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非力なお姫様だっこ  作者: 葛しょこら
お姫抱っこをした方②
5/5

学校探検と……。


今日は朝マックができるほどのフライング登校ではないが、まだ最寄り駅に生徒は一人もいなかった。だが、早く行けば遅刻をすることはないし、探検もできると学校へと向かった。


その道中で女の子は倒れてなかった。やっぱり昨日は稀なことだったのかと当たり前なことを思いながら、学校の門をくぐる。クラスに行くと案の定まだカギはかかっており、職員室にカギを取りに行った。


「失礼します」と職員室に入ると、そこにはデレデレゴリラと金子先生がいた。

「な、なぜ、お前がいるんだ!渡辺!!」と意味も分からずいきなり怒鳴られた。

「おはようございます。昨日のような遅刻で怒られたくなかったので、あのクラスのカギはどこですか?」

「おはよう~。そこのクラスが書かれている棚の中に入っているわよ」と金子先生が指で教えてくれる。

「ありがとうございます」とカギを取り出すと、「おい、渡辺」と先ほどまでデレデレしてたゴリラが低い声が聞こえた。

「はい」と背筋がピンと立ってしまう。昨日の喚き声が体にまだ染みついているのだ。

「昨日は倒れていた子を助けていたんだな。怒鳴ってすまなかった。でも用事だけではわからんぞ」

「すみません」(いやいや!言い訳もさせずに怒鳴り散らしたのはアンタだろ!!)と頭を下げる。ただ、怒られなくて良かったと胸をなでおろす。

「うむ」とゴリラはコーヒーをすすった。

「失礼しました」と職員室を出て、クラスのカギを開け荷物をほりこみ、さっそく探検開始だ。


まずクラスがある4階の端っこ1組からとクラスを覗くと1人の生徒が何もせずボーっと座っていた。俺より先に来てる子がいるんだとだけ思ったが気にも留めず、2組、3組と順に見ていくが何もおもしろい発見は無い。まあクラスは何もないかと他の階も探索する。しかし、ほとんどカギが閉まっており、学校探検は何の発見も無く終わった。



その後のオリエンテーションも特に何も無く、終礼を迎えたのであった。

「今日はこれで終わり明日は先輩たちがお前らのために新入生歓迎会をしてくれるから、今配布したしおりもって来いよ。部活紹介とかそこらへんをする予定だから。では、これで解散」とゴリラが低い号令をかけ解散した。


まさかの大事件だ。部活のことなんて全く考えていなかった。スポーツは全くダメだし、文化系という音楽も美術も成績が5段階中2な俺にはあっていない。中学時代は陸上部に所属してはいたが幽霊部員で全く部活に参加していなかった。なのに、この高校は強制的に部活に参加させるという意味不明な制度がある。どうしよう……。



「なあ、渡辺君」と後ろから声が聞こえ、振り返ると後ろの席の岩井さんがいた。

「どうしたの?」

「部活ってもう決めたん?」

「ああ……。まだ何も決めてないんだよね。岩井さんはどこか決めたの?」

「うん、決めたで!なんやと思う?」

「スポーツできそうだからバスケとか?」

「はずれ。後、あたしスポーツできひんから」

「じゃあ、吹奏楽とか?」

「ぶー、はずれ。後、美術部とかも無いから」

「え?じゃあ石井さんは関西人だから漫才研究会とか?」とあまり仲良くはなってないが渾身のボケをかます。

「自分、なめてん?」とドスの利いたツッコミをされた。関西弁の恐ろしさだ。なめてん?って恐すぎる!

「ご、ごめん!でもよく分からなかったから」と即座に謝る。

「まあ、許しったてもエエけど……」とニッコリと石井さんは笑った。


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