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9/10

ウルトラライトニングベントーは強敵だった

久々にこの話を書きましたw随分忘れてて自分でも恐ろしかったですw

◆◆◆◆◆すまんね、勝者は一ノ宮だわ◆◆◆◆◆



「ただいまー」

俺は靴を脱ぎながら一言。

見慣れた玄関には見慣れぬローファーがきっちり揃えられて置いてある、これも自分が一人じゃないって事を教えてくれる。


ちなみに俺の靴は白靴っす。中学の時から履いている永年の相棒よ、だから履き潰しちゃってボロボロなんだけどサイズ的にはまだ履けるんで今でもお世話になってるぜ。



「お帰りなさい」

この優しい感じがする声はカグヤ、ローファーの持ち主だ。居間の方から聞こえて来る。

ミコトは相変わらずにテレビを見てるんだろうな、返答が無いのはいつもの事。



俺は階段を上り自室へ、服を脱ぎ半袖短パン少年に変身。

脱いだ服諸々と本日の対戦の残党 弁当箱を持って一階に向かう。


激しい戦いだったな。

カグヤVSミコト⇒ミコトの勝利

ミコトVS相園さん⇒相園さんの勝利

相園さんVS一ノ宮⇒一ノ宮の勝利


最終的にTOPに立ったのは一ノ宮の庶民弁当。

これは相園さんのウルトラライトニングベントーが相手だったから勝ったのだと思う。

俺には相園さんのウルトラライトニングベントーより一ノ宮の庶民弁当の方がうまく感じた、多分これは振り子効果だろうな。

片方により過ぎた場合その振り幅は絶大になる。

もし一ノ宮の庶民弁当とミコトの手作りミニおにぎりが相手だったらどちらに分配が上がったかは分からない、いやミコトに上がるな。


この勝負でこの結果が出たのは勝負の順番が鍵だった。

もし順番を替えて戦っていたら勝利の矛先はその行方を惑わすだろうな。

まぁ、カグヤには行かないだろうけど。



洗面所に完備されている洗濯機に服をぶち込み愛しの居間へと足を踏み入れる。

そこにはいつもの風景がある。

ミコトはソファーに寄り掛かりテレビを視聴中。

カグヤも机を囲みミコトを見てニコニコしている。ミコトはかわいいっすからね、俺もミコトを見てウハウハするもんな。


「おかえりー」

意識はテレビに向けながらも俺の存在を感知したミコトは自然に一言。

この堂々たる姿は我が家のあるじなんだと痛感させる。

一応この家は俺のなんだけどね。


「瑞樹くん、お弁当どうだった?」

朝のまんまの謎文字の服を着ているカグヤに早速聞かれる。

「あ、あぁ美味しかったよ」

本音を言うわけにはいくまい。

カグヤを傷つけぬように努力する私でーす。


「私の勝ちだ、なはははは」

テレビに集中していたミコトは勝ち誇った様な顔で高笑い。

俺は両手にある二つの存在感溢れる弁当箱を四角い机にセッティング。

そして俺も座り三人で机を囲む。

でも説明すんの面倒いな…そんな時に使える秘儀。


「あれあれこうゆー事で結果こーなりました」

俺はこの二人に事のあらましを赤裸々に説明いたしました、はい。


「そっか〜残念、勝てると思ったのに」

と言ってるカグヤは眉を潜めてほんのり笑う。

「カグヤよ、あんたの料理が一番勝てる兆しが無かったぜ」

って言葉は深〜い心の底にしまいこむ。


「私のべんとーが負けるなんてありえない!」

こちらは俺に食いついてくる。まぁ、勝てる兆しは十分にあったからな、悔しいのも分かる。ここはミコトを立ててやらんといかんかな。


「ミコトの弁当は美味しかったよ、なにより愛情があったからな」

ぐぬぬ…

ミコトはなっとくいかないのか低く唸っている。あら、かわいい。

そんな唸るミコトの横で何かもじもじしているカグヤ。


「ねぇ瑞樹くん」

「ほい?」

トイレかな?場所教えてなかったっけ?


「お恥ずかしながら…」

うつむき頬を染めたと思ったら


ぐぎゅぅゥぅごおォオああぁぁあ


カグヤの腹からはあの地鳴りの如く虫の声。

人から出るとは到底思えないすんごい悪魔の声。

その音を聞いた俺は色々悟った、それだけで今日の出来事が想像できた。


「まさかとは思うけど昼飯を食べてないのか?」

まさかとは言ったがこれは確信だ、絶対食べてない。


「食べてません〜」

カグヤは力尽きた様で机にぐで〜っとする。


「食べてない〜」

そしてあらぬことにミコトも同様にぐで〜


そうだ、朝の時点で俺ん家の冷蔵庫は空っぽになっていた。あったのは韓国のり。でもそれならまだ生きられる、白米があるはずだからだ。たとえ朝の料理戦争で白米を使い切ったとしてもまた炊けば韓国のりとプラスして十分に食える。だが二人はこの状況に陥っている。それが意味する事はただ一つ


炊く米すらこの家には何もない。


韓国のりは白米があってこそ力を得る、だがその白米を完全に切らしているとなるともう腹の足しにもならない。


瑞樹家初の食料危機到来。

「「あぅ…」」


この二人はすでに限界を迎えている。


「まっ!待ってろ!なんか買ってくるから!」

家を飛び出しまだまだ明るい街を俺は走り抜ける。






ここまで読んでいただきありがとうござぃす。感想などを絶賛よろしくお願いします。

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