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木の実に転生  作者: B.Branch
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お出かけ。

私にはこの異世界の言葉が理解できるようだ。

おそらく、前世の記憶はあるが、転生してこの世界の生命体になったからだろう。

妖精のレンが生まれてすぐに話せるように私も話せてしまう。

人間として転生したなら無理だろうが、悲しいかな私は人間ではない「木の実」だ。

意識だけでも存在できてしまうので、精霊のような立ち位置なのだろう。


そう、なので少年(仮名トム)の呆然とした言葉も理解できてしまう。


「うお、お、黄金の実???」


私(黄金の実)がプカプカと木のそばで浮かぶのを見て、トムが口をパクパクさせながら指をさす。


先程、毛玉が飛んできたが、私は無事だった。

心の中では襲われた悲劇のヒロイン(木の実)気分だったが、実際にはそれ程の跳躍力も破壊力もなかったのだ。


『そうです、私が黄金の実です』


私は偉そうに言ってみたが、トムには聞こえない。

普通の人間に念話の能力はないのだろう。

しかも、誰も木の実と意思疎通ができるとは思わない。


異世界人生初の人間を観察していると、突然木をよじ登り始めた。

必死の形相でグングンと登ってくる。


顔が怖いよ!少年!


どうも彼の目的は私(黄金の実)のようだ。

世界に一本しかない木に実るとてもとても希少な(神の言)果実。

効果効能もさぞかし希少なのだろう。


さて、どうしようか?

逃げるのは簡単だ。

でも、このままでは一生森の中で過ごすことになりそうだ。


移動はできるが、ものがプカプカ浮いていたら不自然だろう。

トムはきっと多分おそらく私を村か街に連れて(持って)行くはず!!

この場で食べないよね?


いや、とてもとても希少な黄金の実なので、高確率で持ち帰るはずだ。

万が一食べられても、ここから出ればいい。


よし!!異世界探訪だ!!

ワクワク。

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