表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

我が家のちょっとした日々、そして日々の始まり。

◇◇◇◇◇◇魔力◇◇◇◇◇◇



まぶたを開く。見慣れた天井

上体を起こす。見慣れたテレビ

首を動かす。見慣れた暗闇のガラス張り

下を見る。見慣れない空のどんぶり二つ

見回す。見慣れた誰もいない空間


そうか・・・帰ったのか・・・

俺の分まで食べて行くとは腹減ってたんだな


彼女がここまで連れて来てくれたであろうニアーザ机オンザカーペットから立ち上がりひとつ伸びをする



この時の俺は何か喪失感ってゆーのは感じてなかった。またいつも通りだなってゆーのを感じてた

だから悲しみとかはなかったのかな。

過去のことだからよく憶えてないけど

とゆーことでお話はここまで


え?中途半端?全然異界とかわかんない?

あの後ゴタゴタ色々あって同居する事になりました、はい終了


何か投げやりだって?


しょうがないじゃん出前が来たんだし

インターホンの魔力だよ


ピンポーン


「ようやく来たー!この無能の配達野郎めー」

ミコトはうれしそうにトテトテ小走りして玄関に向かって行く

それに俺もついて行く。ミコト一人じゃ持てないだろしな


オープン・ザ・ドーア


そこには緑色で身を包んだ配達野郎

両手で持つ物は寿司


——じゃない・・・?


両手で持つ物は一抱えぐらいの二つの黒い箱

おいおい誰だよこんなヤバそうなの頼んだやつ

いやミコトだよ

寿司頼んだんじゃないのか?


「ここにハンコまたはサインをお願いします」

ハンコって誰からの贈り物だよ

「分かってるってー、えーとアマテラス⇔ナイトアージェルートと」

バカ正直に本名書くなよ

配達員さん二度見してんだろ


「はい確かに、それでは失礼します」

配達員さん、ご苦労様です


謎のブラックボックスを二つとも持って居間へ向かうミコト

結構大きいけどな、俺は必要なかったか



「はい、こっちはミズキの」

手渡されるブラックボックス

「俺のやつだったのか」

「当たり前でしょーが、私がミズキのために出前をとったんだからね。感謝感激怒しなさいよね」

ツンデレとは王道なことをしてくれる

そして感謝感激で終わらせてくれ。

怒るのは違うからな。


ミコトはソファを背中にたずさえカーペットに座る

俺もブラックボックスを手に腰を下ろす


「で、これは何だ?寿司か?」

そんな分けねーよ。

真四角の箱に何故寿司が詰まるって話だ

「開ければ分かるって、さぁさぁ始めよーか、シュールな世界を」

ニヤニヤしてナニイッテンダこの娘

とりあえず開けるか

そこには・・・


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


はい、無言モードに入りました

こうなったら俺はしばらく話さないぞ


何が入ってたか知りたい?

箱です。

マトリョーシカ形式のあれです。


始めて見たわ。箱イン箱

そしてみなさんお分かりのようにまだまだ箱がある

はっこ開けて、はっこ開けて、はっこ開けないで、やっぱ開ける

はっこ振ってみて、やっぱはっこだ

はっこだ、はっこだ、はっこだ、はっこ、はっこだ


ゲシュタルト崩壊しました

箱って何だっけ状態です


「どぉ?」

おい、その顔は何だ。期待すんなよ、俺にレポートさせる気か


「どぉって言われても・・・」

期待は裏切るタイプにはなりたくない

しょうがねーなやってやるよ。


「何ともユーモア精神溢れる贈り物で」

としか言えないけどね。


「へー」

おい、その声は何だ。つまらない感出すなよ

おい、その顔は何だ。裏切られた感出すなよ

これ以上を俺に求めるな


「これが俺の精一杯なんだから努力賞ぐらい貰ってもよろしいのでは?」

「まぁ、そんなのは二の次で——」

ザッツ後回し!!てか無視に近い!!

努力賞は永劫回帰な無縁仏かな


「中を確認して、不備があったら返品だからね」

何が入っているか知らない俺にとっては不備とか全然わかんないだけど


「了解」

ラスト箱であろう箱を開ける

そこにはシマシマの——

「あっ!そ、そるは!」

ミコトは凄まじい速さでマトリョーシカボックスを奪い取り、もう一つのブラックボックスを俺に渡す

だか一歩遅かったな


「下着か・・・」

ふっふっふ、すでに眼に焼き付いておるわ

「はっ!いやっ、あっあの、こるはっ!ヒモのやつではなくて殺傷能力はっ!」

必死にあたふたして誤魔化そうとする

かわいい奴め


「別にいいんじゃないか?下着を見られたって困らないだろ?普段から俺が洗濯してんだし」

真っ赤にヒートした顔。血色よくなったな


「新品の下着を見られても動揺するもんじゃないだろ」

「そ、それとこれとは話がちがうの!!」

「ん?そうっすかミコトさん」

「とにかく!さっきの光景は忘れて〜!」

懇願する少女。

俺はなんて充実しているんだ!


「人の記憶は消えないんだよねーミコト。これも運が悪かったと思って諦めな」

「あきらめない!絶対忘れさせる!」

ミコトはそう言うと居間から出て行く



そして戻ってきたその手には孫の手が

「これでめった打ちにすれば記憶が飛ぶって〜」

「どこ情報⁉」

「ベンジャミン」

「ベンジャミぃぃィぃいィィぃぃぃィンッ!」


この後どうなったかは・・・言うまでもないよな



◆◆◆◆◆◆不思議摩訶不思議◆◆◆◆◆◆



ボコボコにされた俺は全身に湿布をはって居間でひっそり座っている

テレビを観て傷を癒してる諸行です


これはあれじゃないか?DVじゃないの?

まぁ、過ぎたことだからネチネチしないけど


ミコトは風呂に入ってビバのんのんしてる

のんきな奴め

俺を散々殴った挙句あげくいい汗かいた〜と風呂に入っていった

このお気楽姫が


「痛いな〜・・・」

各所に痛みがあるけど深い痛みではない。

ミコトは急所は狙わずに攻撃してくれた

くれたってゆーのもおかしいけど

これもミコトの配慮なのかな?


ミコトが風呂に入る時間、それすなわち俺が活性化する時間帯


おっと、変な意味じゃないからな

活性化するのは“身体”だ

おっと、変な意味じゃないからな

もっと言うと“心”が活性化するんだぞ?


意味わからん?


だろうな、ファンタジー部分にはまだ全く触れてないわけだし


あっ、これファンタジーっすよ?

DVじゃないっすよ?


それじゃーお見せしましょうかね、俺の能力を


いつも通りミコトの歌が聞こえてくる


「忘れてかけてた日々を信じて

いつまでも偽りを演じ続けぇぇ!

特に意味を持たず正しい選択をし続け

殺した日々に嘘をついて

いつまでも真実に目を背けてぇぇ!

時に意味を持つ間違えをし続けて

強がり怖がり裏切り喜び全て与えてよ!

僕を作ってよ!

虚ろな瞳で世界を傍観した君に僕は・・・」


風呂での歌って静かなもんじゃないっすか?

ミコトは全力疾走

ハードな高音の曲を熱唱する

それが俺にはキモチよくて心地よくて心が癒される


——全身にはびこる傷がえていく


それこそが俺の能力。


よく言うじゃん、精神状態が良好だと身体の傷を治す力が上がるって

その力で病院から退院した人なんて数え切れないほどいるわな


俺はそれがヤバイほど活性化する


異常なほどの心と肉体の連結


心が癒える=肉体の再生


そんな能力っす


だからミコトは俺をめった打ちにしたわけよ

いくら傷つけたって俺は短期間で治る

だからって殴るのはどうかと思うけど


簡単に能力説明したけど、ホントはもっとややこしい説明しなくちゃいけない能力なんだよな

てか、これが俺の全ての能力じゃないし

おっと、こっから先はナイショのお話

ネタバレは禁止要項なもので


だから見せる時があるまでお待ちを——



◆◆◆◆◆◆いつの日か◆◆◆◆◆◆



傷完全完治した俺が湿布を剥がしていると

「いやーいいお湯だった〜」

ポカポカした陽気で、湯気が立ち上る身体を千鳥足で運んでくる

のぼせてんじゃん


「やっぱり歌はいいな〜いっつもフラフラするけどー」

「そりゃするだろ」

倒れそうなミコトを支え所定地にエスコートする


「いつもありがと〜ミズキ」

もう心はいっぱいっすよ


ミコトを座られた後いつもの習慣

冷蔵庫に向かいほうじ茶をテイクアウト


「これだろ?」

コップに注がれる生命の液体

照明からの光で金色と化している


「ありがと〜ミズキ」

もう溢れかえってますよ


「風呂上りのほうじ茶ほど最高のものはないよな」

「そのと〜り、こんな素晴らしいものをミズキに会うまで知らなかったなんて〜私も未熟だった〜よね。感謝感激怒〜ありがとーミズキ」

感謝されるこのキモチ。

これを教えてくれたのはミコトだったな

「俺の方こそありがとな」

いやー何か感謝ってはずいな


「?」

ミコトのポワポワ脳ではよくわってない様子。

それがいいな。記憶は消せないけど理解できてないのならそれでオーライだ


「じゃあ俺入ってくるわ」

「いってらー」

挨拶って・・・やっぱりいいな



ビバのんのん〜

いい湯やわ〜

こりゃポカポカした陽気出すわ〜



◆◆◆◆◆◆◆いい湯でした◆◆◆◆◆◆◆



風呂上りのほうじ茶一杯をいただいた俺は、まだ手付かずのブラックボックスが眼についた


あの下着セットはミコトのお品だったし、俺のは何が来たんだ?


ミコトは外に出て夜風に当たっている。

ガラス張りなのでその様子が居間から見える

風呂上りの夜風とはなかなか風流なことをしてくれるな


俺はそんな一人ではないことを確認した後に多少の好奇心を持たせブラックボックスを開ける

予想通りそれはマトリョーシカボックス

はっこはこはこはっこはこー

そこは無機的にホイホイ開け進める


寿司の代わりに届いたブラックボックス

・・・今思ったんだけど値段っておいくらなんでしょうね?

気にすると立ち直れない気がしたのでこれについては深く考えないようにする


ラストボックスにたどり着く

俺へのお品を拝みますよ

せーのっ

バッ


そこには・・・

「目に映るは黒色の端末。画面が大きい。つまりタッチパネル式の端末。つまりはスマホ系統の物と推測できる。

ただ、ミコトが頼んだ物であることを考慮すると普通な端末ではないと考えられる

結論。本人に聞く

これがミズキ解析官の分析結果だ。以上!」


とゆーわけなので俺も話を聞くついでに夜風にあたりに行く


ガラス張りの戸を開け

ガラガラ


夏には必須のビーサンを装備し

ぱにょぱにょー


ミコトに向けて発進

ペタっペタっ


あっ、効果音は気にせずにw


「ミズキもたまらず出てきちゃった?」

ミコトの服は無地Tシャツに動きやすいズボン。割とスタンダードな格好

長い純白の髪は下ろしている

まだかすかに濡れるそれは俺を高揚させた


「夜風はやっぱ気持ちいいな」

ミコトの隣に立ち自然な感想をもらす


「ミズキも風流が分かる男だね」


「俺もさっき同じことを思ってた」


「まさか!私の心を読んだ⁉魂進化に加えサイコメトリングまで使えるとは・・・ミズキ侮れん・・・」

魂進化って何だよ、俺の能力の事か?

何かカッコよく命名してくれてありざーす。


「そんなサイコメトリングなんか使える分けないだろ?そんなの使えたら多分俺すさんでるわ」


「ほぅ、なんで?」

ミコトは試すように俺に応えをうなが


「相手の心が分かると自分が傷つく。言葉は心をカモフラージュするものだってのに、言葉をかいせずに直で心を読んだら思いもよらない真実を知ることになるからな。そりゃすさむだろ。みんな嘘つきで本音を隠してんだから。本音を見るんだったらカモフラージュされた言葉の方がいいって話よ」


「これもミズキの人生経験から?」


「いや、ただ単にそう思うだけ。時々考えるんだよな、人の心の中のこととか。どこまでが本音でどこまでが嘘なのか」

いつ裏切られてもいいように…


「ふーん、・・・ミズキも私と同じだね」

『ふーん』の部分で俺の話をミコトに流されるかと思ったが杞憂に過ぎなかった

流されるって辛いっすからね

ついつい不安になるっすね


「ん?ミコトも人の心とか考えるのか?」

ミコトは少し考えた風にあごに手を当てる


「んー、人の心はどうでもいいけど自分の心について考えるな〜」


「自分の心?」


「まぁ、自分がよくわかんなくなる時があるんだよね」

自分がよくわからないってどんな状況だ?

人生経験がまだまだ未熟な俺には分からない

答えを聞こうと口を湿らせる、だが


ミコトは薄くほのかに紅い唇に人差し指を当て

「こっから先はナイショのはなし」

心臓の高鳴りが聴こえた

今のミコトは魅力的に写った


きらめきをとどめない青い瞳

後ろにたずさえる月

そこから降り注ぐ光で輝く純白の髪

夜の暗闇と合いまってさらに美しく可憐な少女となっていた


不覚ながら完膚無きまでに見惚みとれていた

大人な魅力を感じていた


「ミズキが成長したらね、それまでお預け」

目を細め、優しく笑顔を


ノックアウトはしなかった。こんなかわいい笑顔を向けてくれるなんて現象が起きたら吹っ飛びそうなものだが。

それをさせない雰囲気にあった。

その場は彼女に支配されていた。

あらゆるものが彼女に見惚みとれていた。

空も風も夜も月も。全てを惹きつける力があった

俺もそれにやられノックアウトする暇なんかなくなっていたんだ


その場だけ時が止まった。世界と離れた世界


一種の時間操作をミコトはしていた


「ところでミズキ・・・」

世界の中心と化していたミコトは優しく話かける


「なに?」

雰囲気にのまれている俺はやはり優しく返す


ミコトは瞳を見て屈託なく笑い


「腹減った」


その場の支配をとく一言


俺がその後とった行動はありきたりで当たり前で毎日で日常で普通なこと


「あぁ、お前の舌を唸らす絶品を用意するぜ」


「しょうがないなー私も手伝ってしんぜよう」


「いや、頼んでないけど」


「人のキモチを踏みにじるなー!」


「分かってるよ、それじゃ頼んだぞ」


「素直でよろしー」


「ははは」


「ん、なに笑ってんの」


「何でもないよ」


「私を見て笑ったな!ミズキー!」


「悪かったって」


「まだ笑ってー!私は激おこプンプン丸状態!」


「やっぱいいな」


「イミフな発言NGー」


「あははは」


「だからなんで笑うの!もう先に作ってる、ミズキだけ激あま仕様にするかね」


「おい!それはマジのやつじゃねーか!夕飯激あまとか死んじまうわ!って閉め出すな!開けろー!ミコトー!!」


二人でいることの美しさを少し学んだ時間だった

俺も成長したのかな

ってか、夕飯どうなんのかね?



◆◆◆◆◆◆タイミングわる!◆◆◆◆◆◆



神に祈りながら待っていた頃

すっかり冷め切ってしまった頃

バッチリ湯冷めした頃


ガラガラ


「晩ご飯できたよ〜」

いつも通りの声。全くブレのない音。

よからぬことをしようとする人間の出す声じゃない


「はいよー」

さーてと、ミコトに良心はあるのか

地獄の夕飯とならないか

俺はどれだけ神に愛されてるのか

——試す時がやって来た



食卓に並ぶ料理

どれも湯気が立ち上り、湯冷めした俺にはとてもありがたい物となっている

その全てが電子レンジを必須とする冷凍食品


ミコトの料理はうまい。

前に食べた時は正直負けたと感じたほどにだ


だがミコトはなかなか料理を作らない

ミコトの言い分では「暇な時だけ」だそうだ


だからミコトに料理を任せる時はだいたい冷凍食品かふりかけとなる


それはすでに想定内だ


問題なのは、その冷凍食品をどう甘くしたか


俺は過去に塩と砂糖を間違えるという典型的かつ最悪の失敗をしたことがある


甘い物がどれだけ恐ろしい物かすでに経験ずみ


絶対に避けなければいけない


だが避ける方法はない


全ては食して理解する


俺は箸に願いを込めて口に運ぶだけ


その時のミコトの顔は


“ただただ観ていた”


ありとあらゆる感情を表情で訴えるミコトは何も感じることのない。無の境地へ達していた


いや、無の境地よりたちの悪い顔をしていた


それはそう一言で表すならば


“観察”


俺を人ではなくただの実験対象として観るようなそんな顔だった。


瞳は一点を写し。

息は浅く。

わずかに揺れる体。


俺に『食せ』と言っている気がした


実験の結果を待つ無機的な化学者


モルモットたる俺に拒否権などない


俺は甘さに悶絶し、ミコトはその予想通りの実験結果を観て喜ぶ


それこそが化学者とモルモットの関係


ならば

どうせやられるのなら

盛大なリアクションをする


ミコトの笑顔を見れるなら。

俺は悪鬼羅刹の世界でも追いかけて行く。

彼女の笑顔を永遠にするために——


そーゆーわけで、ミズキ、いっきまーす


『大丈夫だ、問題ない』

「ぼほぁ!」

思わず吹いてしまった

何てタイミングで言ってくれやがる



「あー、もうちょいで爆死するとこだったのに〜」

爆死⁉

そんでなにちょっと拗ねてんの⁉

殺人未遂しといてなに拗ねてんの⁉


「ん?ミズキどーした?」

「いや・・・別に・・・」

ま、まぁ、この事は後でいいや・・・


「それよりあの電子音は何だ?」

『大丈夫だ、問題ない。大丈夫だ、問題ない。』

どこかで聞いたような謎の電子音がブラックボックスから流れてくる

詳しくはブラックボックスに入っているスマホみたいな機械から流れてくる


「あーあれね、あれは警告音。近くに“異界の生物”が出現したからがんばれーってゆーやつ」

警告音の割には『大丈夫だ、問題ない』って言ってるけど

そこを指摘するとめんどーそうなので胸に秘めておく


「・・・行くのか?」

「あたぼーよ」

はぁ、ついにこの日がやって来たか…

一ヶ月間の二人きりの優々としていた日々が…


「よしミズキ出陣するぞっ!」

スマホを手にしたミコトはそのままの格好で元気良く外へいずる。


「了解」

俺もついて行く。サンダルを着用して夜の街に出陣なりき

おっと鍵閉めなくては


「はやくー」

「はいよー」


カチャカチャ

鍵!ウザい!


「行くぞー!」

「おう!」

走り出すは家を出て右。長い道路が続く


「それでミコト」

「なんだー」

「何でついてきたんだ?」

「ズコー!」

リアクションざつ!!

止まったミコトに合わせて俺もストップ


「そこは、このスマホ型のシンプルいずベストを極めた象徴みたいな結晶は何?だろー!」

そんなにホイホイ言葉は出てきませんよ


「いやだってお前がくる意味ないだろ?俺一人でも十分なんじゃないか?」

来てくれるのはメッチャ嬉しいっす

なんたって“初陣”っすから


「アホかー!ミズキは自分の能力をチッっっともわかってない!」

地団駄を踏み怒りを表す

やっぱり分かりやすいなミコトは


「すいませんね」

「許す、で、ミズキの能力は一人じゃ発動できないでしょ」

許すの早ー


「そうっすね」


「それに初陣なんだよ?一人より二人の方が絶対いいに決まってんじゃん」

「それもそうだな」

全くも〜ミズキはー

すんません

許す

あざーす


「それじゃミズキ」

「なんだいミコト」

「お勤め、がんばって」

笑顔と応援いただきました


ココロゲージスタート


このゲージが意味すること


能力発動


それが意味すること


体力UP


俺はミコトを抱きかかえる

お姫様だっこ


「今度こそ行けー!ミズキー!」

「りょーかいっ!!」

しゅだだだだだ!


Bダッシュで夜の街を駆ける







四話です、ご視のほどありがとうございます。

今回からようやくファンタジー要素が混ぜ込まれました。

瑞樹の能力分かっていただけましたか?

そしてミコトの可愛さは分かっていただけましたか?

これから物語は進んで行きます、ファンタジーに必須なバトルも用意してあります。

がんばってファンタジーに仕上げますのでよろしくお願い申し上げます。


それでは次回も読まれる事を願って。

ありやとうございやした!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ