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飛竜と義弟の放浪記 -Kicked out of the House-  作者: ひつじ雲/草伽
三章 ドラゴンタクシーの日常
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ディオ子とラズ美.1

 

 その日。久しぶりに深月(みづき)君が、山の近くにあるエクラクティスのギルドからここまで遥々やってきた。なんでもクエストで、セリーア平原に咲く毒消し効果のある花を摘みに来たとかなんとか。

 そういえば最近、軽度の食中毒みたいなものが大きな街で流行っているようで、毒消しとか酔い覚めとか、その手の薬草の需要が高いんだとか。うん、順当にクエストこなしているみたいでほっとする。


 …………まあ、パーティーはまだ組んでないらしいけど。早く誰か同じくらいの実力の人と結託するか、高位の冒険者にお願いしてクエストに同伴して勉強すればいいのに。


「だから、組んでないんじゃなくって、オレと、音楽性が合わなかったの!」


 思わずぽろりと口に出せば、深月君は異を唱えて来た。呆れてつい、溜め息が出てしまう。


「深月君に、音楽性がどうこうあるって方に、俺はびっくりしたよ」

「……うん、ディオって時々人の心砕きにかかってくるよな。酷くね?」

「いや、不可抗力」

「あ、そ」


 さらりと躱せば、彼もそれ以上自分の傷を広げるような話題に興味はないらしい。「まあいいや」 って、肩を竦めたかと思うと、力強くカウンターを叩いた。


「んなことより、竜の話! もっと聞かせてくれよ~! オレ、いつか仲間にしたいからさあ~!!」

「だーかーら! そんな大したことじゃないって、言ってんだろう? しつこいなあ」

「しつこいとはなんだよ、しつこいとは! だいたいディ――――――」


 ヤバい。深月君をヒートアップさせてしまった。と、思った時。



「失礼します、お二人とも。少々、よろしいですか?」



 救いの女神が現れた! ……なあんて。

 俺らの背後から、本日も癒し効果が付与されたような麗美なスマイルを向けてくれるシャラさんがいた。ただそれだけじゃなくて、シャラさんに隠れるようにしてもう一つ、小さな姿がある事に気がついた。

 シャラさんの腰程にしかない、小さな姿。俺でも多分余裕で抱える事が出来そうだ。マントのフードをすっぽりかぶっていて、相手の素顔は全く伺えない。


 そして、俺らが視線を向けた途端、「はひっ!!?」 と。目に見えて、びくりと体を震わせていた。

 えー……なんか、傷つく。俺、ここらで一番威圧感のないへっぽこで通っているのに。

 いや、うん。その称号もどーよ? って感じだけど。

 まあいい。


 声の感じから察するに、多分女の子だろう。それにしても随分と幼い、ような?


「シャラさん、そちらの方は?」

「はい、ディオさんに少々込み入った運送をお願いしたく、お越し頂きました」

「込み入った運送?」

「あわわわわっ」


 何だろう? 一先ず話を聞こう。そう思って近寄ると、目に見えて後退(あとずさ)りされた。


「ぷーっ! ディオざまあ!」


 後ろでは深月君に大爆笑されるし、なんというか…………凄く、遣る瀬無いのだが。

 人の事をバカにする、大馬鹿者は無視だ、無視。後で殴る。


「……ええと、俺はどうしたらいいですか」


 困ってシャラさんを見れば、シャラさんにはものすごく申し訳なさそうな顔をされる。


「ソアラさん、やはり私からお話しましょうか?」


 フードの少女(?)にシャラさんが伺い立てるように尋ねれば、その姿はぶんぶんと激しく首を横に振った。それだけ頭を振っていてフードが取れない不思議はさておき、事情は説明してくれるようなので、話してくれるのを待つしかない。


 とりあえず、俺は深月君の隣まで距離を戻しておいた。それで漸く、ソアラさん? も、シャラさんの隣に戻ってくる。


「えっと、その、あの……逃げてしまって、ごめんなさいっ! あのあの、ですね、私、男の人、苦手で……」


 男の人云々以前に、話すの下手くそすぎだろ。なーんて、余計な突っ込みはいらねぇか。


「ソアラさん、ソアラさん。せめてフード取りましょう? ディオさん達は飛びかかって来ませんから」

「は、はいぃぃぃっっ! ごめんなさい!」


 シャラさんが(なだ)めるように言えばまた、マントの姿がガタガタと縦に震える。その様子だけ見ていると……ちょっと……面白い。


「も、申し、遅れました。私、リジヘット=ソアラと、申します!」


 震える声でそう名乗られて取られたフードに、俺は少なくともすぐには答える事が出来なかった。

 驚いた。ケイト・シーだ。ケット・シーっつった方が、解りやすいか?



 ケイト・シーは、猫の獣人とよく間違えられるが、実質は違う。まあ、見分けるのにはなかなか骨が折れるけれど……。

 猫の獣人は獣人でしかないが、ケイト・シーは妖精のくくりだ。フェアリーの仲間。総じて小柄の者が多くて、よく見ないと解りづらいが金色の瞳を持っているという。それが最大の特徴、だった筈。

 ああ、あと、魔力値が異常に高い。


 猫の獣人は、そのくくりは広い。虎やライオン系の獣人が多くて、その辺りは見れば誰だって一発で解る。獣人が統治する国があるほど、その数が多い。

 獣人の姿としては、レバンデュランの顔みたいに、見るからにライオン! って奴もいれば、ケモミミ生えたヒューマン、なんて奴もいる。そこの所は、竜人のパターンと一緒だ。


 それに対して、ケイト・シーは樹洞(じゅどう)の民って言われていて、大木に出来た(うろ)や、樹の一部が腐って出来た空間を住居としている。多分、だからみんな小柄なんだろうなあって言うのが、俺の解釈。ま、見た目も飼い猫みたいだし。

 姿は総じて、猫が二足で立っているようなもんだ。猫の獣人がいなけりゃ、一発でケイト・シーって、解ったところだろうな。


 そんな、稀少の種族が目の前にいる。出会えた事実だけで何だか感動的だ。

 うん。稀少の種族って事もあって、親父殿の店のストックにも居なかった。だからお目にかかったのは初めてだ。



「ああ、申し遅れてすみません。俺は、ワイバンの運送屋を営んでおります、ディオと申します」

「俺は比嘉深月。ディオのついでに覚えといてなー」


 ひらひらと手を振ってアピールしている深月君。多分、彼女の稀少性を解っていないと思う。……教えてやんないけどな。


「はははははいぃぃ! よろしくお願いいたします!」


 ただ、キョドりすぎだと思うんだ、うん。いつか慣れてくれるって、俺、信じてる。

 ……あ、野郎はそもそもダメなんだっけ。ありゃ、終わったわ。ソアラさんと、仲良くなれなさそうだ。


「えっと、その、それで、ですね。私、西の王都にあるギルドに所属しているの、です。……けど」

「え、王都?!」


 流石に驚かずには居られなかった。

 まさかの王都の冒険者?! こんな辺鄙(へんぴ)の地で何してんの?!



 王都っつーのは、さっきもちろっと話したけど、特定の種族が治めているでっかい街の一つだ。レーセテイブにもひとつ、王都は存在している。由緒正しき血縁、なんてものも存在するらしい。

 ……俺には縁のない話過ぎて、全然ピンと来ないけどな。


 で、西の王都。

 俺らが暮らすこの島は、大陸の中央に連山がそびえている訳だけど。北寄り――――エルド火山の方に進路を取ると、比較的越えるべき山脈の数が減る。そこから大陸の西と東の行き来が可能だ。


 とはいえ、徒歩で通るような場所ではないってことはよく知るところ。行き来が可能って言ったって、事実西と東で交流があるところなんて周辺の街くらいじゃないだろうか。だとしたら……ありえねえ。冒険者の行動範囲広すぎだろ……。

 だってここは、限りなく島の端っこ。島の西側で一番大きな街からはるばる陸路を来た、という事だろう? もしかしたら海路をとって船で来たのかもしれないけれど……それでも遠い場所から来た事に違いない。

 多分王都からなら、別の大陸の方が距離的に近いんじゃねえの? って、レベルで大遠征だなあ、おい!


 ……て、いかんいかん。俺の突っ込みなんてものは、どうでもいいわ。

 また続きを話す為に、「あのあの、その、えっと……」 と、(ども)りまくってるソアラさんの続きをただ、待つ。



「実は、ですね……。只今、私のパーティー、が……ですね。巫女様を……護衛していていて、ですね……」


 おっと……? あまり聞きたくない類いの単語が聞こえた、ような?

 ただよりにもよって、『親切丁寧に』深月君は聞き返してくれる。


「巫女……?」

「ははははい! よ、より多くの人々に、その……、光と豊穣の祝福をお与えになるために、教会から乖離(かいり)した巫女様です、はい」


 うーわ、マジで込み入った運送だわ、これ。面倒事の予感しかしない。

 ……けど、断れないんだろうなあ。


 なんでって? ふっ、断らせてくれるなら、シャラさんがあそこまで素敵な笑顔で俺を威圧してこないさ……。嗚呼(ああ)、無情。


「そ、それで、この大陸から、新たな地に巡礼に向かいたい、との事……なのですが……。その前に、どうしても王都に一度出向いてから、向かいたいと言われまして……」

「えー、偉いんだな、その巫女様ってやつは!」

「は、はい! そう、そうだと思います! 私も!」


 深月君の同意に、ソアラさんはぱっと、初めて嬉しそうに笑った。


 けど、対照的に。

 俺は『ぎぎぎぎ』と、グリスの切れた機械のような音がするんじゃないかってくらい、能天気野郎に首を向けて睨んでやった。……残念ながら、それが深月君に通用する筈もなく。ん? と、俺の視線に首を傾げている。

 こなくそ。解んないんだったら、適当に誉めるな!



 教会から乖離したって、つまり、教会の方針についていけなくなった巫女様とやらが、教えに背いて勝手に飛び出して巡礼やってる、って事だよな?!

 うーわ、やだわー。宗教問題に首突っ込まされるとか。マジで、勘弁してくれよ……。


「ディオさん、少々よろしいですか?」


 なんて、うんざりと思っていたら多分、俺の内心をシャラさんは見透かしたのだろう。ちょいちょいと、招かれる。

 ……うん、嫌な予感しかしない。けど、行かない訳にも行かないだろう。


「ちょっと、失礼」


 にっこりと、精一杯の笑みを浮かべて、その場を離れる。うーわー。シャラさんの誘いにこんなにも行きたくないと思ったのは、初めてだ。



 多分、ソアラさんに気を使ったのだろう。普段シャラさんが座るカウンターの方へと、俺は引っ張りこまれた。

 ああ……嫌な予感しかしない。


「ディオさん」


 真剣(マジ)な視線をぶつけられて、俺もつい見返してしまう。


「面倒くさい、なんて顔をしないであげてください。ソアラさんも必死なんです」

「えーと、この顔はどうにも出来ないです。すみません。……ギルドが彼女を――――じゃなくて、その巫女様とやらを擁護(ようご)するメリットでも、あるって言うの?」


 苦し紛れにそんなこと聞いてみたけど、我ながらバカな質問した。

 にっこりと、麗美な笑顔。御馳走様です。


 じゃ、なくて。そりゃ、なければここまでしないですよねー。

 解ります。さすがに。



 ちらりと彼女に改めて目を向けると、すがるような視線と目があった。

 うーわ、チワワが。チワワがあそこにいるよ、猫なのに。濡れた瞳でこっちをうるうる見てくるよ。

 俺はどちらかと言うと、犬猫よりも鳥派なんだよ……。


 ……って、俺の好みなんざどうでもいいわ! はあ。溜め息しか出ない。


「…………解った。その依頼、引き受けます」


 ぽつり、観念して呟けば。


「本当ですか!! ありがとうございます!」

「よかったですね、ソアラさん」


 その場でぴょんぴょんと跳び跳ねる姿があった。


 飛び跳ねて喜ぶ姿を見る、シャラさんの表情は優しい。さっき俺を脅していたのは別人かな~? なんて、逃避を始める。


 ああ、解ってるよ。こうなったらやるっきゃない、って事くらい!



「さてディオさん。この依頼を受けていただくに辺り、用意して欲しいものがあります」


 改まったように言われて、身構えずにはいられなかった。

 さあ、何でもどんと来い! ……なんて口が裂けても言えないのは、言えば()()だと、直感が告げている。


「えーと、出来ればそんなに面倒なものだと有り難いんだけど……」


 しどろもどろに申し上げれば、本当に、しれっと流された。


「ええ、大したものではありません。ただ少々、運行の間だけで結構ですので、ディオさんとラズさんに、女性の格好をして、女性として振る舞って欲しいのです」

「はあ?!」


 つい声を上げてしまったのは、仕方がないと思う。ただやっぱり、シャラさんは俺の反応なんてお見通しのようで。


「ああ、ご心配なく。私も、微力ながらもお手伝いいたします」


 にっこりと微笑まれて、戸惑いを隠せなかった。


「はい?!」

「ご安心ください、ディオさん。私がディオさんたちを、カンペキな女の子に仕上げて見せますから。ああ、大丈夫ですよ。ディオさん、肌がとても綺麗ですし、違和感なく女の子になれると思います」

「えーと……シャラさん。せっかくだから、ありがとう?」


 それ、全然誉めてないよなあ……。カンペキな女の子になれるとか、全くもって嬉しくねーよ。



 この世界に野郎が女の子に化けるって習慣はない。故に、男の娘、なんてあり得ないのだ。

 ……まあ、逆に、男装麗人ってのは、いるらしいが。女性が一人旅をする為の手段として常套らしい。けど、ぶっちゃけお目にかかったことはない。


 いや、そんなのはよくってだな。


 野郎の女装は……その、玉なしを疑われても仕方がないって、事だぞ? そういうのって、大体性犯罪で投獄された奴が折檻(せっかん)された結果、去勢されるんだよなあ……。

 俺、そんな目で周りから見られたらもう、生きていけねぇんだけど。


 すーげぇ、ハイリスク。すーげえ嫌だ。

 何その、『己の尊厳を賭けて女になりきれ』みたいな無理難題。なんで好き勝手して追われる身になっている巫女様の為に俺がそこまでしないといけないのよ。



 ……俺が血の涙流しながら決断迫られている、なんて事も知らずに、深月君はまた呑気に挙手していた。


「ねーね、オレは行ってもいい?」

「申し訳ありません、ミヅキさん。貴方も女装されるのでしたら、問題ないと思われます」

「じゃ、パスするわ」


 あっさりと、手のひらを返す深月君。ああ、君が羨ましいよ、凄く! そんな軽いノリで、俺も断りたいぞ! 切実に!!

 俺の荒れ果てた内面を知ってか知らずか。いや、多分何も考えちゃいねえわあいつ。ちらちらと、深月君はこちらを伺ってくる。


「そっかー、ディオの女装かあ」


 何かと思えば、そんなこと。くっそ、これが日本であったなら、文化祭とかイベントとかのノリで出来たけれども! 高みの見物決め込んでくる深月君に、ほんとにイラッとする!


「にやにや笑うな。気持ち悪い」

「いやいやー、どうなるか見物だな! ディオ子ちゃん!」

「やめろ、ボケナス」

「おいおい、女の子の言葉遣いじゃないだろー? ディオ子ちゃん」

「だからやめろって!」


 俺が嫌がれば嫌がる程に、こいつは調子に乗るらしい。ヘッドロックをかけて、その空っぽの頭をグリグリと拳骨ねじ込んでやっても、へらへら笑いは止めようとしない。

 ほんと、こいつ、どうしてくれよう。


 なんて思っていたら。


「ディオ子ちゃん、ですか?」


 シャラさんが、きょとんとして訪ねていた。やーめーてー!!

 深月君も、ここぞとばかりに俺の腕をすり抜けて、シャラさんの方へと逃げやがる。


「そ! ディオ子ちゃんとラズ美ちゃん! 俺の国では、女の子の名前にそういうのがついてる事が多くってさ。これなら、ディオもラズも違和感なく女の子になれるだろ?」


 冗談キツいぞ、くそったれ。


「ナンセンスにも程がある。お前の正気を疑うぞ、俺は」

「ひっでーな。せーっかく! 協力してやろってのに」

「うっさい、黙れ!」


 ああ、もう。構うだけ時間のムダだ。


「ソアラさん、出発はいつだ?」


 早急に話を振れば、ソアラさんには身を竦められる。どっかで子豚が不平を漏らしてぶーぶー鳴いているが、知ったことか。


「は、はいっ! あ、あの、えっと、一応、その、そちらの準備もある、との事で、準備が出来次第くらいに……」

「解った。すぐに用意する。シャラさん、手伝って。よろしくお願いします」

「ええ、勿論ですよ」


 さっさと段取りを仕切ってやれば、さくさくっと事は解決するもんだ。

 え? 客への対応がなってない? 知らね。ソアラさんが不快に思ってから改めるさ。今の俺は、かーなーり、機嫌が悪い。なんで俺が、そんなことをしなくちゃならないんだって、不満でいっぱいだ。


「俺も俺も! ディオ、手伝うぞ!」

「てめえはさっさとエクラクティスの所に帰れ!」

「なんだよ、拗ねんなよなあ、全く! このオレが、オレの国のコスプレファッションを提案してやるって、言ってるのに! フリフリ、ミニスカ、網タイツ! 体操着に水着も可!」

「はいはい、黙れ煩悩。思っていても口に出すな。趣味悪い気持ち悪い」


 なんか、雑音が酷いな、今日は。あんまりにも煩いから、さっさと切り上げる事にした。



「じゃあソアラさん。用意が出来たら、改めて連絡するから。その時までには、ソアラさんにも近づいて貰えるようにしとく」

「は、はい! 申し訳ありません! えっと、えっと、それでは、よろしくお願いいたします!!」

「ああ。まあ、乗り掛かった船。やれることはやる、さ」


 ソアラさんは嬉しそうに笑った後に、一礼してあっという間に去っていった。俺が見送らなかったってのもあるけど、何やらソアラさんの方でも準備があるんだとか、なんとか。

 はあ………………、脱力。これからの地獄を思うと、胃が重い。



「……とりあえずシャラさん。ラズ、連れてくるから、早速物資を調達しようと思う。仕立屋行くから、選ぶの手伝ってください」


 諦めの境地でお願いすれば、美麗スマイルきらきらビームで返された。


「ええ、解りました。ディオさんから見ても飛びっきり、可愛くして差し上げますからね」

「…………えーと、お手柔らかに」


 それ、俺が俺を可愛いって思った時点で、色々とアウトなやつです。……とは、言えねー。


 最後に。この期に及んでまだうだうだ言っている煩悩は、壁に向かって頭を投げつけてやった。


「へぶっ?!」

「ハッ! ざまあ」


 良い子の皆ー、真似すんなよー。

 多少は痛みに悶えていたが、壁がうっすら凹むとか、どんな石頭だよ。って、突っ込み入れちまった気持ち、少しは解ってもらえるだろうか?

 

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