず」


 近づき、頭を小突く。


 「なんだよっ!」


 「頼み方ってのがあるんでしょうが。なに、葉は人にものを頼む

ときそんな風に頼むの? 違うでしょ。それくらい小学生でも出来るよ」


 そう言い返してやれば、納得は出来てもプライドが許さないのか、うぅー! とうなり声をあげる。しばらくの間プライドと聞くべきだという思いが拮抗するも、結局プライドが負けた。


 「………ごめん、確かに、人にものを頼む態度じゃなかった」


 「分かればいいんだよ分かれば」


 「それじゃ、改めて。……下着の着方、教えてください」


 「うん、よろしい。ならば教えてやろう‼」


 頷くと、カバンからノートパソコンを取りだし起動する。

 なにやってるんだ、こいつ。みたいな目で見てくる葉をスルーしてインターネットに繋ぐ。そしてとあるサイトを開くと、パソコンをずらして葉が見やすいようにする。


 「簡単に、だけど。僕はこれ、たまたま見つけたんだけど、けっこう分かりやすいんだよ。初めて見たときは変態か‼ って思ったけどね」


 「いや、これ変態だろ………」


 見せていたのは、とある動画だ。内容は、ある男性が女性用下着の着方を熱心に教えていくという、普通にアレなやつだ。見た目マッチョな方がやってるのもありビジュアルは犯罪的だけど、やってることは実に分かりやすい。

 それに葉も気付いたのか、冷たい目で見ることをやめてじっくり見ている。

 そんな葉を置いといて、一人二階へ登ると、昨日届いた段ボールを引っ張り出す。開いて中にあった下着を持つと、一階へ降りる。

 ちょうど動画が終わったタイミングだったようでこっちに振り向いた。


 「はい、これ。着方はわかったと思うし、大丈夫だよね?」


 「あ、ありがと。着方はまあ、思ったより簡単そうだしなんとかなりそう。……で、これがあれか」


 「そ、スポーツブラとパンツ。ぶっちゃけスポブラとか着方知らなくてもいけるとはおもうんけどね」


 「お前と一緒にするな。俺はその、スポブラ? とか言うのすら違いがわからないんだよ」


 「そりゃ大変だなー」


 いやまさかそこからとは思ってませんでした。

 ジャージを脱ぎ出したので回れ右をして葉を視界から外す。後ろから聞こえる衣擦れの音を意識しないようにして待つ。


 「んー、なんか違和感あんなぁ。あ、振り向いていいぞ」


 言われて振り向く。

 ジャージを着てるから正直よくわからないが、着れたらしい。ただ初めてつけるからかどうしても違和感があるとのこと。そこら辺は僕ではどうしようもないので頑張ってほしい。


 「それじゃあ制服着てくるからちょい待ち」


 そう言ってすぐに二階に上がっていった。


 「時間も時間だし、外で待つかなぁ」


 僕は僕では葉の家を出た。

 しばらく待って、出てきた葉を迎えた。明らかに変なとこがないかざっと確認する。

 なかった。あると思ったのに。

 そんなこんなで、ようやく出発した。


 「道確認しながら行こー」


 「おー」 

感想あると長くなるかもしれません

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